オープンでフラットな組織が突然「閉鎖的」と言われるとき
柴田(@4bata)です。「それぐらいわかるだろ・・・」が通じなくなるタイミングがあるんだなという発見です!
考えたきっかけ:「オープンでフラットだと思ってたけど、結構閉鎖的なところもある」というセリフを聞いた
その人に情報が伝わってなかったのかな。私の最初の感想は「前からそうだった気がするけどな・・・」。以前から整った形で情報はちゃんと流れてない。私にとっては、今働いている会社が閉鎖的には見えてない。実際には閉鎖的な部分があるのだろう。その差を理解してみたくなった。
情報の伝わり方を単純化して考える
近くにいる人には自分の活動内容や背景にある意図が勝手に届くとする。携帯の電波が届く範囲、みたいなイメージ。
接触頻度が高い人同士は、いろいろ理解できている。
人数が少ないときは、何もしなくても相互に活動内容や意図が伝わっている
・自分が理解できない情報も、一緒に仕事してる隣の人に聞けば情報の背景がわかる
・積極的に情報を開示する行動はしてない
人が増えたらどうなるか。社歴の長さで持っている背景情報が異なる
例えば中途採用で社員が増えた。普段の仕事は問題ない。でもふとしたときに「これどういう理由で行われてるんだろう」と周囲の人に聞いても、「わからない。どうなんだろう??」となったりする。社歴の長い人(点線部分の四角)に聞いたらわかったりする。
社歴の長い人の理解:聞かれたら何でも答えるから、うちはオープンでフラットな会社
実際に聞かれたら全部答えるし、隠さない。だから、オープンでフラットな会社だ。
社歴が短い人の理解:情報がちゃんと伝わってこない。自分の知らないところで話が進んでいる感覚。入社前のイメージよりは閉鎖的な会社
入社前のイメージは、社歴の長い人達同士のやりとりから発生している。聞いたら答えてくれるが、自分の知らないところで話が進んでいるように思える。情報が公開されてないので、思ったよりは閉鎖的だな、という感想になる。
ここにギャップがある。
社歴の長い人は「わからなくても聞いてこない原因」を、本人の視座の低さや当事者意識の低さに求めがち
・いちいち全部伝えてられないから、聞いてよ、となりがち
・社歴が短くても、背景情報のキャッチアップが得意な人が一定数いて「あの人みたいにできるでしょ」と思いがち(これがあることでややこしくしている)
・実際には「わからなかったら何でも聞いて」はハードルが高い。何がわからないからわからない、もあれば、そもそも聞く相手が忙しすぎて時間とりにくいとか。
そういえば未経験者の採用で苦労した記事を以前に書いた。
電車ごっこのロープを縮める活動をやりつづけていこう
最近、情報の伝わり具合を電車ごっこに例えた記事も書いた。自分と他人の距離が思ったより開いてるぞーというイメージを絶えず持っておこうというものだ。
自分だけゴールしても意味ないぞーとか。
先頭以外の人視点だと、情報が足りなくて霧の中だぞとか。
どうすればいいか?毎月1回以上、活動方針や背景を言語化して伝える機会をつくっている(私は)
「勝手に伝わる」は諦めて、言語化して伝える。いまのところこれしか思いつかない。以下、私が管掌する管理部門向けに実際につくっている資料の表紙。去年の12月から毎月更新している。
月末に任意参加で説明会を開くことにした。以下、参加者の投票によって話す内容を決める。詳細がわからないように改変したが、イメージは伝わるはず。
やっていて不安になる点を具体的に書いておく。
不安1:この内容でいいのか?
話している側からすると「この内容でいいのか?」となる。当たり前すぎる内容だったり、先月と似た内容だったりするので。そこは説明会を任意参加にすることと、発表内容は用意するが、参加者に聞きたい内容を選んでもらうことで対応している。必要ない人は出なくていいし、参加者が聞きたい内容と話したい内容は大抵異なるものだ。上のメニューだと、最初に選ばれたのは「管理本部全社員との面談を踏まえて、柴田がやろうとおもっているタスク」だった。これなの???という感想ではある。
会議で投票をつかう方法は別で記事にしているので参考にして欲しい。
不安2:参加してない人との情報格差
必要性を感じない人が参加する必要はない。ただ、実際にはこのまま進んでいくと、発生しそうな事象がある。
社歴が長い人で、本人的には状況理解しているから「方針説明会への参加は必要ない」と判断しているが、実際には活動方針や背景の意図がアップデートされないままの人が発生する。
つまり、ズレに本人が気づかないケースだ。別の方法でカバーする必要があるだろう。まだ考えてないけど。
今回は以上です!
この記事を書いた理由も、一緒に働く人達に「私はこれぐらい背景情報伝えたいとは思ってますよ!」と伝える意図もある。似たような状況で困っている人の役に立ったらうれしいです。読んでいただきありがとうございました。
twitterでの反応
そう、隠してるつもりはないんです!自分の知らないところで話が進んでいる感覚、っていいフレーズなので、記事を書き換えました。ありがとうございます!
結局、上手くやれている人がいることを反論材料にされると、なかなか言い返しにくい。
施策としての任意参加の投票式説明会というのは結構いいはずなのです!
これめっちゃいい話だ。
経営者が何度も同じことをいう理由とつながってるのかなと考えたことがあります。稲盛さんとかそういうレベルの人とかも。
そうですね!キャッチアップしてる自覚もない背景や文脈が、いちばん社歴の浅い人には伝わりにくくて、伝え方もわかんないとなりがちだと思います!
あーそうですよね・・・といいつつ、私は他の人はあまり変えられないという立場に立ってしまってるから、こっちの思考にあまりいかないと気づけました!
暗黙知で「閉じて」試行錯誤していくフェーズがあり、それを形式知化して「ひらいていく」フェーズをいったりきたりするイメージがあって、どこかでブログにしてみたいと思ってます。
いい方はともかく、ギャップがあることは社内の人も認識してるってことですね。
この電車ごっこの例えはかなりいいとおもうんです。なぜなのかはわからない。
確かに、聞いたところで間違えてたりして、いろいろ大変だというのがある。
何がわからないかを一緒に探れるようになりたいけど、そこまで余裕がない・・・!
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書いてみてわかったんだけど、内部監査って嫌われてて面白くないと思われてるらしいから、未経験の募集少なそうだけど、絶対面白いのでおねがいします。