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停滞と耳抜き
中学校の修学旅行で耳抜きって何かを知った。それ以来、気づいたら癖づいていた。
自分のからだに停滞する要らない空気を押し出して密度を高める感覚。でもそれは感覚でしかないし、 またちょっとずつ溜まっていく
鼻をつまんで目をつぶる私を見て君は笑うけど、君だっていつもガムを噛んでいるじゃないか、キシリトールの。呼吸さえガムが無いと上手くできない君と私の何が、どこが違うの。
勝手に私はいらいらっとして、君はすらすらいなくなる。
もう一度耳抜きをしたら、君がいたことも曖昧になった。
私に溜まっていった何かは君を圧殺しちゃったみたいだ、小さくなった君、何を言っても知らないし分からないよ
ばいばい。
息が白くなる頃に私はもう耳抜きなんてしなくなっていた。
またね。