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今さら聞けないUSBとUSBメモリーの選び方 #4

外付ドライブ USBメモリー vs SDカード vs SSD

今回は、外付の記憶媒体として選択肢に挙げられる3つのメディアを比較検証していきます。


検証条件

今回、検証するにあたって、ファイルシステムフォーマットは、「NTFS」に統一しました。たまたまUSBメモリーとSDカードは、転送速度が同条件になりました。(シーケンシャル読出速度)

各メディアのスペックについて

USBメモリーは、前回から引き続きADATA UV128 64GBで行います。シーケンシャル読出速度は、メーカー公表値 約100MB/sになります。

SDカードは、SDXC規格のTranscend SDC 300S 512GBで行います。メーカー公表値は、シーケンシャル読出速度 約100MB/s、シーケンシャル書込速度 約55MB/sになります。同シリーズでも容量により、速度が異なります。

SSDは、手持ちのスペアとしてCrucial BX500 2TBがあったので、そちらを活用します。メーカー公表値は、シーケンシャル読出速度 約540MB/s、シーケンシャル書込速度 約500MB/sになります。USB外付SSDとするため、SATA-USB変換ケーブルを使用してUSB接続します。

SSDとUSB変換ケーブルを接続した状態

転送速度の比較

Cristal Disk Markにて転送速度を計測した結果が以下になります。

左からUSBメモリー、SDXCカード、SSDの測定結果

シーケンシャル速度については、読出、書込共、SSD、USBメモリー、SDXCカードの順となりました。ランダム速度読出ついては、SSD、SDXCカード、USBメモリーとなり、書込については、SDXCカード、SSD、USBメモリーの順となります。とはいえ、SDXCカードとSSDの順は、甲乙つけがたいところです。

単純な転送速度比較であれば、SSD+USB変換ケーブルが良いという結果になります。

コストパフォーマンスの比較

比較方法がいくつもあると思いますが、2点で比較検証していきます。
1点目は、ストレージ容量1GBあたりのコスト。これは、容量の異なるメディアで検証していますので、1GBあたりのコストを算出します。

2点目は、シーケンシャル読出速度1MB/sあたりのコストを算出します。
速度算出は、Cristal Disk Mark テスト結果の一番上、SEQ1M Q8T1の数値を使用します。シーケンシャル読出速度を採用した理由は、各メディアのメーカー公表値が確認できるという点になります。

コストパフォーマンスの比較

1GBあたりのコスパは、SSD+USB変換ケーブルの組み合わせが良く、速度では、USBメモリーが最も良い結果となりました。

しかし、ADATAのUSBメモリー価格は、正直なところバーゲンプライス的なところもあり、また、同一容量で比較した場合は、この結果通りには、なりません。参考程度に見ていただければと思います。

私の使い分け方

ここから先は、USBメモリー、SDカード、外付SSDの選択方法を実際の使い方を私的な視点で書いていきます。

・ USBメモリー 容量64GBまで
  → OSインストーラーディスク
  → 普段使用しないOS起動ディスク
  → よく使用するベンチマークソフトなどのストレージとして
・ SDカード 容量512GBまで
  → 増設できないノートPCのセカンドストレージ
・ 外付SSD 基本的に使用しない
  → SDカードで足りない事態がない

使い方として、ストレージ容量の小さい順に

USBメモリーは、Windowsのインストールディスクやベンチマークソフトのストレージとして使用しています。また、Chrome OS Flexのような普段使用しないけど、触ってみたいOSの起動ディスクとしても使用したりしています。容量は、64GBまでで、これは、ベンチマークソフト用ストレージとして32GBでは、足りなかったため、64GBまでのものがあります。
USBメモリーは、PCへの付替頻度が高い用途で使用しています。

SDカードは、主にノートPCのセカンドストレージとしての使用になります。やはり、出っ張りなく使用できることので、使い勝手が良いです。容量も128GBから始まり256GB、512GBと増えていきました。ファイル置き場としての利用でしたので、移行も楽でした。
SDカードは、特定のPCに対してのストレージとして、PCへの付替を想定しない用途で使用しています。

最後に外付SSDですが、私的には、選択肢に入っていません。
複数台のPCを使用している中で、意外と複数台で共有したいファイル類が多かったりします。これを外付メディアで処理しようとすると、付替が面倒だったり、ローカルにダウンロードしたファイルの同期等が面倒だったり(どれが最新かわからなくなることも)します。それを解消するために、NAS環境を構築したことが一番大きな理由となります。
もし、1台だけのPC運用であれば、1TB以上の外付SSDは、選択肢としてあったかもしれません。

NASについては、以下に記事しました。興味があればぜひご覧になってください。

どんな選び方すればよいか

使用するスタイルにもよりますが、選択基準は、以下になるのでないかと思います。

1. 特定のファイルだけ使いたい。コピーしたい
  → 顧客先でプレゼンするのに、顧客以外の情報を見せたくない
  → 一時的な使用を想定している
2. パーソナルなストレージとして容量拡張したい
  → 内蔵SSD交換のように手間をかけずに容量拡張したい
  → メールやファイルの保存先として、メインストレージの容量確保
3. 容量の大きいファイルを含めたストレージとして、簡単に拡張したい
  → 動画ファイルやプログラムファイルを扱いたい

まず、1が当てはまる場合は、USBメモリーが最適かと思われます。
容量も32~64GBのあれば、十分ですし、3つの選択肢中では、価格も種類も豊富にあります。

2に当てはまる場合は、SDカード、外付SSDとなります。PCにSDカードスロットがあれば、出っ張りもなく、外出時もいちいち取り外す必要もなくスマートに使用できます。ここでは、SDカードを推しておきます。

3に当てはまる場合は、外付SSDになります。やはり、大きなファイルを取り扱うには、転送速度が重要なポイントになるかと思います。そういった意味で転送速度が優れている外付SSDになるかと思います。


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