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【VRChat】Blender4.2を使用して体形改変をする(1.環境構築とFBX読み込み、テクスチャ割り当てまで)

0.イントロダクション

この記事はBlenderを用いて体型改変を行う記事です。
「なんでMA Scale Adjusterとかあるこのご時世にこんな記事を?」と思った読者もいるかと思いますが、なんだかんだでFBXを直接弄る方が柔軟に運用が出来るため、個人的にはこっちの方が好みです。
(Unityだけでどうにもならないことが分かった時にBlenderに戻ってくるのが面倒という理由もあります)

今回はBlender 4.2 LTSを用いて体型変更を行う方法について解説します。
今まで3.6 LTSを使用していましたが、サポートが2025年6月までとなっているため、移行のついでに今回は以下を解説していきます。

  1. Blender 4.2 LTSをSteamからインストールする

  2. Blenderの設定を整える

  3. 作業に必要なアドオンを導入する

  4. Blenderにモデルデータ(FBX)をインポートする

  5. ここまでの作業をファイル(.blend)に保存する

とりあえずここまで書きましょう。

因みにLTSとは「ロングタームサポート」の略で、日本語に直すと長期サポート版の意味です。
BlenderのLTS版はリリースから2年が基本です。3.6は2023年6月27日リリースで、2025年6月にはサポート終了が予告されています。
4.2は2026年7月までサポートされる予定です。

因みに、本記事は以下の記事を始めとする一連の記事で学んだことをベースに、自分の中で再構築した手順です。


1.Blender 4.2 LTSをSteamからインストールする

まずSteamで以下のページを開いてBlenderをインストールします。
実はBlenderはSteamにあるんです。

PCへのインストールが出来たら、SteamのライブラリからBlenderを探しましょう。この時、カテゴリがゲームやツールではなくソフトウェアになっているので注意してください。

検索窓に入れればすぐ探せますが、お気に入りに登録しておくのがオススメです。

次に、Blenderを右クリックしてプロパティを開きます。

ベータのタブを開き、以下の通り操作します。
①「ベータへの参加」から「v4.2 - Stable - LTS(v4.2のLTS安定板)」を選びます。
②選んだら起動ボタンが「アップデート」に代わるので、クリックしてアップデートしてください。

起動したら言語を日本語にしておきましょう。
ついでにバージョン表記が4.2.4 LTSになっていることを確認します。

上に「Blender 3.6のプリファレンス(環境設定)をインポート」と出ていますが、この後解説するので今回はスルーします。

2.Blenderの設定を整える

次に設定を変更します。
まず最初にメニューバーの「編集」から「プリファレンス」をクリックします。

プリファレンスが開いたら、システムを開いて、元に戻す回数を256にセットします。デフォルトだと32となっていますが、Blenderは「メッシュをクリックした」とか些細な操作もこのカウントに入るので、デフォルトの32だと全然遡れないです。

次に、セーブ&ロードを開いて、バージョンを保存の項目を10~20でお好みの数値にします。私は20にしておきました。

2.1 「バージョンを保存」について

「お好みと言われても困る」という声が聞こえてきそうなので、この「バージョンを保存」について解説をします。
この機能は上書き保存の操作をしたとき、何世代ファイルを保持するかという設定です。

例えば、無題.blendというファイル名でファイルを保存するとします。
この.blendというのがBlenderのファイル拡張子です。

この状態でBlenderに戻り、上書き保存をすると、
①それまで無題.blendだったファイルを無題.blend1に変えて
②無題.blendを更新する
といった動きをします。.blend2以降の数字のファイルがあれば、同じようにスライドして世代管理されます。

こうすることで、「元に戻せないミスをしたので上書き保存のデータを開き直したが、すでにミスをした状態で上書き保存していたのでどうにもならなくなった」といった状態になるリスクが大幅に軽減できます。
xx.blend(最後に上書き保存したファイル)を開いてダメだったら、更にその前(xx.blend1やxx.blend2)を開けばいいわけです。
詳しくは以下の記事を読んでください。

3.作業に必要なアドオンを導入する

次に、作業を進めていくうえで必要なアドオンを導入します。
基本的に以下の二つを導入します。
ちなみに、ダウンロードしたZipファイルは展開しないでください。
Blenderに導入するためにはZipファイルのままである必要があります。

SKkeeper(v1.6)

体型変更の過程で「モディファイア適用」という操作が必要になりますが、シェイプキーがあるメッシュ(身体や顔など)にはBlenderデフォルトだとこの操作が出来ません。
このアドオンを入れるとシェイプキーの存在するメッシュにモディファイア適用が行えるようになります。

かつて2.8などではApply Modifierと呼ばれるアドオンが使われていましたが、3.6以降は使用できなくなりました。SKkeeperはこの代替です

Cats Blender Plugin(4.2)

3Dモデルに対する便利機能詰め合わせセットのようなものです。
オフィシャルは3.5で更新が止まっていますが、アンオフィシャル版が3.6以降にも対応しています。4.2.1.4までしか対応していないようですが、使いたい機能は使えるのでこれを使います。

この画面で「Select Unofficial Cats」をクリック
Blender 4.2を選んでDownloadをクリックします

以下の二つがそろっていればOKです。

ダウンロードが終わったらBlenderに戻ります。
Blenderのアドオンの画面を開き、右上のプルダウンをクリック⇒ディスクからインストールをクリックします。

ファイル選択画面でCats Blender PluginのZipファイルを選択して、(見切れていますが)ディスクからインストールをクリックします。

導入したらアドオンの一覧に「Unoffical Cats Blender Plugin」が追加されて、チェックボックスがONになっていることを確認します。
なんかハチャメチャな数の警告が出ていますが、無視してOKです。

次にSKkeeperのZipファイルを選択してインストールします。

こちらはエラーなく導入出来ました。
以下のようになっていれば正常です。

ここまで終わったらプリファレンス画面は閉じて大丈夫です。
アドオンが正常に導入できているか確認してみましょう。

3.1 導入できているか確認する

まず、「オブジェクト」ボタンをクリックし、メニューの中に赤枠の項目が追加されていることを確認します。これが見えるならSKkeeperは導入できています。

次に画像赤枠のプルダウンをクリックし、「MMDシェーディングプリセット」という項目が増えていることを確認します。これが出ているならCats Blender Pluginの導入が出来ています。

アドオン導入はここまでで完了です。

4.Blenderにモデルデータ(FBX)をインポートする

4.1 今回の題材

今回のモデルデータはウルフェリアです。

有難いことにBlendデータが付いてきていますが、今回は使わずに解説をします。
ついでに、以下の通り作業用のフォルダを作成しています。

  • 改変作業用フォルダ(ダウンロードしたものやPSDの保管場所)
    I:\10_VRChat_Work\90_AvatarCustom\Wolferia_Custom\

  • Blender作業用フォルダ(.blendファイルの保管場所)
    I:\10_VRChat_Work\50_Blender&衣装\素体\素体_Wolferia

左が改変作業用、右がBlender作業用です

「10_VRChat_Workってなんだよ」って人はこの記事を参考にしてください。執筆当時とフォルダ構成が変わっていますが、とりあえずどこかにBlenderの作業用フォルダを作っておけばOKです。

4.2 FBXのインポート

では、FBXをインポートしましょう。
まず、Blenderの「ファイル」⇒「インポート」⇒「FBX」をクリックします。

Blenderファイルビューが開いたら、FBXを選んで右下の「FBXをインポート」をクリックします。
Maya製モデルなどだとオレンジ枠の部分の設定を変える必要がある場合がありますが、今回はBlender製モデルのため触らずで行きます。

インポートしました。
カメラ・キューブ・ライトは不要なので消しておきましょう。アウトライナー(右上にあるUnityのHierarchyのような部分)でこの三つを選び、右クリックして削除をクリックします。

不要なものを消したあとです。
今の状態だとマテリアルの設定をしていないので一部の人がもだえるピンク一色です。

4.3 Blenderの画面レイアウトとカメラ操作について

今さらですが画面レイアウトについてザックリ解説します。
大体は普段触れているUnityと同じです。

細かい名称についてはこの記事を参照してください。

カメラ操作についての解説ですが、Blenderでは基本的にテンキーを使います。テンキーの5⇒1の順に押すとアバターの正面にカメラが移動します。

詳細は下の記事を読んでください。

次に、テクスチャの割り当てを行います。

4.4 マテリアルの設定とテクスチャの割り当て

まずメニューバーの「ファイル」から、「外部データ」⇒「欠けているファイルを探す」の順にクリックします。

Blenderファイルビューが開いたらテクスチャが格納されているフォルダを開きます。BlenderはPSDも読み込みできますが、今回はPNGファイルが格納されているフォルダを選びました。

こうすると、Blenderくんが気を利かせてテクスチャを割り当ててくれます。
(これでうまくいかない場合の対処法は4.4.1で解説します)
ただし、今のままだと妙に陰影が効いていて見慣れない感じです。
こういう時は右上のプルダウンから、MMDシェーディングプリセットを「影なし」にしましょう。

そうするとシェーディングがToonになります。
見慣れた感じになりました。

4.4.1 「欠けているファイルを探す」で解決しない時

アバターによっては自動割り当てがうまくいかない場合があります。
その場合は、以下の画像の通りに操作してそれぞれのマテリアルにテクスチャを手動割り当てしてください。
(3.6で作成した画像ですが、基本的に操作は同じです)

5.ここまでの作業をファイル(.blend)に保存する

ここまで終わったら、一旦ファイルを保存しましょう。
ファイルを保存するには、メニューバーの「ファイル」⇒「名前を付けて保存」をクリックします。

事前にBlenderの作業用フォルダを作成しているので、ここに保存します。
ファイル名は"00_<アバター名>_テクスチャ割り当て"としておきましょう。
今回は"00_Wolferia_テクスチャ割り当て.blend"として保存します。

先頭に"00_"と付けているのは、この後"01_体型確定前"とか"02_体型確定後"など番号付きで名前を付けてきれいに並べる予定だからです。
因みに、このBlenderでの作業データは「インターネットに存在しない一点モノ」です。キチッと管理する必要があるので、いい加減なファイル名などを付けないようにしましょう。あとで泣くことになります。

Blender、アドオン、モデルデータ、作業用のファイル。
これで役者がそろいました。

次回から体系改変に入っていきます。

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