ユベル雑感
はじめまして、しーぜるです。
普段は五反田で遊戯王をしています。
遊戯王歴は2014~2015、2022年~現在と所謂MD復帰勢に分類されるタイプです。
2/10〜の三連休のcsでメインアトラクター採用のユベルを使用し、少人数csですが準優勝×2ベスト7×1とまぁやれる感は出せたので所感をば。
ユベルを使ってみて強かったところや弱かったところ等をつらつらと書いていくつもりです。
カード効果や基本展開うんぬんは先人のnoteで十分かと思いますのでたぶん割愛します。youtubeも一つだけ先の方とは別で参考になった動画がありますので気になったら聞いてください。
目次
1.ユベル独特の勝ち方
皆さん既にご存知の通り、ユベルは戦闘ダメージを反射するという性質をもったカード群です。(厳密には反射ではないですが)
これまでのユベルは第三形態のエクストレームトラウリヒドラッヘ(大体みんな言いたいだけ)のみが自らの攻撃時にもダメージを与えることができ、ユベルや第二形態は攻撃された時のダメージ計算開始時に強制効果が発動してようやく反射に成功する。
といったなんだかまどろっこしいダメージソースを持っていました。
ところが「ナイトメアペイン」の登場により
①「戦闘ダメージは相手が受ける」といった「御巫」と同じギミックによる能動的なライフカット
②「攻撃可能なモンスターは全てユベルモンスターを攻撃しなければならない」といった何かと話題なテキストによる「スピリットオブユベル」「エターナルフェイバリット」を活用した初見殺しの突然死ギミック
③それを嫌った相手の「守備表示のみの展開や可能な限りこちらのカードの処理をしてモンスターを残さずにターンを渡す」といったプレイを強いてロングゲームへ持ち込む
これらのようなゲームプランを手に入れました。
また、「ナイトメアスローン」の登場でただでさえ場持ちの良いカード群であるユベルが除去の順番を間違えると何回も形態変化をして場に残り続けるという脅威の生存能力を持つデッキになりました。
ユベル独特と書いてしまいましたが、相手の展開を捲りきらなくても勝てる点、形勢不利でもライフだけを守りきってET・EDで一撃差し込んで勝つ点等は御巫に近しいものを感じます。解釈違いだったごめんなさい。
その他にも、「破械」モンスター群や新規「ヘルグレイブスクワーマー」を活用した展開力、ランク10エクシーズモンスターを活用した重厚なフィニッシュ等、思っていた以上にやれることが多いなという印象を受けました。
そして忘れてはいけないのが「超融合」の存在です。
ティアラメンツを相手にして嫌と言うほど見たであろう「ドロゴン」や最近高騰が止まらない「ガルーラ」等、相手モンスター二体を簡単に1-2交換してくれる優秀な既出融合体はもちろんのこと、このデッキではユベルモンスターさえ場に出ていればそんな彼らもびっくりの素材の緩さで相手のモンスターを全て巻き込みながら融合体エーヴィヒリーベヴェヒターを着地させ、バーンダメージを与えることが出来ます。(プレイとしては相手のモンスターを全て巻き込まないほうがいい場合もありますが)
そんな環境上位の除去カードをサーチ出来るのが一番の魅力かつ強みであるかも知れません。
見えているとはいえ超融合の圧はやはり先行の勝率に大きく寄与してくれましたし、後手も超融合で救われた試合が何度もありました。
2.アトラクターの採用
本来ユベルやそのサポート群である悪魔族系統のデッキが得意とするのは墓地利用によるリソース確保やアドバンテージの獲得です。(いまや悪魔族に限った話ではないですが)
そんなユベルが「アトラクター」の採用に踏み切れたのは以下4枚の新規カードに拠るところが大きいです。
ナイトメア・スローン
スピリット・オブ・ユベル
エターナル・フェイバリット
マチュア・クロニクル
これら4枚のカードは除外のユベルモンスターを再利用することのできるカード群であり、アトラクターを投げたor投げられたとしても、フィールドにユベルモンスターやサポート魔法罠を並べることができます。
「ふわんだりぃず」や注目株の「天盃龍」を除くほとんどの競技シーンで見かけるデッキはアトラクター下でやれることが非常に少ないと考えています。
それらのデッキに比べユベルは次ターン以降のリソースの確保、ワンキル性能等、100点満点とはいかないまでも十分「動けている」と言える程度のことはやってのけます。
純粋なデッキパワーでは劣るユベルが環境トップとの差を埋め、苦手としている手数出力おばけ(インフェルノイドやライトロード等)に抗う手段としてメインアトラクターという選択をしましたが、この3日間役立つシーンはとても多かったです。
3.割り物に頭を抱える
ユベルを使っていて直面する問題のひとつに「割り物への無力さ」があげられます。
ユベルの強みである継戦能力とライフの取り辛さを支えているカード群はその全てが永続魔法罠とフィールド魔法です。
先行展開である程度の面処理やモンスター効果無効の妨害は構えることは出来ますが、基本的に現存のリストでは魔法罠を止めることのできるカードは新規ランク10の「ヴァルドラス」しかありません。
そのため、「羽根箒」や「大嵐」「拮抗勝負」等が直撃してしまうと基本的には敗色濃厚となってしまいます。
これらの三大後ろ盤面ぶっぱカード達をはじめとする後ろを触れる札への対処が今後求められるユベルの盤面形成やサイド考察のポイントの一つではないかと考えています。
拮抗勝負やついでに泡ケアもできる「ガイストーチゴーレム」の存在はありますが、アドバンテージマイナス1のカードであるため、3枚採用は基本的に有り得ず、ナイトメアペインによるサーチに対応していますが、流石に贅沢なサーチ過ぎるので基本的にはお守り程度かなと。
その他で見かけたカードとしては「センチュリオンアークシーラ」や「バリケイドベルグ」の永続効果によるバック破壊からの保護
個人的な評価はバリケイドベルグに1票。出しやすさが段違いかつ手札を切れる点を評価しています。
展開ルートと最終盤面が固まり次第投入してみようかと考えています。
サイド札では「神の宣告」「魔封じの芳香」等がぱっと思いつく候補でしょうか。どちらも裏目というかウィークポイントはありますがバック全部はがされる(n敗)よりマシなので今後はきちんと考えて採用したいと思います。
4.大量誘発大量初動時代という逆風
先般、割り物に頭を抱えるという話をしましたが、それ以上に頭を悩ませるのが「飛んでくる誘発の量と素引きセルフハンデスによる手数の少なさ」です。この問題を解決できない以上純構築のユベルが環境トップクラスと評される日は来ないと断言しても良いでしょう。
1枚初動は「ナイトメアスローン」と「サクリファイスDロータス」の計6枚
「テラフォーミング」や「ワンフォーワン」「盆回し」をフル投入してようやっと9枚体制といった具合です。悪魔版篝火ください。
嵩増し札は一旦さておき、この2枚は全て「うらら」が直撃します。
特にロータスへのうららが直撃すると、召喚権を使った上に場に何も残らない最悪の状況が発生します。
一度でも効果を読んだプレイヤーは「マスカンはロータス」という認識を持つため、だいたいうららが飛んでくるとしたらロータスでしょう。
他には召来神への無効系誘発もクリティカルなシーンが多いです。
「霊獣使いの長老」と違い、「暗黒の召来神」の追加召喚はモンスター効果なのでロータスと同様直撃すると最悪な状況が発生しやすいカードなので、貫通が無理な場合を除き安易に暗黒の召来神スタートをするのはやめましょう。
幸いユベルも現代テーマに昇格したため、合わせ引きでなんとかなるシーンもそれなりにありますが、その際に気になる点がやはり召喚権を使わない初動パターンの少なさと素引きしたくない札の多さでしょうか。
かつてラドン型レスキューが短いスパンでの流行り廃りを見せたように、素引きした時や、大事なドローで顔が歪むようなカードは圧倒的なリターンがない限り敬遠されます。
ユベルデッキではまさに「ユベル」本体とその形態変化カードが必須枠としてその役割を立派に果たしています。大三形態まで入れる方や僕のように「破壊神シュヤーマ」等をいれる人はそんなカードが3枚以上デッキに入っていることになります。ユベルから見たらオライオンジェットもポプルス二枚引きも贅沢です。
その素引きの数だけ手数も減り、動けずターンを返しても役割がない札が増えるというユベルデッキは、誘発12枚以上初動12枚以上が飛び交う今環境においては大きなハンデを背負っていると言えるでしょう。
強い誘発や可能な限り初動や指名者を引きたいからデッキを40枚に抑えたいのに、高頻度でユベルが手札に顔を出す。悲しいことに競技シーンでシェアが伸びる理由はどこにもありません。
最後に弁明しますがGで止まってもライフが残りやすく、ドロバや二ビルの受け口も作りやすい点はとても良かったです。特にドロバニビルが負けに繋がった試合は0でした。
5.一筋の光
使っておきながら悲しい事実を告げてしまいましたが、これからユベルのユーザーが増える可能性があるかもしれないという話を最後に出来れば。
それは「天盃龍」の台頭です。
天盃龍のデッキ特性として、後手を取りバトルフェイズやダメージステップを介して展開を行う。というものがあります。
相手の先行展開を大量の誘発や強力な捲くり札を使用して最低限に留めたり
フィールド魔法によりメイン1で下地を整え一気に八連荘さながらの展開と連続攻撃でアガりを狙うド派手な脳汁デッキとして東西共に結果を残し始めました。
バトルフェイズや攻撃宣言、ダメージステップと聞いて脳汁が出るテーマにもう一つ心当たりはありませんか?
そう、ユベルです。
何も考慮せず話をすると、ナイトメアペインとユベルがいるだけで天盃龍はデッキの持ち味を活かそうとするとそのまま敗北してしまいます。
当然、天盃龍側もそんな事はわかりきっているのでそこに至るまでのやり取りが発生しますし、先般の誘発で止まってしまったり、捲くり札でぐちゃぐちゃにされるという話もあります。
それでも、天盃龍側の攻撃を耐え切れるデッキはあるかもしれませんが、そこにたどり着くまでの容易さや、ましてやそのまま勝利できる可能性があるデッキは現環境ではユベルだけだと考えています。
天盃龍が環境に大量発生することがあればそれに伴ってユベルの数が増えてもおかしくはないなと考えています。
一方でその頃に天盃龍がユベルに負けないプランを考え出している可能性が大いにあるということは念頭に置きましょう。調子に乗って逆に狩られたら悲しいですしね。
僕はちょうど対天盃龍の構え方を考えている途中なので、いいのができたらまた共有できれば。
以上!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
今回はnoteを書くのは初めてだったので画像貼りも効果説明も展開説明もめんどくさがってやりませんでしたが、こういう競技上のマイナーテーマのnoteを書く一番のメリットは、トッププレイヤーの集合知に抗うのではなく、トッププレイヤーにそのテーマのことを知ってもらい、考えてもらうことにあると考えています。
既存のユベルプレイヤーだけでなく、色んな人たちにユベルを強くして貰えたら嬉しいです。
次書く機会があれば解説記事としてちゃんと書きます。