90年代の隠れていない名盤、その62(The Dillinger Escape Plan)
気づけば62回目の更新を迎えていた、当コーナー。今回はアメリカのニュージャージー州、出身のエクストリーム、ヘヴィ・ロックバンド、The Dillinger Escape Planのアルバム『Calculating Infinity』を取り上げます。それでは早速レビューに移ります。
ニュージャージー州出身のエクストリーム、ヘヴィ・ロック・バンド、The Dillinger Escape Planが99年にリリースした1stアルバム『Calculating Infinity』。1曲目『Sugar Coated Sour』から、このバンドの特異性が全開になっている、プログレの様な変速ビートが加速してグラインド・コアの様になる。そこにデス・メタルの様な絶叫が被さる。エクストリームとしか言いようが無いヘヴィ・ロックの極北がここにある。2曲目『43% Burnt』はSwansの様なミッド・テンポから高速な混沌とした演奏に流れて行く。3曲目『Jim Fear』も変速グラインド・コアと言う名前がピッタリのナンバーだ。4曲目『*#..』は不穏な状況音の様なサウンドが冒頭から流れる。中盤からヴォーカル抜きの、鋭いギターのリフを多用した演奏が始まる。5曲目『Destro's Secret』は、ぶっ飛ばし続ける変速グラインド・コアナンバーだ。6曲目『The Running Board』怒涛のオープニングから女性の悲鳴のSEが入り、このバンドにしては珍しい、スローパートに入るが中盤からは怒涛のサウンドに戻る。7曲目『Clip the Apex... Accept Instruction』も怒涛の変速グラインド・コアだ。8曲目『Calculating Infinity』は冒頭は轟音では無く、ややメランコリックなメロディで始まる、途中音量も大きなギターが、その世界に割って入る、小曲である。9曲目『4th Grade Dropout』は雪崩の様なドラムの連打からカオテイックな世界へと突入して行く。10曲目『Weekend Sex Change』はドラムの連打から不穏なSEが鳴り、曲の後半で緊張感のあるヴォーカルを抜いたバンド演奏が聴ける。11曲目でありラスト・ナンバーの『Variations on a Cocktail Dress』は約8分の大曲である。混沌とした高速、変速サウンドで始まり、テクニカルな間奏が入り、数分の長い無音が入り、ラストは不穏なSEで終わる。弩級のバンドによる偉大なる、弩級のドキュメントと言っていいだろう。90年代末期に現れた凄まじき、ヘヴィ・ロックバンドである。全てのエクストリーム・サウンドのファンは必聴である。グレイト!
以上、The Dillinger Escape Planのアルバム『Calculating Infinity』を取り上げました。次回取り上げるアーティストは未定です。よろしくお願いします!
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