オンラインコンベンション/オンラインTRPGイベントをやろう 取り急ぎ版
【内容追加】 2021/01/25
■雑談 を追加しました。
【内容追加・修正】 2020/08/02
■セッションツール と ■受付 に追記しました。支援botで会場設営と受付を自動化しよう!あと全体を細々修正。
【内容追加・修正】 2020/04/02
■セッションツール に追記しました。
【内容追加】 2020/03/30
■システムどうする? を追加しました。
【内容追加】 2020/03/05
■受付 を追加しました。
ハロー、ワールド。オンラインでTRPGイベント(ボイセ・テキセとも)を企画したり、そのレポートをまとめたりしている神姫と申します。
コロナウイルス何するものぞ、と鼻ほじってたら、周囲のコンベンション(TRPGイベントの一つ。以下コンベ)が軒並み中止に追い込まれてしまいました。
別段TRPG勢だけを狙った攻撃ではないのですが、コンベは基本的に公共施設を用いるので、会場が閉鎖されては結果的に中止とせざるを得ません(それとは関係なく、主催判断で開催自粛に至ったコンベもあります)。
一方、オンラインセッションの予定は全く変化なし。当然です、外出しないのですから。
ならばコンベもオンラインでやれば中止の恐れもないのでは?やろう!みんなやって!
というわけで、現時点(といってもまだ3回)のオンラインコンベンション開催ノウハウを放出しようと思います。
■前提
●形態:ボイスセッション
●打ち合わせ・ボイチャツール:Discord
■セッション形態……ボイス?テキスト?
初めてならボイスセッション推奨。強く推奨。
ボイスセッションは既存のコンベンション運営ノウハウをそのまままるっと流用できる。
大抵の事には既存コンベンションでの前例があるので、何か問題が起きても対処法を調べやすい。
一方テキストセッションは長期前提な為、全体のモチベーション維持が肝要かつ難しい。
コロナで予定が吹っ飛んだからテキセでコンベやろう!って人は多分おそらくほぼいない、いたとしてもカジュアルテキセだと思うので、今回はボイセ前提で進めます。
■システムどうする?統一?バラバラ?
オススメはシステム統一。
統一できなくても可能な限りシステムは少ない方がいい。
例えば第三希望まで出せるとして、希望する三卓のシステムが全て異なると、ルールブックを買い揃えるのがお財布的に難しい人もいる。
また「このシステムを遊べるかどうかわからない」のが苦痛な人・デメリットとして大きく感じる人もいる。
「第二希望の知らないシステム」より「知ってるシステムの第二希望のシナリオ」の方が不満度は低い。
あと、オンラインの強みは「何処に住んでいようと同好の士で集まれる」なので、マイナーシステムオンリーでもオフのイベントより人を集めやすい、という旨味がある。
参加者も縁を増やしたくてイベントに来る人が多いので(以下記事参照)、同好の士で縁を繋ぎやすくするためにも、システム数はなるべく少ない方がいい。
■誰のため?何のため?
「ターゲットは誰?どこ?」「目的は何?」という話。
「内輪・知り合いだけで」「消えた予定の代わりに」と、
「外向け・知らない人向けに」「既存コンベンションの宣伝のため」では、
準備することも、気持ちの持ち方も全然違うので。
今回は前者「内輪・知り合いだけで」「消えた予定の代わりに」向け。
後者向けはもうちょっとノウハウたまったらロング版として記事にします。
■スケジュール
まず最初にこれを立てる。無いとGM依頼も出せないし。
最低限必要なスケジュールと要素はこんな感じ?最低二週間はあるといいかも。
GM依頼
↓
GM&シナリオ公開&募集
↓[1-2週間]
卓分け
↓[1-3日]
支払い期間
↓[最大1週間]
当日!!
なお参考までに、うちの本来のスケジュールは以下(システムオンリー、事前打ち合わせアリの場合)。
GM打診[当日から3か月前]
↓ [1-2か月]
GMのDiscord(会場兼打ち合わせ場所)招待&シナリオ情報提出[当日から43-47日前]
↓ [1-2週間]
公開準備[当日から36-40日前]
↓ [1日かけて公開準備]
シナリオ情報公開&PL募集[当日から35-39日前]
↓ [10日-2週間]
卓分け[当日から25日前]
↓ [1日]
支払い期間[当日から24日前]
↓ [1週間]
GM向けに卓分け発表[当日から17日前]
↓ [3日]
PL向けに卓分け発表&PLのDiscord招待&打ち合わせ開始[当日から14日前]
↓ [2週間]
当日!!
最短版だと不十分!という方は、ここから必要そうなものを適宜取り入れ、不要な期間は削除など、適当に調整して流用してみてください。
■セッションツール(2020/08/02 追記)
基本的に公開サーバーや公開ツールで十分。
勿論、公開サーバー・公開ツールを使う時は、プライベート接続を使う、部屋にパスワードをかけるなどして、乱入対策はしてもらうこと。
2020/08/02 時点で利用者数が多いのは「ユドナリウム」と「ココフォリア」。
どちらが良い/悪いという話ではなく、どちらも向き不向きがあり、人によって好みや習熟度が分かれる。
なので、使用ツールは各GMに一任し、シナリオ情報と一緒に申告してもらうのをオススメする。
可能なら自鯖に設置した方がいいけど、設置が難しかったり、そもそも使いたいツールが自鯖に設置するものじゃなかったりするので、無理に設置する必要はない。そも自鯖文化は廃れつつあるし、セキュリティ的にも危ないし。
一応ユドナリウムは自鯖設置が可能かつかなり簡単な方だが、P2P通信なので、実は公式サーバーのものを使っても問題はほぼ無い(部屋リストから探しにくい程度のデメリットはあるが、プライベート接続してもらえば良い)。
個人的には、ココフォリアは「遊ぶ人が増えれば増えるほどココフォリア開発がお金を払う」仕様らしいので、FANBOX等で還元したい、してほしい……とは思います。筋として。
こんな風に仰ってますし、特に大規模なイベントの場合は気軽に相談してみては如何でしょうか。
最近(2020/08/02 時点)だとSW2.5のキャラメ会とかやってましたね。
なお、どどんとふは選ばない方が無難。Adobeの終了予告(2020年末)より先に、ブラウザ側が対応を終了する可能性があるので。
【2020/04/02 追記】
とか言っておきながら、公式サーバー運営の方より、有り難すぎるコメントを頂きました。
ただし、無償提供はどどんとふ公式鯖終了まで限定との事。ご留意ください。
いやそれでも有り難すぎる……
やっぱり慣れたどどんとふでやりたいけど、参加人数を考えると、サーバーの維持費が……という運営さん・主催者さんは相談してみては。
■参加費の徴収方法……決済サービス
内輪向けでも、サーバー費などで「参加費」が発生する可能性はある。
だけど、現地で金銭を直接徴収できるオフと違い、オンラインは支払い方法が一つの壁になる。理由は「お金のやりとりは、法的にモノのやりとりより慎重」「ゆえにリスクとコストがかさむ」から。あと「法人は可能だけど個人では無理」という場合もある。
解決法の一つとして、当運営では個人でも利用可能なイベントチケット委託サービスというものを採用している。
具体的にはここ、PassMarket。利用にはYahoo! JAPANアカウントが必要。
とりあえず理由としては
1. 可能な限り支払えるコンビニは多い方がいい。
2. 登録完了まで最長1日、すぐ終わる
3. 担当は不要。それより安価にしたい。
という感じで、無料ですぐ使えて、全コンビニで支払い可能。
イベント参加権の売買・頒布の為のサービスなので、規約や法的リスクも無いし、チケットは物理でなく電子で発券されるので、完全にオンラインで完結できる。
参加費の支払いも、登録した口座に後からまとめて振り込まれるので、個人情報などをやりとりする必要がない。
また参加者への連絡事項も自動メッセージ送信機能で済ませられるので、メールアドレスを含めた個人情報を運営が握る必要が全くない。安全!
もちろん参加費無料のイベントにも使える。
応募者へメッセージを自動送信できるとか、当選者と落選者で別々のメッセージを一括送信できるとか、これらが全て自動化されるとか、金銭の絡まない機能もイベント運営では普通に便利なので、募集フォームとしてもオススメ。
内々でのイベント参加費の徴収にも使えて実際便利。
■ボイスチャットツール……Discord
打ち合わせ~当日のボイスチャットまで、参加者間のコミュニケーションは全てこれ一本。
Skypeに比べると「複数のボイスチャットを一つの部屋にまとめられる」「ボイスチャットとテキストチャットは完全に別チャンネル」あたりがイベントで使いやすい。
PC版(ブラウザorデスクトップ版)
iOS版
Android版
サーバーの立て方やどんなツールなのかは検索してください。
内輪でやるなら、ボイスチャットの使い方と「招待」がわかれば問題ないかと思います。
細かい調整内容はロング版をお待ちください。
→ とりあえず補足記事を書いた。
■受付
【2020/08/02 追記】
会場設営から受付作業までを一本化した支援botが登場しました。
使い方は上記noteを参照。
イベント運営するなら、とにかくこいつを使ってほしい。面倒な会場設営と七面倒な受付を全自動化。楽。最高。かがくのちからって すげー!
正直、PassMarketとこのbotがあれば、イベント運営の面倒な準備はほぼ自動化できると言っても良い(募集、応募情報管理、参加費徴収、会場設営、受付)。
残る面倒は全体の企画進行管理と、GM依頼と色々な文面を考える事とスケジュール管理だけ。
任せられる面倒は機械に任せ、ラクして楽しく運営しましょう。
(ここからは公開時の本文)
現在、当運営は受付案内を全てDiscordのbotで自動化しています。
が、このbotがまだ公開できる状態になく……自動化については、その内公開した際に併せて解説します。
ここでは自動化する前に採用していた、手動での受付方法を記載。
【1】参加者がサーバーに来たら、受付チャンネルに自分のTwitter IDを書き込んでもらう(これは応募時にも名前と併せて記入してもらう)。
【2】運営は卓分け名簿と照会し、参加者である確認が取れたら、参加卓のロールを付与する。
【3】運営アカウントで該当Twitterアカウントをフォローする。このフォローが「受付完了」の合図となる。
・運営がロール付与などの作業ができるタイミングでしか受付が出来ない
・受付できるまで参加者が書き込めない
などのデメリットはあるけど、人数が少なければこれで十分かと。
(公開時の本文ここまで)
(自動化はいいぞ)
■開会式・閉会式
「イベントだ!」と全員の認識を揃えるためにやった方がいい。
テキストならテキストチャンネルや会場のチャットツールに集合して、BGMかけながら用意したテキスト流せばいいし、ボイセならボイスチャットにマイクミュートで集合し、司会が喋るのを聞いてもらえば問題ない。
オンラインセッションというのは基本的には自宅でやるので、パジャマにすっぴんで参加できる。
で、人間というのは時と場合に流されやすい生き物で、家の中だとダラけてしまう事がままある。それは困る。だってイベントなのだから、テンション上げて、気合も入れてもらいたい。
そんなわけで、参加者の意識をイベント・特別感へスイッチさせる為に、特に開会式はあった方がいい。
そして可能なら、司会の声だったり、フリー素材のBGMを流すだけでもいいので、音はあるとなおいい。テンションが上がるので。
■二次会
二次会の雑談はコネを広げるのにとても重要。雑談から新しく卓の予定が立つのはよくある話です。
でも雑談、実は無策でやるとかなり失敗しやすいターンです。発言者が特定の誰かに偏るから。
解決策まとめました。楽しい二次会でイベントを楽しく終わらせましょう!
■その他:ボイス特有の細かい動きと注意点
▼ 可能なら、当日は開会式開始と同時にDiscordのサーバー側でメンション以外の通知を切る。
打ち合わせや雑談にテキストチャンネルを使っていると、他卓の通知で卓に集中できなくなることがあるので、それを防ぐ。
▼ 可能なら、当日はDiscordに卓のないボイスチャンネルを用意して、そこに常駐スタッフが常駐する。何かあった時に声をかけてもらえるように。
私の場合、ずっとPC前に張り付くのも辛いので、スマホに有線ヘッドセットを繋げて持ち歩いたり、無線ヘッドセットでPCと繋げて、洗濯など家事をしながら居座っている。楽。
ヘッドセットなら何でもいいんだけど、私はスマホの3.5mmジャックにもPCのUSBにも繋げられるこの有線ヘッドセットと、
この無線ヘッドセットを重宝している。充電には注意。
■その他:利用規約・プライバシーポリシー
カネの話は特にこじれやすいし、それでなくともTRPGは「悪意に弱い遊び」とよく言われるので(しかし悪意に強い遊びって何だ)、万が一に備えて作っておくとトラブルの際「ここに書いてあるので!」と言い張れる。
内輪だったら要らないかもしれないけど、外向けに募集する場合は用意しておくと安心。
例を挙げると、うちで規定しているのはざっくり以下。
・お金の取り扱い
・禁止事項と罰則
・個人情報の取り扱い
・ユーザーコンテンツ(参加者が作った立ち絵やチャットログなど)の取り扱い
多分、特徴的なのは禁止事項内「暴言・脅迫」。
「ロールプレイでは双方合意の上でなら許可するけど、PL相手にはやめてね」という、他の利用規約では多分見かけないであろう注釈をつけている。
この注釈のせいでグレーゾーンが増える可能性は大いにあるので、本当は付けない方がいいと思う。でもロールプレイを制限するのは個人的に嫌だったので、規約で萎縮したり「規約違反だぞ!」とか言わせたくなかった。
ただ、ロールプレイでの暴言・脅迫も嫌がるPLだっているし、そういうロールプレイをするにしても双方合意の上で、と。
そして、どうしても弾いておきたかったのが「恋愛的な意味での出会いを目的としたナンパ・誘い」。
当該参加者がごたつく恐れだけでなく、本当に最悪の場合、運営が「出会い系サイト規制法」に抵触したと判断される可能性すらある(出会い系サイト(インターネット異性紹介事業)の定義を参照)。
警戒しすぎでは?と思われるかもしれないけど、これを武器にイチャモンつけてくるスーパークソモンスター自分(仮想敵)のビジョンが見えてしまうので……(TRPGゲーマーの性)(ならない?)
まあ、どれだけ規定しても何か起きたらごたつきます。その際にダメージを軽減するのが利用規約の役割です。要は防具。利用規約が機能するという事は、法的措置が考慮される段まで発展しているという事でもあります。
トラブル予防!利用規約を書いたから大丈夫!という話ではないので、そこはご了承ください。
■さいごに
オンセと言えども、体調が悪いとロールプレイにも影響が出ます。
高熱などの異変を感じたら、同卓参加者に連絡して、早めに病院に行きましょう。コロナでなくともインフルの可能性もありますし。
楽しいTRPGライフを、電脳世界にも拡張していってください。