高校生クイズ2024をクイズプレイヤー/SixTONESファンの視点で語る①
いや、放送日(9月10日)から1週間経っちゃったんですけれども。
タイトルにある通り、私はSixTONESファンでもあり、クイズプレイヤーでもあります。この1週間もクイズバーでの司会の仕事×2、大会で出す問題の裏取り、所属サークルの例会、身内の大会への参加、とクイズ漬けで忙しくしておりました。
しかし、TVerでの視聴期限も迫っているし、流石にそろそろ書いておかないと……と思って慌てて画面に向かっています。
今年の『高校生クイズ2024』は、私がクイズ沼に足を踏み入れた直後の2017年からで一番好きな回でした。
そんなことを言うと「どうせ推しが出ていたからでしょ」と言われてしまうかもしれません。困ったことに、それは否定しきれないのですが、おそらく視聴した方なら彼らの存在が高校生から引き出した反応の価値を感じてくださったことと思うので、変に隠すことなく伝えていこうと思います。
1回戦 第1ラウンド(髙地優吾、松村北斗)
では、振り返りを始めます。
台風の接近により、急遽行われることとなった国立競技場での全校一斉3択クイズで、まずは40校から5校の勝ち抜けが出ます。
出される問題は5問。
まったくクイズがわからなくても、運さえ良ければ勝ち抜けられる一方で、◯✕クイズよりも強運が必要になります。
ここでの1問目は、「日本人がこれまでにオリンピックで獲得したメダル数が1番多い競技は」というものでした。
選択肢は「体操・柔道・競泳」であり、正解は体操(107個)でした。
しかし、これは柔道(104個)が五輪の正式種目になったのが1964年であり、第1回からの伝統競技である体操とは歴史の長さが異なるため。
金メダルの獲得数に限れば柔道のほうが多く、女子でも多くのメダルが獲得できるので、おそらく次回大会では逆転するだろう、という極めて暫定的な状況にあるものを問う、大変に良い問題でした。
このペースで全問解説をしていくと、とても終わらないので少し俯瞰した話をしましょう。
第1ラウンドから、番組制作班の意図はかなり色濃く出ていました。
そのあたりはQUIZ JAPANさんが 2人のプロデューサーのインタビュー記事 を公開してくださっているので、ぜひそちらをご覧いただきたいのですが、キーワードとなったのは「青春」「ウルトラクイズ」「郷土愛」辺りだと思います。(インタビューでは、SixTONES起用の理由も熱く語ってくださっているので、ファンの方は是非読んでください)
お二人が担当する『超無敵クラス』という番組には、たとえば片道1時間以上をかけて自転車通学をする高校生に、SNSで数万人のフォロワーを持つ高校生出演者が密着する「チャリ通ジャーニー」というコーナーがあり、家族思いで志の強い、でも普通の高校生たちにスポットライトを当てて、その個性や素朴さや努力を浮き彫りにしています。
今年は、そんな彼らだからこそ生み出せた「高校生クイズ」だったのではないでしょうか。
第1ラウンドから顕著でしたが、とにかく高校生を走らせていました。勝ち抜ける高校もあれば、敗退する高校もある、その悲喜こもごもの表情をしっかりと捉え、勝つこと以外にも参加する意義があることをこれから参加権を得る視聴者にも感じさせてくれる。そんな画作りがなされていました。
『超無敵クラス』での事前番組から観ている人は、各チームの情報を頭に入れ、応援しながら観ることができたのも良かったと思います。地方予選を勝ち残ってきたのはクイズ研究部があるような強豪校だけではありませんでした。かるた部の女の子たちが組んだチームもありましたし、「とにかく頭が良い奴を集めた」というお互いにあまり良く知らない同士で組んだチームもありました。
そんな彼らがクイズを通じて一生の思い出になる時間を過ごす姿を眺めるのは、演出も含めて気持ちの良いものでした。
1回戦 第2ラウンド (田中樹、ジェシー、髙地優吾)
「全国ご当地通せんぼクイズ」と題されたこのラウンドは、1回早押しクイズに正解すると、地元のご当地クイズに挑戦できるというもの。
ここで勝ち抜けられるのは35校のうちわずか8校ということもあり、少ないチャンスをいかにモノにできるかが肝となるラウンドでした。
大半の問題がカットされているので、確かなことはいえませんが、ここで微かに感じたのが、強豪校の地元クイズは他の地域の高校生でも答えられそうな問題が出ているのではないか、ということでした。
これまでクイズをしてきた経験から言えば、兵庫の「竹田城」や奈良の「石舞台古墳」が比較的頻出であるのに対し、愛知の「伊良湖岬」は頻度が低く、愛媛の「四国カルスト」に至ってはほぼ聞かれたことがないです。
クイ研の座学で勉強した知識では、地方のビジュアル問題には対抗しきれないこともあるため、ここにも制作陣の意図があるように感じました。
さて、DAY2はここで終了でしたが、本当は次のラウンドの前に本来なら新幹線を使った何らかのクイズがあったのではないかと思っています。
国立競技場もそうですが、予定していた通りに開催できていたら、と思わずにいられません。
2つのラウンドで勝ち抜けられなかった27校はここで帰宅となりますが、ここで髙地優吾が敗退チームにかける言葉が良かったな、と思います。
「まず、ここのステージに立っているということだけで、本当にスゴく誇りに思えることだと思うので、このことを糧にこれから自信を持って生きてもらえたら」
そうなのです。彼らは地方大会を勝って全国のステージに進んできたチーム。一生「実は昔、高校生クイズで全国大会に行ったことあるんだよね」と語る権利を得た選ばれた人たちなのです。
自然とその言葉が出てくるのは、髙地優吾を含めSixTONESが、高校生から他の「ジュニア」と呼ばれるCDデビュー前のタレントたちとしのぎを削ってきた過去を持つからに他ならないと思いました。
特に彼は、クラスメイトが勝手に応募した『スクール革命!』の新入生オーディションで1000人以上の中からたった1人選ばれたシンデレラボーイです。元々芸能界に興味がなかったために、歌もダンスも経験がないところからスタートしたにも関わらず、毎週テレビに出続けて今年で15年目になります。入所当時周りからどれほどのやっかみの視線を向けられたかは想像に難くありません。
そんな彼が放つ「ここに立っているだけで誇りに思えること」というセリフは、ファンとしてはめったに明かされることのない彼のアイドル活動に対する覚悟や姿勢を伺い知れる貴重なものでした。
髙地優吾がパーソナリティとして唯一、最初から最後まで高校生たちにアテンドしているため「暇なのかな」と思われた方もいたようなのですが、彼は10月に主演舞台を控えており、様々なバラエティ番組やロケ番組にも出演している身なので、おそらく選ばれてその役目を負ったのではないかと思います。
(普段出演しているコーナーを欠席していたので暇な訳ではない)
これは、彼らが担当する『SixTONESのオールナイトニッポンニッポン サタデースペシャル』(毎週土曜23:30-25:00)で、週替わりの2人のMCのうち片方を常に田中樹(たなか・じゅり)が担当することで均質化が図られているのと同じ構図のように感じました。
長くなってきたので、一旦ここで分け、2回戦以降は次の記事にします。