シングルファーザーと三人兄弟【第1章 別れ編】その5

突然の母の死のその後、シングルファーザーになった父と、私、妹、弟の三人兄弟は毎晩、川の字になって一緒になることで寂しさを紛らわすのでした。

父親がつくる手料理は納豆入り卵焼きなど捻りが効きすぎていて、残念ながら子供達に受け入れられず、食事が外食続きになったのを見かねた祖母や親戚がヘルプに来てくれることで、食事問題は解決しました。

しかし、親子のコミュニケーションはなかなか上手くいかずギクシャクすることが多かったのですが、ただただ一緒に生活し、一緒にねる時間を重ねることで乗り越えていた感が強いです。

時々、父親がこぼす後悔。「なんであの夜BMWに乗らなかったのだろう。。」の意味を把握しないまま突入した思春期に、「お母さんでなく、お父さんが死ねば良かったんだ!」と叫んだ後の父親の表情は今でもまだ忘れていません。

それでも、ただただ一緒に生活し、一緒に生きることで様々な溝を乗り越えたのです。私が父に「お父さんの息子に産まれて良かった、育ててくれてありがとう」と伝えることができたのは私が中国に渡る前。

思えば父は本当に我慢強く三人を自由に育ててくれたものです。産んでくれた母、育ててくれた父への感謝の気持ちを込め、次からは第2章 再会編を始めたいと思います。


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