失恋博物館って知っていますか?
皆さん、忘れられない恋ってありますか?
学生の時って恋多き年頃ですよね。当時の恋を大人になった今思い返すとなんだか甘酸っぱいような、歯がゆいような不思議な気持ちになります。
さて、こんなことをなぜ聞いたかと言いますと、『失恋博物館』という素敵な博物館を皆さんに知っていただきたいなと思ったからです。
失恋博物館はその名の通り、失恋の品を集めた博物館です。世界中の失恋をした人たちのリアルな失恋の品が集められ、飾られています。
終わってしまった恋の「遺品」を寄贈することで、失恋の傷を癒してもらおうという思いから、この博物館は存在しているのだそうです。
クロアチアはザグレブにあるこの博物館。日本語で書かれたガイドブックがありますので、そこに書かれた説明書きと展示された展示物を照らし合わせることでそれがどんな展示なのか、どんな思いが込められているのかを知ることができます。
実はこの失恋博物館、数年前には「別れの博物館」として日本にも来ていました。さすがにクロアチアまで足を延ばすことはできていませんが、この博物館には行くことが叶いました。
真っ白な空間に飾られているのは全てが別れの品。流れている空気もなんだか寂しいような、切ないような気がします。
実際に足を運ぶまでは、失恋の品は全てが悲しいものだという先入観を持っていました。
確かに悲しい思いもたくさん展示されていました。でも、それだけじゃなかったんです。
「別れて幸せになれた」という展示品や、「亡き父への思い」が込められた温かいものまで。別れにはたくさんの形があるのだと気づかされたのです。
そこは「別れ」や「失恋」に満ちていたのに、決して悲しい思いになることはなく、しかし涙があふれてくるような、そして自分の中のきちんと「さようなら」ができていなかったものとお別れができたような、そんな気持ちになって帰ってきました。
今は自由に旅行ができる時世ではなく、次に「別れの博物館」が日本に来ることがあるかは分かりません。
でも、ひとりでも多くの人に触れてほしいと思う博物館です。
学生時代の甘酸っぱい失恋や、「さようなら」が言えていない苦い記憶、そんなものと向き合う時間をぜひ作ってみてください。
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