キャリアコンサルタントを名乗る際に「国家資格」をつける理由
今日は、とりとめもないようなことのようで私にとってはとても大事なテーマで記事を書こうと思います。
・キャリアコンサルタントという資格に興味をお持ちの方
・キャリアコンサルタントの資格取得を検討されている方
にも参考になればと思います。
興味を持ってくださった方はぜひ最後までお付き合いください^^
キャリアコンサルタントを名乗る際に「国家資格」をつける
私は、名刺や電子メールの署名に「キャリアコンサルタント」であることを記載しています。学生の就職支援をする際に企業の方とやりとりすることが多いので、少しでも信頼していただけるように伝えるようにしています。
さらに、その表記については、以下のように必ず「国家資格」という言葉も併記しております。
その理由が今日のテーマです。
ちなみに、正式にキャリアコンサルタントになるためには、資格試験合格後に「キャリアコンサルタント登録センター」に登録する必要があります。
その登録サイトには、資格を名刺記載することに対して以下のような説明が書かれています。
そもそも、国家資格に「国家資格」と併記することは珍しいですよね。
それをわざわざ「可能」とする背景には、「キャリアコンサルタント」の知名度がまだ低いことも理由の一つだと推察します。
後述しますが、私自身が「国家資格」と明記する理由も、まさに「キャリアコンサルタント」という資格に興味関心を持ってほしい狙いがあります。
また、正しく認知してもらうことは自分の襟を正すことにも繋がります。
それでは、私がキャリアコンサルタントを名乗る際に「国家資格」をつける理由、具体的に説明していきます。
1,「名称独占資格」であるが「業務独占資格」ではないため
キャリアコンサルタントは、「名称独占資格」です。
名称独占資格とは、その資格を持っている人しか名乗ることのできない資格のことです。
ところが、「業務独占資格」ではないため、名乗ることができなくてもキャリアについての相談受付や支援などは、その資格がなくても誰でもできてしまいます。
「医者」や「弁護士」などのように、「業務独占資格」であれば、名乗ることだけでなく、その資格なしに該当行為はできませんが、キャリアコンサルタントはその資格がなくでもキャリアの支援をしている人はたくさんいます。
したがって、「キャリアカウンセラー」とか「キャリアアドバイザー」
という肩書きでキャリア支援を行う方もいますし、そのような民間資格もあるため、国家資格で「キャリアコンサルタント」というものがあることをご存じでない人からすれば、すべて同等に思われると思います。
そこで、私はいい意味で差別化するために「国家資格」といういわば”箔”をつけるようにしています。
では、国家資格である強みはどの点にあるのでしょうか。
私は、以下の点が国家資格保持者としてのアドバンテージだと思っています。
①5年内に一定数の更新講習を受けないと更新できない。
②有資格者どうしのネットワークを利用できる。
詳しく説明していきます。
①5年内に一定数の更新講習を受けないと更新できない。
キャリアコンサルタントの資格は5年ごとに更新が必要となります。
更新の条件の詳細は以下の通りです。
「知識」の講習は、法律に関わることや理論に関すること、最近の社会動向などキャリア支援で必要となる知識を専門家から講義形式で学びます。
「技能」の講習は、さまざまな領域ごと(たとえば、学生支援や障がい者支援、セカンドキャリア支援など)において必要な理論やアプローチ方法を学び、それをアウトプットする(ロープレをしたり、レポートを書いたり)ところまで実施します。最後にちょっとした試験が課される場合もあります。
民間資格や無資格の方ですと、自主的に知識をアップデートしていく必要があるので、アドバイスする人の持つ情報や知識は未知数ですが、キャリアコンサルタントの場合は資格更新要件に以上のような内容で5年ごとに合計38時間の講習受講が求められますので、その点では信頼がおけると思います。
②有資格者どうしのネットワークを利用できる
キャリアコンサルタントの資格を取るためには所定のスクールに通う必要があります。(詳しくは、「キャリアコンサルタントになりたい方へ」|厚生 労働省)
そこで出会った講座仲間や、更新講習で出会う仲間、資格取得後に任意で所属する協会内での仲間など、多種多様な職種の方とつながりが持てます。
そういった方々とのネットワークを利用して、情報交換をしたり、ときにその道に詳しい方へ助言を乞うたりできるのも有資格者の強みです。
特にキャリアコンサルタントは、「リファー」を大事にします。
「リファー」とは、専門家につなぐことを意味します。
キャリアの悩みは、メンタル的な問題もあれば、法的な問題、医学の問題などさまざまな領域に関連してきます。
当たり前ですが、領域ごとのスペシャリストにはなれませんし、広く浅い知識で支援を続けることは無責任です。
したがって、少しでも専門の領域での支援が必要と判断される場合は、クライエントの合意の上でその道の専門家(弁護士、臨床心理士、医者・・・)につないでいく姿勢が求められます。
その点でも、多種多様な領域で働いている方とのつながりを持つことができるのもキャリアコンサルタントの強みだと言えます。
2,キャリアコンサルタントの知名度をあげるため
私は、前述したように「キャリアコンサルタント」の知名度を高めたいと思っています。
国家資格化されたのが2016年と最近のため、まだまだ認知度は高くないのが現状です。
この10年で働き方への考え方は大きく変わり、AIの台頭により人間の労働価値を再定義する必要のある時代になりました。
目まぐるしく変化する環境で働き続けるには、自分の仕事に対しての価値観を認識し、それを軸とする一方で、変化に適応できる柔軟性も持ち合わせている必要があります。
また、終身雇用、年功序列は消滅しつつあり、組織に自分のキャリアを預ける時代は終わりました。
だからこそ、キャリアコンサルタントという国家資格に興味を持ってもらうことで、その人自身が「キャリア」について真剣に考えてもらえるようになることが私の狙いです。
私自身、キャリアコンサルタントという資格に出会わなければ、おそらく死ぬまで知らなかったかもしれない理論がたくさんありました。
それぞれの詳細は割愛しますが、エドガー・シャインの「キャリアアンカー」や、ジョン・クランボルツの「プランドハップスタンス理論」、ダグラス・ホールの「プロティアンキャリア」といった理論は、資格取得を目指す過程で出会うことができて本当によかったと思っています。
今度は、それらの理論を働く多くの人に知ってもらいたいと思っております。また、キャリア教育に組み込み、働く前の世代にも広めていきたいと思っております。
もちろん、キャリアに係る理論を知ったからといって、それだけでその人のキャリアが豊かになるわけではありませんが、自分のキャリアをどう考えるべきかのきっかけを与えてくれるはずです。
そのぐらい、私にとって「キャリアコンサルタント」という資格との出会いは有益でした。
だからこそ、国家資格として認められた「キャリアコンサルタント」を広く認識してもらいたいと願っております。
まとめ
以上が、私がキャリアコンサルタントを名乗る際に「国家資格」をつける理由です。
私が一人、「国家資格」と明記したところで、その資格のすべてを知ってもらえるわけではないと思いますが、
ん?国家資格なんだ・・・
そんな資格あるんだ・・・
と少しでも気に止めてもらえたとき、すでにその人に扉は開いたと信じております。
いつかその人が自分のキャリアに悩んだときに、そういえば・・・となってくれるだけでも本望です。
最後までお付き合いくださりありがとうございました。