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インサイドヘッド2で泣く女

ep.1 左利きは天才か奇人か論争

私は生まれつき左利きです。
手だけでなく、足も目も脳も。

ただ、絵心はなく、空間把握能力も皆無、
ましてや算数も国語もどちらも苦手で、
運動神経もこれまた酷いものでした。

こんなにも取り柄がない人生なので、
「左利き」のレッテルがなんだか苦しく感じてしまう時期もありました。> <



そもそも「左利きは天才だ」という迷信は、
右利きの人よりも「右脳」が発達している(しやすい)ことからきているようです。

実に、非凡な芸術性を持つモーツァルトやピカソ、
変わり者の天才と言われたニュートンやアインシュタインもみな左利きという共通点があるそうです。


かつての偉人たちのように、左利き特有の性質が個人の持つ才能と相まって天才になるケースもありますが、ほとんどの人はそこまでの域には達せません。

左利きの特性を活かさずに(活かせずに)、右利きが多い社会で生きていこうとすると、
左利きの人はむしろ、右利きよりも「左脳」の発達が遅かったり弱かったりする可能性があるので、これまた天才の道から遠のくように感じることがあるかもしれません。


私のような才のない左利きはまさにこのパターンで、
右利きの子と共同生活をする中で、みんなはなんの摩擦もなくこなしていることでも、私にとっては難しい…と感じることがよくありました。

例えば、活字を解読する力。
映画やアニメを見て登場人物の気持ちに共感したり、
友達の表情や態度を見て空気を読んだりする力はあるのに、
国語の読解となると、途端に主人公の心情がわからなくなってしまうのです。(音読してもらって聞いている分には理解できていました。)
終いには塾の先生には感受性がない子認定までされ、
文系なのに国語に対する苦手意識は大学受験まで拭えませんでした。



大人になってから読んだある本に、
この私の症状がまさに左利きあるあるだということが書いてあり、すごく心が救われました。


それ以来、自分の潜在意識にも左利きの影響が強く出ているのではと少しずつ気になるようになり、
以下の話へと続いていきます。

(次章が1番書きたかったことなのでよろしければぜひ読んでいってください)




ep.2 ダンス部は運動部か文化部か論争

私の高校ではダンス部は運動部でしたが、
文化部に分類されている学校も意外とありますよね。
私自身はダンスを通して、運動しているというよりも表現している感覚の方が強いので、もしダンス部を立ち上げるなら文化部に属させます。笑

実際に私がこれだけ長くダンスを続けている理由は、
「左利き脳を活かして創造すること」が私に一番合った自己表現方法だからだと思っています。

ダンスはアート。文化部です!!!笑



とはいえ、ダンスに左利きを活かせると気づいた(アートだと気づいた)のは現役を引退してからで、
2022年の『Tiffany's Dollhouse』との出会いがきっかけでした。


この作品は1つ下の後輩との合作でした。
当時、お互いに第一希望のジャンルが通らず…
やや仕方なしに、希望者のいなかった〈ジャズ〉というジャンルの枠でダンスナンバーを作ることになりました。
あいにくジャズの振付は二人とも未経験で、
正直不安が拭えないままのスタートでした。
(すぐ切り替えたけどね!)


作りたいものが明確にはない中での曲選び。
もちろんそのようなモチベでは、ビビビとくるものは特にありませんでした。
そんな時、相方ちゃんが「ショージャズの雰囲気からは遠のくのですが…」と言って持ってきてくれた曲が

『人生は夢だらけ/椎名林檎』でした。

ビビビのビ!!!(ビビッときました)


ピーターパンに出てくるウェンディが、
13歳の誕生日前夜に「大人になりたくないな」と
夢見心地で窓の外をぼんやり見ているシーンが
実際にはそんなシーンないのだけれど笑
確かに頭の中ではそんなような映像が浮かびました。

この画像はラストシーンだけど、イメージはだいたいこんな感じ


私は左利きだからか、他人よりも言語処理能力が劣っていると感じる場面が幼少期から多々ありました。
一方で、右脳で処理する事象に関しては得意意識があるものの、これまでの私の人生では大して役に立たないものばかりでした。
今回でいうと、曲を聴いた瞬間に脳内に映像が浮かび上がる特技がまさに右脳ならではかなと思います。(これが特技なのかはさておき…)

私の右脳と左脳の発達具合を
世間は「逆」と呼ぶんだろうなというコンプレックスを抱えながらも
こんな言い訳見苦しすぎる、、!!!
左利きで生まれた宿命だから仕方ない、、!!!
とずーーーっと自分の心の中に留めてきました。


『人生は夢だらけ』を聴いた時に、
私は「ウェンディが窓の外を眺めているな〜」と思って(語彙力笑)

その情景について、
「この曲、こんなイメージだわ」とぼそっと相方ちゃんに溢したら、

「それでいきましょう!」
と言っていたかは忘れたけど、すごい勢いで賛同してくれたのを覚えています!!!

自分の妄想癖を誰かに褒めてもらったことがなかったので(そりゃそうだろ!)すごく嬉しかったです。

初めて「私の右脳、やればできるじゃん!!」
と思えた瞬間でした。(激レア感想。笑)


そんなこんなで初めて自分の妄想を体現させたのが
『Tiffany's Dollhouse』だったのです!

絵:はっしーが描いてくれました


作品について誰に褒めてもらったとかよりも、
私の妄想なんだからどうしたって私にしか表現できないの!
という代替性の効かなさ具合が照れ臭くもありながら、なんだかちょっと誇らしくて。

この作品を作らせていただいたことで、
人生20数年抱えたコンプレックスがひとつ、
「私らしさ」として自分で受け入れられるものになりました。

一緒にこの作品を作ってくれた相方ちゃんには本当に感謝でしかないし🥹
今となっては、あの時希望が通らなくてマジでよかった!と思います。

ありがとう😭😭😭😭



人間なら誰しもがコンプレックスを持っているのだろうと思いますが、
必要のないものなんてきっと無いですよね。

どんなに醜いと自分で思っているものでも、
人に愛されるために必要なものだったり、役に立っていることにまだ気づいていないだけだったりするのかもしれませんね。


最後はやや思想が入ってしまいましたが笑
自分を愛するって大事!

(この間観たインサイドヘッド2に影響されてる)

私はまだすぐにはできないけど、自分を愛する努力はしていこうと思えたそんなターニングポイントのお話でした。

最後まで読んでくださりありがとうございました。

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