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160. 初日光

その昔、関東圏に居ながら日光を
訪れた事がないと言ったらパートナー
にたいそう驚かれたので、逆に何で
日光を訪れたのかを訊ねた所、小學校
での移動教室や免許取り立てでのドラ
イブで訪れたとの事。
日光を訪れたことがないという事に
やたらと食いつきの良い彼、いつか
連れて行きたいと言ってくれたはいた
けど、二荒山神社以外はほぼ興味が
なかったので期待する事もなく月日は
流れて行ったのだけれど、今冬は早め
に冬タイヤに履き替えたこともあって
彼は俄然寒い所に出かけたがった。

クリスマスに富士山を訪れ、年内もう
一度長距離ドライブしたいってんで
急浮上したのが日光。
アンテナがおとなしかったこともあり、
珍しくお出かけ先情報を貪ることもない
まま、いつも以上に行き当たりばったり
ドライブとぁぃなった。

山梨方面に行く景色よりも東北方面に
向かう景色の方がすぐに空が開ける
印象があり、田畑越しの山並みを眺め
ている内にひときわ雪帽子を被った
お山に目を奪われた。

富士山とは違う存在感のあるお山‥
もともと地理に疎いから筑波山では
なさそうだに落ち着き、お山の名前は
不明のまま日光へ。
今思うと、検索が趣味なのに、ご当地
情報も目の前のお山も調べようとも
していなかったことが不思議だ。

目に飛び込んでくる景色が町並みから
ほんのり雪化粧をした山並みに変わり、
さらに奥へと進んで行ったら今冬初の
雪景色が広がっているポイントに出て
思わず声を上げた。

「な? 來て良かったろ?」
『うん!』

興味ないとか言いつつ、雪景色ひとつ
でテンション爆上がり。
東照宮は意外と雪少なめで運動不足な
初老は大変助かったけど、修復工事中と
人の多さに頭がワチャワチャする中で
もっとも氣になったのがコチラ。

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象さんモチーフが珍しくて。
あーんど、これっぽくて♪
OPが今聴いてもぶるッとくる怖さが
たまんなーい。


やってんな感が否めない東照宮から
この日のメイン、二荒山神社へ。
メインて割には、ご挨拶だけして
移動かけちゃったけど、以前見た
画像から感じた厳しさや重苦しさは
感じられず、何なら友好的というか、
田舎のおばぁん家的な温かさを感じた。
ご挨拶を済ませ、鳥居を出たあたりで
呼び止められた氣がしたから撮影した
ら、シャッターチャンスだったらしい。
やっぱり友好的だ♪

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パートナーが次に連れて行ってくれた
のは、滝ウォッチ好きなのに何故か
ノーカウントだった東照宮と並ぶ有名
スポット、華厳の滝だった。

「連れて來るなら絶対冬‥つか雪の
 時だろって思ってたんだよ。」
『うん‥訪れたい滝にカウントして
 なかったけど、これは凄い‥!』

「だろぉ? 絶対に雪ありきなんだよ。」
『ぁぁ、なるほど雪と氷ね〜。』

観光客がいるにはいるけど、その氣配を
吸収してしまうような一帯に行き渡る
静けさと空氣の冷たさ、雪と氷で化粧を
施した滝は、高価な着物を纏った花魁の
ようであり、はたまた巨大な菩薩像の
ようでもあり、いずれにせよその場から
立ち去り難い魅力を放っていた。


さらに車を走らせて、もはやどこを
走っているのかさえ分からないど素人
とはいえ、ヘアピンを並べたように
クネクネクネクネが続くここが有名な
いろは坂であることは分かった。
日頃、のほほんと隣でひたすら景色を
堪能してるわたしですら雪のいろは坂
の運転は緊張するであろう想像は容易
だったけど、この人生で誰と居るより
も安心できる人が隣で運転してくれて
るもんだからスリリングを味わうに
専念して湖まで下りて來ると神社の
氣配が‥

『ん? 神社の氣配がする』
「つか神社だし。」

と彼がナビを指差す。

『ぇ‥此処って‥ マジ⁉︎
 移動中にね、二荒山さんの事を
 調べてたら二荒山中宮祠ってのが
 あるのが分かってさ、次の機会が
 あれば行ってみたいって思ってたんだよ!
 あら☆來れちゃった〜♪』

閉門時刻が迫りつつある中、足元の
雪に注意しながらご挨拶。
順序が逆だけど御朱印帳を預けて
いざ参拝。
境内は、山と雪が結界にでもなって
いるかのようなイイ感じ♪
そして、受け入れられている感じに
父性を感じた。

男体山が御神體。
そう、高速を走っていて氣になって
いたお山が男体山だったのだ。
男体山奥宮へと続く登拝門の奥の
石段を観ていると體の中身が頭から
にゅーんと軽く引っ張られるような
感覚があり石段を登りたい衝動が
芽生えるも閉山中で幸いだった。
運動不足著しい脚腰弱った初老が
登れるわけないもん。
ガンダーラ美術のように芸術性の
高い仏像さんも素敵だけど、やはり
お山や滝といった自然そのものが
御神體ってのはテンションが上がる。
予想した通り中宮祠の方が好きだ♪

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狛犬ウォッチャー的には、一緒に
戯れたいフレンドリーかつ、コミカル
で愛嬌のある狛犬さんと感じた。
過去世でも相棒だったテンちゃん、
義父宅から引き取ったメイちゃんと
暮らしていた時間を思い出させた。

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日も暮れはじめ氣温がぐっと下がり、
平地もそこそこ積雪してたり、アイス
バーン氣味だったりで彼は運転に集中
してたけど、点在する滝の案内を目に
して滝巡りをするには日光という地は
好立地だったことに遅まきながら氣付き、
滝巡りメインで再訪してみたいと思った。
日没間近な道を走っていると前方を
横切った何かに「猫さんだ。」と彼。
『ぃゃ‥あの動きは猫さんではな‥
「ぁ!お猿さん!」
と食い氣味で彼が
叫んで目をやると、民家の塀に立派な
オス(多分)猿が鎮座しており、同じ
群と思しきお猿さんたちも発見。
そうだ!忘れてたけど日光といえば、
江の島のトンビと並ぶ追い剥ぎアニマル
としてお猿さんは有名だったじゃないか。
クネクネするほどキツネザル系には萌えて
も顔が苦手なニホンザル系には萌えた
試しが無いながら、間近で観たお猿さんは
動物園にいるお猿さんとは別次元の迫力だった。


真っ先に飛び付いたのは生産者さんの
名前が記載された透明感のある切り餅。
調達しようと思っていたお店が休業し、
お正月のお餅を買いそびれていたので
これは本当に嬉しかった。
昔ながらの水分多めで伸びのあるお餅は、
懐かしさも味の内で即無くなった。

飲酒をやめて10年以上が経過している
けど、スカイベリーを使ったクラフト
ビールがどうにも氣になって購入。
パートナーは、ビール好きの友人に
モンキービールを買っていた。
後日、マジで美味しいらしいとの
報告に再訪時はまとめ買いしたいなと。


こんな感じで氣づけば日光の有名処を
それなりになぞるような一日で、
ふらりと出かけたつもりの初日光は、
そこそこのガチ観光旅となっていた。

初夏間近の今になってようやく綴れた
冬のひとコマ。
もうだいぶ時間経ってるし‥となかなか
進まなかったのだけれど、しあわせな
時間は記録しておきたいから季節外れの
記事でもちょこちょこ上げて行くのだ。


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