見出し画像

USBメモリー検証 : Amazon売れ筋製品の闇を覗く #1

今回は、Amazon 売れ筋ランキングで上位にあるUSBメモリーを検証してみました。星1つレビューに闇があるようです。
今回、2種類を購入しましたが、検証に時間が必要なため、1点づつ検証をしていきます。

検証するUSBメモリー

※※ はじめにお断りと注意喚起 ※※
・ この記事は、販売者やAmazonへの批判意図は、ありませんので、
  関係先へのクレーム等は、お控えいただくようお願いいたします。
・ 製品リンクがあります。購入を検討される場合は、リンク先レビュー
  の星1つの内容をよく確認した上で、自己責任でお願いいたします。
・ 一番重要なのは、こういう事例があるという知識をつけ、
  上手に良い買い物をすることだと思います。

Grace nnvg USB 3.0 1TB

USBメモリーで1TB容量なんて、大手著名メーカーですら、ラインアップがないので、(正確には、知っている限り、1つある)  正直に言うと、怪しい中華USBメモリーです。一応、書込速度は、15~30MB/sとうたっています。

ちなみにパッケージにメーカー名やロゴ等は、無く、中華メモリーあるあるの金属ケースに入っています。(見た目豪華だったり、おまけたくさん等々)
ちなみに2024/7/1時点で売れ筋ランキングは、9位でした。


検証

では、いつも通りに検証を始めます。まずは、Windowsで、どのように認識されているかタスクマネージャーで情報を見てみます。ぱっと見は、そうでもないように見えますが、容量表示に違和感を覚えます。

違和感の理由は、容量1TBに対して、実容量が多く表示されていること。
SSDでもそうですが、USBメモリーの場合、10%程度は、少なく表示されるものですが、このUSBメモリーは、2.3%減の表示なのです。

Windows上でのGrace nnvg 1TBの情報

ベンチマークテスト (Cristal Disk Mark)

ベンチマークテスト結果ですが、USB 2.0 対応メモリーと同等結果です。
USBプラグは、USB 3.0用のものを使用していますが。
書込速度は、公表最低値である15MB/sは、一応、記録しています。

性能面でこのUSBメモリーを選択する理由は、なさそうです。

Grace nnvg 1TB ベンチマークテスト結果

容量・リード・ライトテスト (H2testw)

ベンチマークテストでは、最低ラインをクリアしている結果でしたが、こちらの容量・リード・ライトテスト結果は、?なものでした。

まず、容量ですが、全容量に対して、毎回テストをかけていますが、
こちらの製品、丸2日書込を行いましたが、約400GB分書込んだところで、
検証PCが突然シャットダウン。
既に書き込んでいたファイルで読出照合をかけると、容量偽装が発覚
約90GB分だけが照合され、残りは、ミッシングとなりました。

速度低下も激しく、ベンチマークテスト時、速度の1/4程度しか出ません。
今の時代では、実用にならない速度レベルと言わざる得ません。

Grace nnvg 1TB ライティングテスト途中経過 (速度に注目)
Grace nnvg 1TB 書込データ容量 (シャットダウン後の確認)
Grace nnvg 1TBデータ照合 (書込済データの照合)

まとめ

今回、Ubuntuインストール・ブートテストは、偽装が見つかったので省略します。このUSBメモリー、本来の容量は、128GB程度と思われます。

USB 3.0対応としながら、実際には、USB 2.0の速度しかありませんので、
本当に1TBの容量があるとして、全ての容量を使おうとするならば、

容量テストでの書込速度を基にした予測時間は、約54時間必要です。
約400GB分の容量読出にかかった時間は、約18時間でした。

普通に考えたら、転送をあきらめる人が多いと思います。

動画など大きいファイルでないと、1TBを使い切ることは、中々、機会がないので、容量偽装が発覚しづらいようにも見えます。
元々の容量で、USBコントローラーチップがUSB 3.0だったら、どんな性能になるのか、別視点で気になるところは、あります。

後日、分解できたら、分解して、↓の記事のように中身の構成を調べたいなと思います。


購入前に気を付けたいこと

なぜ大容量と謳う怪しいUSBメモリーがあるのかを考えると、
ストレージ機器全般で言えることは、500GB位から1TBの間で急激に価格上昇しています。
USBメモリーも128GBまでなら、個々によりますが、お買い得なものもあります。また、256GBまでなら、選択肢もそれなりあります。

USBメモリーも256GB容量を超えると、急に選択肢が少なくなり、ハイエンドクラスのみで、かなりの高額となります。

しかし、この金額、予算そのままでも、外付SSDが購入できる価格帯になったりします。しかも、1TB。

そういった意味では、消費者心理 - 「大容量のストレージをなるべく安く購入したい 」を逆手にとって、容量偽装の商品を売っているのだと考えます。

日本国内でも、このような容量偽装した商品が流通してしまっていることが確認できたので、消費者側の購入前チェックが重要性を増すことになると思います。(似たような商品を扱っている業者は、たくさんあります。)

今回は、Amazonでしたが、既にYahoo!ショッピングや楽天でも類似品を見かけます。このような商品を買わないように注意したいものです。

いいなと思ったら応援しよう!