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90年代の隠れていない名盤、その21(花電車)

遂に20回目を超えた当コーナー、今回は予告通り国内のアーティストを取り上げます。Boredomsのベーシスト、ヒラ率いる花電車を取り上げます。それでは早速レビューに移ります。

Boredomsのベーシストと知らいれるヒラが結成した花電車が、92年にアルケミー・レコードよりリリースした2ndアルバムにして2枚組の『HANADEN BLESS ALL』制作にかなりの労力を費やしたという、このアルバム。確かに聴いてみるとバンドの拘りが強く伝わって来るアルバムだ。花電車といえば88年にリリースされた1stアルバム『The Golden Age Of Heavy Blood』という大傑作アルバムを残しているので、2ndアルバムを作るに当たって、ヒラを中心としたメンバーのプレッシャーも、相当な物だったのでは無いか。花電車はハード・ロック、サイケデリック・ロックと呼ばれるバンドだが、この時点でヘヴィ・ロックを極めてしまったのかのような凄まじいサウンドを聴かせてくれる。特にこのアルバムでは、ボーカリストとしてのヒラの魅力が全開になっている。ヒラの手による文学的な日本語による歌詞、それをシャウトに近い形で歌いまくる瞬間は日本語ロックの一つの形での頂点を感じさせる。演奏では現Boredomsの楯川のテクニカルなドラム、青柳のノイジーでサイケデリックなギター、横田のぶっといベースが、おりなす演奏が素晴らしい。個人的なフェイバリット・ナンバーは2枚目の2曲目に収録された『Bluse For Jaronote』だ。ヘヴィ・ロックをバックにして「ジャロって何じゃろ?」とヒラが絶叫する痛快なナンバーだ。花電車はその後、よりサイケデリック、インストゥルメンタルの要素を強めたHANADENSHAに名前を変えて、アルバムとシングルを3枚発表している。『HANADEN BLESS ALL』は、現時点では、へヴィ、サイケデリック・ロック期の花電車の最後のアルバムである。バンドが打ち立てた日本のサイケデリック・ロックの金字塔と言っていい大傑作だ。Boredomsの流れで興味を持った人も是非聴いて欲しい一枚である。

以上花電車の『HANADEN BLESS ALL』の紹介でした。次回は海外のアーティストを取り上げ様と思っています。よろしくお願いします。
#花電車
#BOREDOMS
#アルケミーレコード
#90年代

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