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Tea Room 並アマゴルファー(5) 個別座標と視覚情報
個別座標と視覚情報
BB:こんにちは、並アマゴルファーのボギー君(BB)です Tea room のマスター(4軸構造)とゴルフ関連の対話をするコーナーです
4軸:今回のテーマは「個別座標と視覚情報」です
BB:ヒトの身体認識の基準点には「外後頭隆起」が有力と思いますが・・・ マスターは身体認識をど~考えていますか?
4軸:身体認識に利用する「個別座標系」を設定します・・・「外後頭隆起」を座標の原点、座標要素として「頭部垂直面(外後頭隆起を含む正中面)」を想定します
4軸:「頭部垂直面」はヒトの身体が左右対称であることに関連します 対象物と自己との位置関係を認識する視覚情報が左右の眼球から得られることがポイントです
BB:視覚情報には随分、お世話になっていますね
4軸:視覚について整理しておきましょう 「視覚とは何ぞや?」・・・ですが「ボギー君」の考えは?
BB:対象を観察するときに利用する認識装置ですね
4軸:ゴルフの場合では?
BB:他人のスイングを観察するときです
4軸:自分に関係する状況は?
BB:ボールとの距離感を掴む手段かな~
4軸:視覚情報は「客観的に対象(運動)を観察する手段」と「自分と対象の間合いを掴む手段」と2つの性質を持っています それぞれに適合する座標系を理解しておく必要があります
BB:やっと座標がでてきました
4軸:「客観的に対象運動を観察する」に適合する座標は3次元座標です サッカーを例に考えて見ましょう
BB:はい
4軸:ペナルティーエリアの外25メートルからのフリーキックを想定しましょう・・・・敵・味方の位置関係の判断基準に何を利用しますか?
BB:ゴールライン、ペナルティーエリアのライン、サイドライン、ゴールマウスなどです。
4軸:はい、全てのラインが平行または直交するラインですね。これは我々が対象の運動の観察には3次元座標内が利用しやすいことを示しています
BB:俯瞰的な位置から対象群の位置関係、動作などを3次元座標で観察する訳ですね
4軸:はい、それで座標軸や座標面が重要になります
BB:なるほど・・・・・
4軸:フリーキックの続きです。きれいなカーブをかけたゴールをTV観戦すると、ボール軌跡はある傾斜平面上で楕円曲線を描きますね?
BB:・・・・ゴルフのスイングプレーンに関連した話
4軸:ええ、キッカーはボールを曲げるイメージでキックするでしょうが、ボール軌跡がのる傾斜平面は意識しないと思いませんか?
BB:・・・はい。ボールの水平方向の曲げ幅を、次に高さを考えると思いますが、ボールを蹴る瞬間は傾斜平面を意識してないと思います
4軸:3次元座標系で処理される「立面、平面、傾斜平面」は観察者が利用する概念装置です
BB:・・・・・
4軸:次に「個別座標」と視覚情報に関連して「ボギー君」に質問ですが、 自分の位置感覚が一番安定するのは①広い運動場の真ん中、②広い体育館の真ん中、③机と椅子が配置された教室から選択すると・・・・何番?
BB:・・・・
4軸:視覚の「客観的に対象(運動)を観察する手段」と「対象との間合いを掴む手段」の2つの性質のうち、前者では基準線・基準面を含めて3次元座標系が適合することは、既にお話しました
BB:はい
4軸:「関連問題;自分の位置感覚が一番安定する場所」の答えですが、 安定順に③(教室)>②(講堂)>①(運動場)です
ヒトは視覚情報処理を(可能な場合は)3次元座標内で行うので、周辺に座標軸として利用可能な直線構造がある教室の位置感覚が安定します
BB:そうすると、教室の机・椅子はキチンと整列している必要がありますね
4軸:視覚を「対象との間合いを掴む手段」として利用する場合、身体と対象間が視覚による間合い判定が可能な距離であることが必要条件になります
ここまでのポイントは「視覚情報は可能なかぎり3次元座標内で処理される」ことです
BB:身体と対象との距離が変化することも考えられますが・・・
4軸:その場合、対象と自己との距離変化を認識する能力が必要となります
BB:視覚情報を3次元座標内で処理できない場合は無いですか・・・・?
4軸:周囲に基準構造がない場合、対象が運動状態にある場合などですね
BB:そういった場合はどうするのですか?
4軸:自身で基準面を設定します 外後頭隆起を含む頭部垂直面が適当です
BB:外後頭隆起は「個別座標系」の原点でしたね
4軸:外後頭隆起を原点とした「個別座標系」は「身体近くの対象運動の視覚認識」と「間合いの視覚認識」を意識した座標系です
4軸:視覚の生理的特徴について整理しておきましょう・・・「ボギー君」は視覚で周囲をカバーできる範囲はどれ位だと思いますか?
BB:それは聞いた事があります・・・ヒトは周囲全体が見えてるつもりだけども網膜中心部に対応する狭い領域の識別しかできないんですよね?
4軸:はい、視覚による2点識別が確実にできる範囲は、(上図の赤領域で)中心視野のわずかな領域です われわれは、図の{赤領域+オレンジ領域+肌色領域+灰色領域}のよ~に、集積された視覚情報を脳内で構築して周囲全体が見えてるつもりになっています
BB:ふ~~ん
4軸:話が前後しますが、対象物の「奥行き」は両眼視差(輻輳角)で認識します・・・基準面として頭部垂直面を想定すると感覚がより安定します 対象背景に3次元座標に対応できる基準構造が存在する場合にも、頭部垂直面と基準構造は競合しません
BB:「個別座標」に弱点はないのですか?
4軸:生理学的な観点からの注意点が生じます
ゴルフスイングでは身体が回転運動しますが、ヒトが(何らかの)運動する場合のバランス調節反射の中枢は両側内耳の三半規管です 三半規管の基本姿勢は水平維持なので、運動時の頭部垂直面を垂直に保つ必要があります
BB:姿勢バランス、頭部姿勢の制御、深部感覚などに関連してくる訳ですね
4軸:重要なことはスイング時に手首、肘、クラブ重心などの重要部分の位置・姿勢を中心視野で確認すると、多くの場合に頭部垂直面の垂直姿勢がキープできないことです
頭部垂直面の傾いた姿勢は動的スイング姿勢ではなく、静止安定姿勢に傾くためスイング構築の障害になりかねません・・・スイング時に中心視野で確認可能な領域はボールとボール周囲の僅かな範囲です
BB:スイング時の身体位置・姿勢の確認に視覚情報が使えないということですか?
4軸:クラブ重心、シャフト姿勢も含めて視覚確認はお奨めできません
BB:・・・・ではどうすればよい?・・・・
4軸:外頭後隆起を原点とした極座標系と深部感覚を利用するシステムを構築することが有用です
BB:観察するには3次元座標、「間合い」が詰まれば個別座標でしたね
4軸:身体の平衡バランスの観点から整理しておきましょう
ヒトの姿勢調節の中枢は両側内耳の三半規管で水平姿勢の維持が基本です・・・頭部垂直面からみると垂直姿勢の維持が原則です
BB:はい
4軸:対象との距離が十分ある場合、頭部垂直面の垂直姿勢を保ちながら3次元座標内の対象運動を観察することが可能です
対象との「間合い」が詰まると頭部垂直面を基準に対象の運動や間合いを個別座標系で視覚判断することになります
対象との「間合い」が更に詰まり視覚を利用すると頭部垂直面の垂直姿勢が保てない状況が次のテーマです
BB:頭部垂直面の姿勢が保てないとは・・・・ゴルフスイングではどんな状況?
4軸:インパクトを除くゴルフスイングのほぼ全て!
特にテイクバック、トップ、ダウンスイングは重要です
BB:本当に、ほぼ全てじゃないですか・・・テイクバック、トップ、ダウンスイングで視覚を利用しないスイング構築ができるんですか?
4軸:・・・視覚利用が不適切な状態を考えて見ましょう
ドリル①;テイクバック過程で右腰の高さで地面と目標方向に平行なクラブのシャフトを(視覚)確認するドリル
ドリル②;クラブフェースの向きを意識したトップ姿勢のグリップ位置やシャフトの位置・姿勢を(視覚)確認するドリル
は知っていますね?
BB:ゴルフ雑誌などに記載されているドリルです
4軸:ドリル①、②とも「スイングの技術マーケット」の品揃えの必要性から、商品開発の過程で無理やりヒネリ出したドリル・・・と考えています
BB:滅茶苦茶、言ってません?
4軸:ドリル①、②ともスイング構築途中の「並アマ」には不適切で、少なくとも「並アマ」に及ぼす悪影響を理解しておく必要があります
BB:どういうこと?
4軸:片腕スイングもそ~なんですが、商品開発を担当するプロ・インストラクターは基本的なスイング核が確立されたグループです ドリル①&②の悪影響を難なくクリアーして「スイング核」に帰還できますが、スイング核を構築中の「並アマ」がドリル①&②の悪影響を適正に処理するのは相当な難問です
BB:もう少し具体的にお願いします
4軸:シャフトの向く方向・地面と平行(ドリル①)やトップ位置のクラブフェースの向き(ドリル②)の評価は3次元座標内での客観的な視覚評価ですよね?
BB:これまでの話からすれば・・・そうなりますね~~
4軸:スイング作業を行いながら自分のスイングを客観的に評価するという、複雑な身体・精神状態が必要です
BB:そんなに難しく考えなくてもよい気がするけれど・・・・・
4軸:さらにテイクバック姿勢やトップ姿勢を自分で評価する場合、(鏡面像を利用する場合も含め)シャフト姿勢やグリップ位置に視線を移して「よい・悪い」を判断したくなりますよね?
BB:・・・はい
4軸:この姿勢・位置の視覚確認が問題なのです
BB:・・・頭部垂直面の姿勢に関連するわけですね
4軸:視覚確認の多くの場面で頭部垂直面のポジションが変化し、垂直姿勢が保てません・・・姿勢調節の連続性が途切れることを意味します
BB:頭部垂直面のポジションが変化しないように視覚確認することはできないんですか?
・・・例えば、チラッとみるとか・・・
4軸:対象認識は頭部垂直面に隣接する中心視野で行うことが基本です かつて一度も行ったことのないであろう周辺視野での対象認識は・・・お奨めできません
BB:・・・(う~~ん)^2
4軸:本来、一連のものであるスイング作業では(姿勢調節の中枢である)三半規管は常時、後続姿勢への対応が要求されます・・・・スイング途中に姿勢の視覚確認作業を挿入することは頭部の姿勢変化を介して姿勢調節回路の連続性を切ることを意味します
さらに視覚確認作業で頭部垂直面が大きく傾く場合は三半規管の水平姿勢が崩れ身体姿勢変化への対応能力も減少しますから、クラブを伴った身体姿勢が(全体として)静止安定姿勢に向かいます・・・テイクバック姿勢やトップ姿勢そのものが作業目的になることを意味します
スイング構築途中の「並アマ」のスイングが一連のものではなく{アドレス~テイクバック途中}+{テイクバック途中~トップ}+{トップ~インパクト}のようなツギハギ・スイングになる構造的な理由の一つです。
BB:・・・(が~~ん)^3・・・ですね~
4軸:視覚情報は有用ですが、スイング時のゴルファーに与える (とくに姿勢調節反射回路への) 影響を理解することが重要です
結論的には「並アマ」には画像的スイング構築や視覚情報に頼ったスイング構築は危険である・・・です
BB:・・・・・われわれ「並アマ」はどうすりゃいいの?
4軸:外後頭隆起を原点とする極座標系に深部感覚を利用したスイング構築がお奨めです
並アマゴルファーの「夏休み研究」&「スイング研究」が参考になると思います・・・(*^_^*)