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産まれるまで性別は聞かない2

 次男の時は、私もまだまだ浅はかだった。

知りたくないとは言いつつ、夫に「男の子かな?男の子だったら・・・」「女の子かな?女の子だったら・・・」と話しかけ、夫の反応を楽しんでいた。
それでも夫は「どうやろなー」と言いながら、のらりくらりと私の攻撃をかわし、出産まで誰にも言わず隠し通した。

ただ、夫の努力も虚しく彼の反応からなんとなく男の子であろうことを感じていた私は思った程のサプライズ感もなく、若干欲求不満気味であった。

夫にはなんの落ち度もない。
全ては私の招いた結果である。

私は何をしたいのか。

子どもが産まれた時に「わぁ、ビックリ!また男の子だ!」と言いたい。
ただそれだけである。
ならば、一切の探りを入れるべきではないのではないか。

三人目の妊娠から私は心を入れ替え、腹の子の性別に関して一切の関心を断つことにした。

三男・四男の妊娠中は夫が単身赴任中だったので、性別を知ったあとの夫の反応を見ることはほとんどなかった。
夫の単身赴任中は断片的な記憶しか残っていないほどの怒涛の日々であったが、この件に関しては数少ない”夫が単身赴任で良かった”と言える出来事ではないだろうか。

そしてなによりも凄いのは、見えるか見えないのかわからない健診に合わせて帰宅し、成果を上げて帰る夫の強運さである。
性別を見届けた彼は例によって私とよそよそしい関係になり、また勤務地に戻るのであった。

何年も前のことを振り返ると今まで見えなかったものが見えてきた。
自分で言うのもなんだが、ロクでもない妻だな、私。

嫌とも言わず付き合ってくれた夫に改めて感謝。
いい人だな、私の夫。

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