キャロットクラブ2024年2歳戦を総括 どんなデータ属性の馬が活躍したか?
2024年シーズンが終わったので、年が明けて現3歳の2歳戦成績を振り返ります。
特筆すべきは、2位のキャロットクラブが1位の本家サンデーサラブレッドクラブを「勝ち上がり率」で上回った点です。
シルクに1.5倍、社台に2倍の差をつけている点も注目すべきでしょう。さすがにオープン馬率ではサンデーに叶いませんが、全体のクオリティとしてはキャロットクラブの2022年産(2023年募集馬)は「当たり年」と言っていいかもしれません。
この勝ち上がりの上昇率をキープできれば、キャロットは久し振りに勝ち上がり率60%の大台に乗せることも可能でしょう。
ということで、この当たり年とも言える2023年募集馬について、走った馬、走らなかった馬のデータ属性を振り返っていきます。
※データ分析は2024年12月29日時点の成績を用いて、募集取り下げになった馬、追加募集馬、再募集馬、地方馬は対象外としています。
募集時人気と現在成績のマトリクス
横軸は2023年当時の募集時人気、縦軸は2024年12月29日現在の成績を表しています。
横軸の「一般申込で抽選」ゾーンは最も頭数が多い枠なので、更に細分化するために、LINEのオープンチャット「キャロットクラブデータ分析班」で集計したアンケート結果を用いて、抽選率を「0-19.9%」「20-49.9%」「50-100%」の3カテゴリに分けています。
募集当時の人気があればあるほど(マトリクスの右に行けば行くほど)、勝ち上がり率が高くなる相関関係が見て取れます。特に一般申込で抽選(抽選率20%未満)の枠の勝ち上がり率が50%と高い数字になっているのが注目すべき点かと思います。
皆さんの出資馬、もしくは申し込んだけど落選してしまった馬はどのポジションに位置しているか確認してみてください。
東西別 母優有無 性別データ
東西別に見てみると、関西の方が関東に比べて勝ち上がり率が7.4%高くなっています。5年集計で見ても「西高東低」の傾向にあり、2024年の2歳戦もその傾向は続いているようです。
母馬優先有無で見ると、若干母馬優先無の馬の方が勝ち上がり率が高いです。これは5年集計の傾向とは逆の傾向になっています。
性別で見ると、同じ勝ち上がり率になっています。JRA全体で見ると牡馬の方が勝ち上がり率が高いので、昨年の2歳戦においてはキャロット牝馬が善戦した、と解釈して良いでしょう。
8分割データ
性別、東西別、母優有無別の2×2×2=8通りでクロス集計をしてみると、母優有の関西牝馬の勝ち上がり率が最も高くなりました。逆に母優有の関東牝馬の勝ち上がり率が最も低くなるという結果。
人気別
最優先抽選=41.2%、一般抽選=32.3%、一般当選=20.0%と募集時当時の人気が下がれば勝ち上がり率も下がるという結果になっています。
性別価格帯別
性別で区切って、それぞれ価格帯を10頭ずつ区切ってみると、勝ち上がり率は上記のようになりました。牡馬は3000万円台の中~低価格帯の馬の勝ち上がり率が高いです。牝馬は全価格帯から満遍なく勝ち上がり馬が出ています。
種牡馬別
注目すべきはドゥラメンテ産駒が7頭、キズナ産駒が6頭いてどちらも勝ち上がりゼロという点。逆にナダル産駒は6頭いて5頭勝ち上がっています。
種牡馬別内訳
種牡馬別の内訳を見ていきましょう。
ドゥラメンテ産駒はラストクロップということで、7頭全て高額で更に人気も集中しました。7頭中6頭がデビューしていて、まだ勝ち上がりゼロです。
キズナ産駒は2024年の総合リーディング、2歳リーディングどちらも首位に立ち、王道路線を突き進み始めたところですが、キャロット所属の6頭からの勝ち上がりはゼロ。更に6頭中5頭が2歳の内にデビューできていません。
それに対してナダル産駒は6頭中5頭が勝ち上がり、6頭全てが2戦以上しています。早期立ち上げが可能で健康体の産駒が多い傾向があるのでしょうか?
厩舎別
複数頭預託されている厩舎をピックアップしています。
高野友和厩舎は3頭所属していて、3頭とも勝ち上がっています。逆に成績上位厩舎である斉藤崇史厩舎は3頭いて勝ち上がりゼロ。
厩舎別内訳
高野友和厩舎は、それほど人気のある馬が集まっている訳ではないのですが、3頭とも勝ち上がらせているのは調教師の手腕でしょうか。
斉藤崇史厩舎は3頭全頭が最優先抽選と人気馬でしたが、3頭ともまだデビューすらできていません。
セール出身別牧場別
セール出身の馬は10頭いて、6頭が勝ち上がっている点は注目すべきかと思います。
セールを介さずにノーザンファームから提供された63頭のうち、勝ち上がりは16頭しかおらず、勝ち上がり率が25.4%に留まっているのは異常値とも言えます。白老ファームは勝ち上がり率50%とかなり成績が良いです。
手術歴
手術歴のある12頭のうち、勝ち上がっているのは2頭のみ。やはり2歳戦に限ると、傾向が顕著に出るなと感じます。
育成牧場別
ノーザンファーム空港の方が早来よりも9.5ポイント勝ち上がり率が高くなりました。早来の方が急かさずにゆったり育成する方針が結果に出たのでしょうか?(あくまで仮説です)
まとめ
いかがでしたでしょうか?今年の募集はまだ先ですが、2歳戦の成績を重視する方は、今回のデータ分析結果を参考にしてみてください。ただし、あくまで今回のデータは2024年12月末時点のものです。
3歳になってから右肩上がりに成績を伸ばしてくる馬もいるでしょうし、逆に古馬になってから尻すぼみになる馬もいるでしょう。これらのデータをどう料理するかは、皆さんにお任せします。
今回の勝ち上がり率をまとめた表を使って、37分喋り倒している動画はこちらになります(↓)。
今回のようなデータ分析をLINEのオープンチャット「キャロットクラブデータ分析班」で、参加者690人と一緒に議論しています。興味のある方はご参加ください。