新しい薬と薬の効き目の個人差
昨日から新しい薬を処方してもらった。
夏の酷暑や新しい仕事への不安など、積もり積もって痛みや痺れの他にも無気力がずっと取れずにいたからだ。
それをかかりつけ医に相談したら久しぶりにサインバルタを処方された。
昔飲んでいた時期があった。
久しぶりだったので、飲んでから2時間も経った頃には露骨に効いてきた感じがした。
今まで思い悩んでいたことでいっぱいだった頭からその念が消え、「映画の予約してなかった」「あれが食べたいな」「布団を干したいな」などと楽しいことへの欲が自然と湧いてきた。
実際に思ったように遊んだわけではないけれど、今まで一切浮かばなくなっていて、「回復するために心の機嫌を取らなきゃ」と、義務的にしか行っていなかった。頭と体が不自由な感覚が強いので、それすらかなり過酷な鍛錬でしかなかった。
薬を処方されたことや、通院や会社への取り次ぎなど、母に協力してもらえたことで安心したのは確かで、昨日の午前中にはまともに立って話すことも難しかったのが、午後には会社に電話で連絡を入れられた。私は鬱になると喋ることが難しくなる。どもって、最悪泣いてしまう。相手が望んでいることが何か、より穏便に治めるにはどうすれば良いか、自分には分からず、答えられない。様子がおかしいことは嫌でもバレてしまう。「社会人として、平静を保てないことも、連絡が取れないことも失格だ」とどちらも叶わないジレンマに囚われ、結局動けなくなってしまう。
ともかくどんな情けない形であれ、連絡は取れた。
そして正式に退職が決まった。派遣社員だったので、派遣元のコーディネーターが手続きや連絡を進めてくれているかと思う。
今、私のダメさ加減をあげつらうことは簡単だけれど、キリがないし、今自分にダメージを与えたところで復帰が遅くなるのでやめておこう。
仕事中の痛みや不安の抑制に際して、痛み止めとエチゾラム(精神安定剤。筋肉の緊張による肩こりの緩和などにも用いられる、デパスの後発薬)はしばらく調子を見つつ服用していた。
痛み止めは場合によっては効かないこともあるけれど、「やるだけはやった」という気持ちの面では飲むと楽になった。
エチゾラムはもはや特別効いている気はしなかった。
休薬していた時期もあるとはいえ、初めて処方されてから12年にはなる。
ここ数年、母は事業所を異動し、そこでの人間関係が合わずストレスによる痛みやイライラ、無気力の症状が長く続いていた。背中や腰、体のところどころが突然痛む時があるという。胃痛なども。
胃痛は私も十二指腸潰瘍までなりかけたことがあり、その際の薬を常備をしていた。母は極力薬に頼らない人だったが、これで楽になるなら安いものだよと母に分けた。
「どうしても痛い時用に」とトアラセット(慢性疼痛に処方される。カロナールより強い)も少し渡した。ロキソニンは普段から飲んでいるようだったが、トアラセットは「ぼーっとして仕事がしにくかった」と感想が返ってきた。私はもうカロナール(一般的によく処方される痛み止め)では効かなくなっているので、痛みがあるという人でも日頃から耐えて過ごすことに慣れている人には効き目が強く働きづらくなるのかもしれない。
母は「良質な眠りの日がない。眠れればよくなる」と言って、私の診察の時に一緒に睡眠導入剤もお願いしてくれと頼まれ、渡した。睡眠導入剤はすっきり眠れた感じがあったという。
「肩こりなんかがどうしても痛かった時用に」とエチゾラムも渡したが、初心者には効きすぎるので休日の前日の夜が良いというつもりで渡したのだが、朝に飲んだのか昼に「仕事中舌も回らないよ」と電話が来た。
友人がもっと強い抗うつ剤を飲んでいるのも知っていて、私はまだ精神疾患としては軽度だと思っているけれど、薬を飲んだことのない自力で生活してきた人からすれば信じられない効き目なのかもしれない。