打ち込み、録音への没入時代
はじめに
連投となります。食べ放題担当のイソめさんです。これまで投稿してなかったのになぜ連投?と思われる方もいらっしゃるとかいらっしゃらないとか。時間に余裕ができたんです。突如。暇になったんです。とはいっても、仕事を辞めた訳でも、放浪の旅に出た訳でもありません。
実は昨日入院したのです。激しい腰の痛みで通院したところ、そのまま帰れる状態ではなく…。ということで前回ご紹介した人生の続きを書きたいと思います。
QY10との出会い・初めての打ち込み
高校2年の頃、隣のクラスの友人がヤマハのQY10を持っていて自作の曲を作っていた。今から33年ほど前である。私も自分で打ち込みなるものをしたくて、なんとか親に頼みこんでそれを手に入れた。今、思うと大変ありがたい環境である。うちの娘に頼まれたとしても、私ではなかなか買えるものではない。
最初に打ち込んだのは操作の練習も兼ねて、ユニコーンの「自転車泥棒」だ。小さい液晶に数字が並んでる。スコアがあったが、音符(数字)、音階などを打ち込むのは、なかなか難しかった。間違えてもどの部分だったか分からないので必要以上に削除して、打ち込んだ。ひと通り終わったら、各パートの音量のバランスを整えたり、細かいニュアンスを修正したりした。初めての打ち込みは、時間はかかったがかなり楽しく、達成感があったのを覚えている。
私は楽譜がほぼ読めない。楽譜を読むときは、まず、ドレミを書き込んだ。音符の意味はだいたい分かるが、点がついてたり、3連符だったりするともうお手上げだった。そんな私がQY10で自作の曲を打ち込むとなると、譜面をつくらなければならず、それが難しかった。思いついたメロディーを忘れないように何度も頭の中で繰り返しながら、カセットテープにハミングとか仮歌で録音。まーだいたい録音する頃には最初に思いついたメロディーとは違っている。今はスマホがあるからそんなことはだいぶ減ってるだろうが、当時はあるあるだ。
MTRとの出会い
大学生になり、私は自宅暮らし&バイト生活をスタートさせた。自宅で衣食住を賄い、バイトでやり甲斐とバイト代(ほぼ飲み食いで消える程度だが)をゲットした。夏休み明けのバイト代は当時の私にしては大きな額で、そういったときは、親に飲食代を支払い(足りていないとは思うが)、その残りを音楽関係に使っていた。そこで新たに手に入れたのは、TASCAMのMTRである。
※MTRとは? (Googleより)
《multi-track recorder》多数の録音トラックを個別に録音再生する機材。 楽器やボーカルのパートを別々に録音できる。 録音媒体として、かつてはオープンリールやカセットテープなどの磁気テープが用いられたが、現在はハードディスクレコーダーやパソコンのソフトウエアの利用が主流となった。
とのこと。
この時代はカセットテープである。カセットテープを両面使いし、テープを4分割あるいは8分割して、それぞれに録音することで重ね撮りするのだ。
はじめはギターの弾き語りを録音した。コードでじゃらーんと弾いて録音し、その後、録音したギターの音を聴きながら、歌を録音するのだが、これがなかなか、オッケーテイクが出ない。オッケー出すのは自分なんだが…。ギターも歌も中途半端なので下手さが気になるのだ。
ギターと歌もハマっていない。基本的なことなんだろうが、ギターも歌もキーだけではなく、リズムが合わないとハマらず聴いてて気持ち悪い。上級者なら、「わざとズラしてグルーヴ感を出す」なんてセンスを発揮するのだろうが、当時の私は、というか今の私は無理なことである。次は、QY10でドラムパートを打ち込み、それをMTRで録音して、リズムを意識しながらギターと歌を重ねた。練習すればなんとかオッケーテイクが出せるようになった。(もう一度言うがオッケー出すのは自分だか…)
そうしているうちに物足りなくなる。ベースパートやキーボードパートもほしくなるのだ。そこで、QY10で打ち込み、ギターと歌を録音…ということを始めた。
まず、それぞれのパートを考え、それを譜面に起こすのだが、そもそもそんなことはできない。そこで、左手で8分音符を刻みながらメロディーを脳内再生し、リズム譜のようなものを作り、それにドレミをつけて楽譜をつくろうとした。8分音符2個分で4分音符、3個分で付点4分音符のように…。これでは3連符やより細かいものには対応できないのだが、これは打ち込んで再生してから気づくのだ。これを私は主に夜中に行った。夜中につくる歌詞は朝方聴けるもんではない。夜中に書くラブレターがそうだと聴くので同じようなものだろう。それは置いといて、朝方ほぼ完成し、何度も聴いて、満足感に浸る…最高な日々だった。もちろん、ギターでコードをつけて、カセットテープに録音して終わったものもあるので、全てを打ち込みした訳ではないが。
高校を卒業して大学生となり、サークルでバンドを組んだが、ひそかな楽しみでこの録音の日々は続いた。
こうして私は迷ギタリストでありながら、打ち込み・録音の道へと没入していった。
その後、2000年にQY100が発売されたので手に入れた。
そして、相棒QY10に別れを告げた。このQY100は、音源やリズムパターンが充実しており、今もときどき使っている。デジタルの時代が素人の音楽ライフにも迫っていた。
デジタル時代到来
20代半ば頃であろうか。MTRもカセットテープからハードディスクの時代が来た。私も時代の波に乗り、BOSSのBR1180CDを手に入れた。
これは、ハードディスクに録音ができ、データの取り出しやバックアップ用にCDドライブが搭載してある。
なので、できあがった曲を音楽CDとして作成もできた。デジタルなので録音して気に入らなければもとの状態に戻せるし、テンポを変えることもできるし…と、録音した後にできることが増えた。もちろん、音質もよく、様々なエフェクトがつけられた。
この頃は、QY100のプリセットデータを使うなど効率的に録音できるようになっていた。つい最近まで使っていたが録音途中に電源が切れることが多々あり、押し入れの奥に今は眠らせている。
その後の録音ライフ
これまでのハードディスクタイプのMTRは破損の例も多く、しかも全体的に大きい。それに比べ、SDカードにデータ保存するタイプが出回り、コンパクトサイズとなった。
それから時が経ち、2018年、憧れの奥田民生氏シグネチャーモデルのポータブルタイプのMTRが発売された。TASCAMのDP-008EX-OTである。これはもともとのDP-008EXというモデルがあり、それをOT版にしたものである。普通のモデルとの違いは色、そして、奥田民生氏自らが各パートの録音を行った「働く男」のデータが入っていることだ。自分が演奏したいパートをミュートすれば、憧れの奥田民生氏と一緒に演奏している感覚になれる。幸せだ。
4人のめがねの皆さんと出会い、ときどき集まって炙り鳥刺しをアテに飲み会をしていた頃、地域の「~音頭」を録音した思い出深いMTRである。
最近では単身赴任となり1人となってしまったが、昔、購入したリズムパットやリサイクルマートで7000円で購入したベースなどの練習も兼ねて、また、念願のGibsonレスポールを中古で購入したこともあり、ユニコーンや奥田民生氏の曲を自分で演奏、録音して楽しんでいる。
これからも私の録音ライフは続いていくであろう。