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ローカルメディア運営備忘録書くよ

昨年4月にローカル情報をいろいろ書くよ的なブログ「舞鶴なび」を開設して、めでたく1年間頑張り続けることができたのだけれども、その間に同じように舞鶴情報を掲載したブログが誕生しては消え、誕生しては消えを繰り返しているのも観測していたわけでございますよ。

一時期は「ローカルメディアはネタに困らない!」「エリアを限定しているのでターゲット来訪者を掴みやすい!」などともてはやされた時期もあったと思うのだけど、実際にやってみるとこれがなかなか難しい。

作ってみたはいいものの、なかなか記事が量産できず、思ってたんと違うぞ? ってなったり、想像以上に人が来なくて、モチベーションダダ下がって数記事で更新が途絶えたり ってのは結構多い。

と、いうわけで、いやどういうわけかわかんねぇけど、とりあえず1年ローカルメディアを運営してみて、改めて分かったこととか、これからローカルメディアサイトを作りたい! と思ってる人がいるかどうかは知らんけど、何ぞかの役に立てばいいなと思ってここに備忘録を記します。多分。

コンセプトを決める

この場合のコンセプトは、ローカルメディアなので、「その地域のことを書く」ってことでいいんじゃないの? って思いがちだけど、地味にここが一番厄介で、その地域の人口規模や観光資源、地域の活性度とかで結構変わる。

例えば舞鶴市だと、人口は8万弱なので、「市内住みの市民向け」だとPVの頭打ちが早い。
ローカルメディアで収益を目論む場合、あくまで僕の観測内ではあるけど、市民向けの情報に特化するなら20万以上の人口規模は欲しい。
でもそんなエリア、日本全国でもそんなないよねー! わかるぅー!

観光資源が豊富であるなら、人口規模は小さくとも市民向けより市外向けでコンセプトを立てて、外から集客するという方法がとれるが、基本的に「市民は地元の観光地にそんな思い入れはない」の方が多いと思われるので、即時的なPV数向上は期待できない。有名観光地は既に大手サイトに食われてる。

…と書くと、地域によっては割と絶望感漂ってくるのだけど、何が言いたいかって、どんな来訪者を期待したいのかというのは決めておかないと、どちらの記事にしても軸がブレブレになり、結局エリアを限定しているはずなのに誰に対しての記事なのかとっ散らかってくる ってことになりかねないので注意。

県外の人向けに地元のグルメ情報書いても訪れることはほぼないし、市内の人に向けて観光情報書いてもあんまり興味持ってもらえない という確率の方が高いのが現実だと思う。

この辺りはどうしてもバランスが求められると思うので、
・市民向けはグルメや店舗情報
・観光は市外向け情報

と、それぞれの特性を理解した上でどうコンテンツを展開するか くらいは考えておいてもいいと思う。
PV向上を狙うなら、観光情報→お店情報への誘導コンボはどうしても決めたいので、個人的には観光情報の充実化は必須だと思ってる。

人口規模が小さくてもめちゃくちゃPV数の多いサイトってのは確実に存在していて、そこはとにかく観光地のピックアップがすごい。外から人を呼ぶことに特化してるんだなってすぐにわかるくらい。

…にもかかわらず、PV稼ぎやすいのはお店情報だったりするわけで、ここで観光情報はおざなりにされがち。観光地記事は書きやすいし楽ではあるけど集客難しいよね…。わかるよ…。

イベント情報は可能なら入れていくといいかも

イベント情報はローカルメディア的に、俗に言う「トレンドブログ」に近い性質を持っている。

イベント期間が限られているため、イベント日程が過ぎれば記事自体の価値が一気に下がるので、頑張った割に数日の命…と思わなくもないが、意外と爆発力がでかい。

大きなイベントは観光サイトに食われているような気もするけど、実は結構曖昧な情報が多く、正確性を問われるなら割とアウトな情報だったりして、さらに小さくとも注目度の高いイベントは全くネットで掲載されていなかったりと、意外なブルーオーシャンなのがこのカテゴリー。
ちゃんと情報を入れれば、結構簡単に検索にひっかかるようになるのも大きなメリット。

寿命は短いけどPVを一気に集められる上に、観光情報、お店情報の誘導コンボが簡単に決まるという強みがある。

ここは地元情報を扱う地元民としてのプライオリティが活かせる場所でもあるので、可能なら採り上げられるものは採り上げた方がいいよってことでおすすめしたい。

ちなみに舞鶴なびでは、イベント情報は別枠でカスタム投稿を作り、さらに構造化データを一部自動化させてGoogle検索でわかりやすくなるようにかなりテコ入れをしている。

イベント数が多くなる時期は半泣きになって入力しているものの、それでもまだまだ情報が足りていないので、こちらは人海戦術を用いてとにかく情報を入れまくるみたいな。それでもイベント終われば価値がほぼなくなっちゃうんだよなぁ…。辛い。

あと、注目度の高いイベントを掲載した結果、一時的にPVが爆盛りになるものの、イベント終了後にPVが10分の1まで落ちる ってこともしょっちゅうなので、それもまぁ、結構、辛い(すぐに慣れるけど)

グルメ記事は花形だけど注意点も多い

ローカルメディア記事の花形といえば、それはもう確実にグルメ情報
これだけは絶対に外せないし、むしろこれを書きたいからローカルメディア始めましたって人も多いと思う。

人によってはPVとか関係なくおすすめの情報をみんなに教えたい! という熱い気持ちを持ってたりもすると思うのだけど、これが結構大変なのは知っておいてもいいと思う。

まず、初期は書けば書くほど赤字にはなる。
当然食事代は自腹なので、常にお財布と相談しながらなのは言うまでもない。
外食が好きで、とにかく食べ歩くのが趣味! という人にとっては苦ではないかもしれないから、気にしない人は気にしないと思うのだけど、どうしても取材コストがかかるので、そこは意識しておこうねっていう。

次に、掲載許可のハードルが人によって全然違う。
特に僕なんかはコミュ障拗らせているのでこれがものすごく大変で、9割方は快く許可をいただけるものの、やはり緊張するものは緊張する。

中には許可なく掲載してる人もいると思うのだけど、個人的にはちゃんと許可を取るべきとは思っている。あと、写真撮影もちゃんと許可を取ってからにしようね。

いきなり店内に入ったと思いきや、店内写真をパシャパシャ撮り始めてなんなんこの人!? って不快感がひどかったっていうお店の人の話もたまに聞かれるので、せめて掲載させてもらう側の礼儀として、カメラを取り出す前にお店の方に写真を撮ってもいいか、ブログやSNSに投稿してもいいかなどの許可は取っておきたい。

僕なんかは会社名義でやってるメディアなので、ここでトチるとダメージでかい。

今時はスマホで映え料理写真やおしゃれ店舗を撮ってインスタにアップしてウェーイ! っていうのは当たり前の時代になってきてるけど、必ずしも全てのお店がそれを歓迎しているわけではない ということは認識しておきたいものですね。

また、お店ごとにも当然コンセプトがあって、全てのお店が行列のできる大繁盛を願っているわけではないということ。近隣の方に愛されるお店であればいい、お店のルールを理解した上で利用してくれる人だけでいい と、さまざまな経営方針があるので、多くの人に見てもらうことも大事だけど、お店に寄り添った記事を書こうね というのは常に考えていたい。

ローカルメディアやってて嬉しいこと

やってみると結構気苦労の絶えないジャンルなので、多くで聞かれる「楽・簡単」とは全然違う世界な気はするのだけど、それでも特有の楽しみというか、嬉しいことも結構多い。

最大なのが、例えば掲載したお店の方から、後で「舞鶴なび見て来たってお客さんがいたよ」って報告してもらえれば本当に嬉しい。
自分の書いた記事が人に届いたというのが素直に実感できる瞬間。
頼む、マナーの良いお客さんであってくれ… とは思うけれども。

次に、認知度の高まりが割とわかりやすい。
素直に周囲に聞けば反応返ってくるので、頑張って運営すれば、割と早々に「そのサイト、知ってるよ」って言ってもらえる。ついでに改善点教えてもらえれば最高だ。
知られてなかったら…そこで宣伝しておこう?

最後に、他の地域メディアや行政からお声がかかることがあり得る。
舞鶴なびの場合、ラジオ出演が一回。また、これは偶然だけど活動拠点で作業していたらNHKがやって来て、テレビで地域サイトとして紹介してもらえたというのも、「その地域に根付いた活動だから」できたことなんだろうなーって思える。

行政はまぁ…。一応知られてるけど無視すんなよー! 俺のために予算出してくれよー! ってわがままの一つくらいは言ってみたい気がするものの、無視できないほどの大きさになれば、なんらかのアクションは起こしてもらえることを期待したい。

実際に行政と連携して活動の幅を広げてるところもあるので、地方によっては夢がある。がんばろうな!

まとめ

ローカルメディアを運営するにあたって、このポイントだけは押さえておきたいっていうのはあって、それらをまとめると

  • グルメ、観光、イベントなど、記事のカテゴリーによって集客の質は違う。コンセプトを捉え、バランスよく入れ込むべし

  • 観光、イベント記事は他のカテゴリーへの誘導コンボを決めやすいので、疎かにしないこと

  • 特にお店記事は許可をちゃんと取る方が心象いいよ

  • とにかく初期は認知度が低いので人は来ない。本当に来ない。でも心を折らない。そういうもんだと思って地道な活動しようね

という感じで、さらに技術的な話をするなら

  • 写真を多用するメディアなので、可能なら動作の軽いサービス推奨。よくわからないなら無料サービスでもOK。まずは始めよう?

  • 別にブログサービスとかなんでもいいよ。記事が書けりゃOKじゃない?

  • でも独自ドメインは取った方が後々便利かもよ?

ってところだろうか。ローカルメディアって結構コンセプト命なところがあるので、運営指針を明確にした上で、地道に地味な活動をコツコツとしていけばいつかは花ひらくと信じて、みんないっしょに頑張ろうね!



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