18. 二つの地球
親戚のオジサンが南米で鉱石を発掘する仕事に携わっていた関係で、我が家には水晶やアメジストのクラスターがあり、それらを眺めていると水中を泳ぐようにどこまでも石の中に入っていけるような氣分になれたりして子供の頃から石は魅力満載の存在だった。
浸りきれずに片足突っ込んだ状態で十年ほど過ごしたスピ界隈では、パワーストーンという括りが設けられた中で色彩豊かに輝く石たちがヒーリングやセラピーで重宝されていたけど、わたしはそうした使い方はよくわからず、ただ石の美しさや可愛らしさを愛でているだけで、いつの間にか集めてしまった石たちを、思うトコロもあり数年前から整理し始め、それもほぼ完了かと思っていた先日、長いことフローライトのスフィアを金属製のホルダーに納めていたのだけれど、ホルダーが役目を終えたので次のホルダーが見つかるまでの間、浄化してお休み処で待機してもらうつもりだったのだけれど、「以前頂いたストーンのレイアウトを考えるのが楽しみ」というmasumimosaさんからのメールを目にしたとたん、彼女が組むグリッドの中にフローライトのスフィアが居るイメージが差し込まれて、「なるほど! その手があったか!」と腑に落ちて、現代のエルフに打診すべく撮影準備を始めようとしたところで、「その子が行くなら自分も一緒に行きたい。」と2階で休んでいるブルーカルサイトのスフィアが呟いたのを感じ、まとめて打診メールを送った所、どちらもお引き受け頂けることになった。
「役に立ちたい」という石たちの思いと自分のとがリンクして、新たな活躍の場を獲得した彼らがとても活き活きし始めてきたのを見てわたしまでワクワクしてきた。(笑)
発送の準備に取り掛かるとと、背後から「自分も役に立てると思う。」とレコードキーパー(水晶)がアピールしてきた。
「え‥?」
「グリッドに配置される出番があります。」
「そうなの?」
「はい。」
ナニこのメタボな腹ほどのタップンタップンの自信。
何ならその自信、爪の先ほどで良いから分けてほしいんだが。
いちいち確認するのもご迷惑かと、とりあえず同梱してピンと来なければ返却ないし、どなたかに差し上げてもらうつもりで荷造りを始めると‥‥
ん? この視線はどこから‥ ぉぉ! 目が合ったのは水晶のペンタゴン。
「ん‥あなたは実践向きではないグループに属すると思うんだけどな。」
「氣に入ってくれる人が来るから。」
どうやら、masumimosaさんの所で必要とする人との出会いがあるらしい。
つか、このヒトたちみんな預言者ですか?
全てを『氣のせい』で流すこともできたけど、感じたままに信頼を寄せるというお1人様キャンペーン実施中なもんだから、押し付けたと思われたらどうしよう‥と、小心者の初老、内心ビックビクしながらペンタゴンも同梱して送ってみた。
翌日のお受け取り完了メールを読んで一安心。
二つの地球を歓迎くださった上に、手紙を読む前にクリスタル達を開封してペンタゴンを見た時、誰かに託すものかな?と思って手紙を読んだらまんま書いてあって以心伝心♪と書かれていた。
1対1で繋がりを感じることはよくあることだけど、石も含めて繋がっている感覚が超絶嬉しくて内奥から「しあわせぇぇぇーー♪」と響いてきた。
この世界をどうしても愛せないと思い込んでいた時期には、鑑賞用という役割しか与えられなかった彼らが地球に一目惚れしたことを繰り返し思い出させてくれることで支えてくれていた。
そんな二人が、現代のエルフの元で新たな活躍を心待ちにしている画像が添付されていた。
まるで、お散歩に出てきてご満悦のワンコたちのようなショット♪
彼らのニッコニコをハートでキャッチしてこちらもニッコニコ。