個人的レトロなビデオゲーム良作2日目「サラダの国のトマト姫」

個人的レトロなビデオゲーム良作 Advent Calendar 2017 2日目。

前日に引き続き、本日もアドベンチャーゲームの良作である。

サラダの国のトマト姫といえば、もともとはパソコンゲームだったところ、ファミコンに移植されたのだが、今回は当時プレイしたのが小学生の頃だったので、当然のことながらファミコン版だ。

サラダの国のトマト姫は昔ながらのアドベンチャーゲームのその多くとは違い、ファンタジー世界におけるファンタジーキャラたちの冒険活劇だ。

主人公はキュウリのキュウリ戦士。そのお供が柿のかきっぱち。助けるべきキャラはタイトル通りトマトのトマト姫だ。ちなみにボスはカボチャ大王である。サラダ感ハンパないでしょ?

そのほかにも、大根の見た目したダイコーンというロボットがいたり、王子がレタスだったりと、登場キャラのほぼ全てが野菜かフルーツをモチーフにしたものになっている。

ストーリーは安直といえば安直なのだけれども、かぼちゃ大王にさらわれたトマト姫を救い出そう ということで我らがキュウリ戦士が頑張るぞ! というノリで非常に平和な世界観となっている。

ちなみにバトルもあるのだけれども、キュウリ戦士が剣を片手に相手と戦う! というものではなく、相棒のかきっぱちが敵とじゃんけんするだけである。血は流さないぜ!

と、まぁそんな感じのゲームなのだけれども、当時のファミコン事情的にクソゲー乱発、版権ものに頼った、クリアできるような難易度ではないもの、どう考えても手抜きで作ったな…と思われるようなものが数多くリリースされている中で、音楽も非常によく、ゲームのテンポもよろしく、難し過ぎることもないという絶妙な難易度のもので、絵本の世界を自分が楽しんでいるような気持ちになれる、アドベンチャーゲームの名作といっても差し支えはなかろうて。

とはいえ、やはりそうそう簡単にクリアさせてくれるゲームというわけではなく、コマンド総当たりでなんとかなるといえばその通りとは言えど、ゲーム進行のフラグを立てるのが難しいシーンもあれば、3Dダンジョンを探索しなければならず、ウィザードリィのようなゲームに慣れていないと、そこで放り投げてしまうような場面もあったりするので、万人が万人クリアできたか と言われればそういうわけでもないだろうとは思う。

このゲームのツッコミどころを挙げるなら、キュウリ「戦士」なのにほとんど戦わない。お前のその腰にぶら下がっている剣はなんのためにあるんだ。とか、シナリオが章仕立てになっていることから、次章に進む際、お供のかきっぱちが主要アイテムを「紛失してしまう」あたり、お前お供として自覚あるのか? とか、血の流れるゲームではないため、登場キャラがピンチの時はほとんどの場合で「水不足」となっており、干からびそうになっているという野菜としてはまぁ致命的な問題なのだけれども、なかなかに難儀な連中が揃ってるなとか(ちなみに水をあげると復活する)。

それでもゲームとしての完成度の高さ、移植版にありがちな雑さというのは全くないようで、今でもこのゲームを評価している人も非常に多いのも頷ける話でもある。

ちなみに、サラダの国のトマト姫はバーチャルコンソールでダウンロードできるようになっており、今でもプレイできるので、昔懐かしくも、優しい世界のこのゲームに興味を持ってくれる人がいるなら是非プレイしてみてほしいと思う。

システム自体は古臭いけど、ゲームミュージックとしても秀逸で、軽快な気分で十分楽しめること請け合いであることよ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?