モンテッソーリ教育の成果
息子たちは家の近くにあるモンテッソーリ教育を土台としたバイリンガルプリスクールに通っていた。
私の記憶が確かならば、モンテッソーリ教育とは子どもの自発性を尊重する教えである。
園児たちはプロジェクトと呼ばれる作業の準備から片付けまでを行うことを習っていた。
モンテッソーリ教育は、日常生活においても応用が可能で、彼らは水をこぼしたら自分で拭き、パンくずは卓上のほうきとちりとりで集めていた。
私のようなズボラ人間からすると、とてもありがたい教育方法である。
モンテッソーリさん、ありがとう!と心から感謝していた。
ある日、自宅でトイレに行く長男の様子を伺う機会に恵まれた。
立って用を足していた彼は、何をどう誤ったのかほぼほぼ全ての小便を便器の外に放出した。オールOBである。
緊急事態だが、恐らく誰かを抱いていた私は、すぐに動くことができなかった。
そんな私を気にするでもなく彼は自発的に手洗い用のタオルをサッと取り、綺麗に床を拭いてまた元のタオル掛けに戻していた。
何が起こっているのか瞬時には理解できなかった。
私は恐る恐る「粗相をした時はいつもやってるのか?」と問うてみた。
長男は一点の曇りもないドヤ顔で「ウン!」と答えた。
そりゃそうだ。彼は教えられた事をただただ忠実に守っているだけなのだ。彼は何も悪くない。
モンテッソーリさんも何も悪くない。
子供の素直さとモンテッソーリ教育の素晴らしさ、そしてプリスクールの指導力に感心させられた一件であった。
そして、速攻で家中のタオルを漂白したのは言うまでもない。