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何にでも興味を持ってインプットし続ける – フォーデジット マレーシア代表 横山 太志

大学から東京に出てきて、学生時代がちょうどインターネットがすごく活発になっていった時期です。当時、掲示板やフォームなどのネットで動くプログラムはレンタルサーバーに載せて配布するような時代だったんです。自分でも友人とWebサイトを作ったりしてたんですが、掲示板のスクリプトを配布したらそれなりにヒットしたんです。結構いろいろなところで活用されて。こういう活動がきっかけで、ネットの世界に入りました。

スキンを変えることで広まった意味

さっきの掲示板の話なんですが、掲示板という機能だけでなく、UIデザインをいじれるようにして配布したらヒットしたんですね。要するに機能だけでなくてデザイン性っていう要素を付け加えたらこんなに変わるんだなという経験になりました。

大学を卒業してIT・通信をやってる会社に入るんですが、どちらかというとデザインに興味を持っていて、自社が開発したツールのUIデザインを担当していました。でも当時は技術部門に所属してる人がデザインをするという状態で本格的にデザインに向き合う環境ではありませんでした。なので、やっぱりデザインに向き合いたいということで、結果的にはすぐ転職を選びました。

クリエイティブ業界の強烈なインプット

エンタメ・映像・映画に関わる大手プロダクションに転職し、アートディレクターやプロデューサーに囲まれて、今までとは全く違う環境に身を移すことになりました。世の中にあるものを日々インプットし、インスピレーションを受けたりしながら新しいものを生み出していくことに勝負どころが変わった感じです。成果やインパクトをどう出すか、というのが全てですが、その過程はみんな自由にやっていて、パソコンに向かってるだけではなく、外に出たりしていて、人の心を動かしたり惹きつけるものをつくるクリエイティブの最前線にいると、とにかくインプットが大事だということを学びました。

アジア5カ国を回る仕事をきっかけに海外の仕事に興味を持ち始めます。そこでも現地の人たちの心をどう惹きつけるかということで、さまざまなインプットをするんですが、やっぱり日本とは本当に違うし、さまざまな考え方や文化的背景があると感じました。その後しばらくして、ベトナムとの接点が生まれ、オフショアチームをつくりました。

マーケットのエネルギーと可能性に触れる

ベトナムのオフショアチームをマネジメントしていたときは、ベトナムに行く機会も増え、マーケットのエネルギーの違いをすごく感じました。日本のクリエイティブも幅が広がってきたりしていましたが、ベトナムでは経済の発展と若いエネルギーがあり、拙いながらも新しいことがどんどん生まれていくことを感じていました。

もっとアジアの領域で仕事がしたいと思い、もともと繋がりがあったフォーデジットにジョインします。今はマレーシアのことをやっていますが、ベトナムとは全然違って、毎日がインプットの連続です。来てみないと分からないこともすごく多い。各企業がどうマレーシアのマーケットに向き合っているのか、市場に対するアプローチや、多民族であるからこそのマネジメントスタイルなども含めて新しいことが多い。中国やイスラムの影響も強いので、面白いと思えるものが多いですね。

決済や交通などはリープフロッグで日本より便利なものも多いですが、どこかでちょっと使い勝手が悪かったり、体験的にイマイチなこともあります。そのあたりは、フォーデジットが培ってきたチームとしてのケイパビリティが活かせるポイントだろうと思ってます。

自分の経験を市場にもメンバーにも伝えていきたい

クリエイティブやプロモーションの世界って、既視感があるものが来ちゃったら結構やばくて、同じようなものでも表現が新しかったり、体験が違ったり、何らかの工夫とアイデアが盛り込まれてないと終わり、って感じなんですね。そこはセンスというよりもやっぱりどれだけインプットをしているか、ということの方が大事なんです。フォーデジットに入ってからも、いろんな経験を持った人たちがいて、何かしら新しいことに取り組んでいて、時にはビジネスやマーケットのこともそうですし、すごくインプットを必要とされるので、こういう姿勢はやっぱり大事だなと思います。

マレーシアで仕事をする中で関わる人たちに、僕たちの価値を体現することでこの大事さを伝えたいですし、逆にマレーシアや他の機会に関わる人たちからもさまざまなインプットがあって、それがポジティブループになって常に刺激とエネルギーが生まれるといいなと思ってます。

好奇心を持った人たちと一緒に

何事も楽しんで1回やってみるとか、チャレンジしてみるとか、そういうマインドがあると良いですよね。日本のメンバーと一緒にベトナムブランチにも何度かいきましたが、そういう時に色々行きたい場所を調べてみたり、歴史や文化に触れようとしたり、ホテルから街を散歩してみたり、そういうアクションができるメンバーといると楽しいですよね。

今はネットで調べると色々出てきますけど、自分の目と体で触れて情報をインプットすることをすごく大事にしています。僕はカメラを常に持ち歩いていますが、ファインダーを通すと、街やものや人をよく見ることになるんです。それだけじゃなくて、電車に乗ったりローカルフードを食べたり、そこにある文化に触れて人と会話して、そういうリアルな体験を経て自分たちができることを真剣にやりきる。そういうチームでありたいと思っています。


撮影:吉田周平