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337. デイキャンプ

たまには
ワタシを優先してよ!


そんな驚きの声が響いて以来、
母のこと以外は自分の感覚を
優先する時間を過ごすように
している‥というか、何かが
プツンと切れたかのように、
続けてきた朝のルーティンすら
忘れてしまっていたり、鬱なん?
と疑いたくなるほど何もしたく
ないというのが現状に最も近い。

あれほど情報を追っていたSNSも
遠ざけ、ここまであえて鈍感で
やってきた自分に「ぁ〜 ヨシヨシ」
とワシャワシャしてやりてぇの
大盛りなイマココ。
ぃゃホント、良くやってきたわ
自分って、みんながみんな自分に
思ってあげられりゃ良いだけなの
を、他者に求めるから面倒臭ぇ
事になってたんだよね。


タイミング的に今なら有給取れる
から休みとってデイキャン行こう
かなぁ‥

というパートナーの一言に聞こえ
ない左耳が反応した。
家庭では汚れやコゲ落としの万能
選手として重宝されるメラミン
スポンジの見えない粒子が水生生物
のエラに付着して窒息死させている
ように見えない電磁波の海に強制的
に浸けられていることで体感して
いる不快感から一時的にでも離れ
ることを熱望していたタイミング
だものそら反応しちゃうわ。

パパッと準備してタイマーかけて
寝たのにタイマー鳴らないで 1h
遅れで起床。
出発予定時刻を30分オーバーで
途中到着はキッチリ予定の 1h遅れ。
10月5日に初冠雪のあった富士山、
火口がほんのり白かった。

初冠雪確認


ひと山越える間、ただでさえ遠い耳
に更に蓋をされたような不快な詰まり
を度々感じながらトンネルを抜けた。

湖周遊バス停が可愛い


平日とはいえ金曜日となると狭い
湖畔の混み具合へ想像しにくくて
少し焦るもベスポジ確保。

不慣れながらタープ張ってデイキャン
仕様完成。
チャプチャプと強めの風が奏でる音と
水面にサークルを描く魚たちが自然と
口角を上げてくれたことでここ数週間、
表情筋があまり動いていなかった事に
氣づかされ、こりゃ鬱より認知症の
心配せなアカンようになると軽い
ショックを覚えた。(笑)

チェアの高さが絶妙に良すぎて根が
生えそうだとパートナー。(笑)
まずはお湯を沸かしてコーヒーと
味噌玉を溶いて味噌汁を完成させ
たら用意してきたサラダや食材を
軽く調理して早めのお昼。
土日利用の宿泊組が午後から來る
であろう予想はしてたけど、狭い
サイトだけに昼前から泊まり組が
來場。

シャンパンゴールドなススキ最高!

おツンな黒柴とオジサンペアが
斜め後で設営を始めた。
それはそれは手慣れた様子で‥
「ぁ 硬ってぇっ‥ クッソ硬ってぇ !」
心の声ダダ漏れで局部的に硬い地面と
格闘しているコミカルな様子から
オジサンのパーソナリティを垣間見た
氣がして心がクスッとした。

ベスポジでひたすら富士山眺めて
ボーッとしてるだけだからたまに
椅子から立ち上がって伸ばしながら
何となく周囲を見渡したら黒柴ペア
のオジサンと目があって会釈をした
のをきっかけに何やかやとフツーに
会話している自分が不思議だった。

誰にでもシッポを振らないおツンが
魅力の柴犬だからオジサンと話してる
間もこちらを一瞥すらせず今日も
オジサンに付き合ってやってます感
を全身で醸していると思っていたら

ね、全然樂しそうじゃないでしょ?
柴はこれで三代目なんだけど、
こんなに愛想がなくて攻撃的なのは
はじめてで参っちゃってるよ。
すぐ噛むんだよ。
俺含めてあと四人噛んでるから
触ろうとしない方が良いよ。

散歩行ってさぁ、あーら可愛い
わねーなんて頭触ろうとしたら
ガブっ!だもん参っちゃうよ。

ぁーね、頭は誰でも触って良い
場所じゃないってもんね?
ウチにいた子も氣難しい子で
友達は極端に少ない子でしたよ。
この手の甲の傷も噛まれてガッツリ
穴空いた跡なんですよ。(笑)

ありゃ!
俺もコイツに噛まれて縫ったんだよ。

よほど分かって欲しいことがあった
のかな?


街中では他人と目を合わさないように
公共交通機関を利用して、何なら困って
る様子の人に声掛けて怪訝な表情
されて「ごめんなさい」とか思い
ながらズキズキしたりして世界に
馴染めてない度上がる一方で、
初見の黒柴とオジサンペアと和やか
に話せてる自分が不思議だった。


狭い湖畔サイトでパーソナルスペース
10mを確保する難易度があがり始めた
時、久しぶりにInstagramを開いて
投稿しようとしたら‥ あ。(笑)

今日は夕方ギリギリまで湖畔で
過ごすから時間的に寄れない確定の
山の焙煎所の投稿がこのタイミングで
流れてきたwwwww
我が家にとっちゃオブジェでしかない
あのゲイシャをドリップパックで
販売だとーーーー!?
ムズムズ ウズウズ
ムズムズ ウズウズ‥
周囲の話し声やざわつきが氣になって
目を覚ましたパートナー、迷った挙句に
オジサンサイトの隣に今、設営せんと
動き始めた若者三人の存在に氣付き、
「予定より1時間少し早いけど
 タイミングで的にはここで切り
 上げりゃ焙煎所間に合うし、若者も
 二度手間にならんよな?」という
提案に頷くと「じゃあアイツらに声
掛けてくるわ。」と三人の元へ。

仲間内でもYAKARAと言われる見た
目な彼が寝起きの氣怠さを纏って
声をかけたもんだから、それまで
それなりにガヤってた彼らが
シーン‥としたのは分かったww
戻ってきた彼に詳細を聞くに、
「今日、泊まり?」と声をかけたら
三人が「何っ!?」と警戒モードに
なったので、これから設営するなら
ここベスポジだからどうかなと
声掛けたんだけど、俺ら今から退く
から30分だけ時間ちょうだいよと
言った所で彼の真意が伝わった
とのこと。(笑)
紅一点から「やったー♪」という
声が聞こえてきたのは、おそらく
理解したタイミングだったのだろうw

その後もやってくる泊まり組と挨拶
しながら宣言通り30分で退去完了。
黒柴オジサンペアにご挨拶に行くと
こちらに來てくれようとしたオジサン
につられたのか、おツンな黒柴ちゃん
もトコトコ寄ってきた。
「噛むから触っちゃダメだよ。」
日常化したセリフを言うオジサン。
うん、ここでわたしが噛まれると
黒柴ちゃんとオジサンが傷つくのが
分かるから触らないよー

と心の中でお返事。

「ちょっと寄りたい所があるので
早めに撤収する事にしました。」
「またね。」と黒柴ちゃんに
言ってる自分にクスッ。
すると、黒柴ちゃんがトコトコトコ
と近づいて「噛むなよぅ💧」と
オジサンだけに緊張が走る中、
黒柴ちゃんスンスンと匂いを嗅いで
きたので「ハイどうぞ。」と手の甲を
見せると飛びついてきてスキスキスキぃ。
「ぁ、噛まない。」とオジサン安堵
しつつしきりに不思議がってたけど、
さっきの、頭は誰でも触って良い
場所じゃないもんね?ってのを彼は
ちゃーんと聞いてたんだなと。
おツンなようでちゃんと聞いてる
あたりも相手を選ぶ柴らしさ満載
でイイネ👍✨💕

さぁ!
再び、ひと山越えていざ山の焙煎所へ!

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