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(短編) ウサギ

私は衝動的にウサギを家に連れて帰ることにした。
一人の部屋に跳ね回るウサギの姿を想像すると自然と頬が緩む。
腕の中の温もりに命を感じ、私なんかにも、守れるものが出来た歓びに浸る。
こんなに家に帰る足取りが軽いのはいつ以来だろう。
家につき真っ暗な部屋に明かりをつけると、静まり返る無機質な空間で照らし出される柔らかな白。
「今日からここは私たちの家だよ。」
この時には、さっきまで生きていたはずのウサギはもう死んでいた。
この部屋はウサギには寂しすぎたのだ。

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