ゆめ


ゆめは

なかよし夫婦になること


僕の両親は 現在八十二歳(父)と八十歳(母)

とてもなかよし

いつも一緒で

家では 囲碁で 飽きもせず対戦して遊んでる

もう二人とも年金生活者だから贅沢はできないけれど

二人のTVで映画を観たり

一緒に買い物に行ったり

一緒に病院に行ったりしてる


十年前に 危機があったんだ

突然 父が胸を押さえて倒れた

母はすぐに救急車を呼んで

病院に連れて行った

母はそのとき

「からだの半分がヤケドしたみたいに痛かった」らしい

父は死にかけたけど

ペースメーカーを入れる手術が成功して息を吹き返した

それ以来 父は身体障害1級になった

父を救ったのは紛れもなく母だった


それからはより一層なかよしになって一緒に行動するようになった

二週間に一度 僕と父母は三人でランチ会をしてる

若い頃のイメージを守りたいらしく写真は撮らせてくれない

だから僕は、両親の仲睦まじい姿を目に焼きつけて過ごす

僕の両親は僕の理想でもある


ゆめは

僕の両親よりもっと仲のいい夫婦になること

そのお相手は今のところ

君以外に考えていない





著者・霧島葵(49歳)

著作年月日・2022年3月18日

(C)Aoi Kirishima







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