個人的レトロなビデオゲーム良作7日目「エストポリス伝記2」
個人的レトロなビデオゲーム良作 Advent Calendar 2017 7日目。
5日目はまちこねーさんの「今では考えられない!ファミコン時代の2人同時プレイ事情」
6日目は我らがイマムラさんの「人間の闘争本能を呼び覚ます「ストリートファイターⅡ」はやっぱりいいゲームだという話」
を担当していただきました。ありがとうございます!
今回は知る人ぞ知る名作RPG「エストポリス伝記2」について行ってみよー!
エストポリス伝記とは、タイトーがSFC用オリジナルタイトルとしてリリースした「3部作」RPGで、愛をテーマにした的な、ストーリー重視でありながらも、ちゃんとRPGとしても面白さをふんだんに取り入れた意欲作でもある。
残念ながら、「3部作」と銘打たれながら、3は開発途中で頓挫してしまい、今の所はリリースされてないし、そのままもう20年以上経過してしまってる。でも僕はずっと待ってるからな!
で、このエストポリス伝記、1と2があるんだけど、1についてはストーリーもいいしものすごく面白かったのだけど、2の方がさらに面白かったので、今回はそっち。
エストポリス伝記2は、昨今の名作RPGの「いいとこ取り」と言われることもあるのだけれども、ドラクエはもちろんファイナルファンタジーシリーズや、果てはローグ型ダンジョンゲーム(トルネコの不思議なダンジョンみたいなやつね)の面白い要素を抽出して作られているところがあって、当然そういう要素が詰まっていれば面白いのは当たり前 と思われるだろうが、いいところだけを抽出した結果、出来上がったゲテモノなんてこれまでたくさん見てるし、何もいいところだけを全部取り入れればいいと言うわけでもなく、やはり絶妙なバランスで組み合わせて初めてより面白くなると言うことを考えれば、エストポリス伝記はまさに合格と言えるだろう。
エストポリス伝記2はよくある王道RPGのシステムを取っているが、ダンジョンがトルネコの不思議なダンジョンや、ゼルダの伝説のダンジョンの仕組みなどを組み合わせたような作りなっており、これがまた上手く様々な要素を昇華させている。
RPGに謎解き要素を詰め込みすぎると、途端に攻略が怠くなってくるものだが、エストポリス伝記2に限っては、ちょうどいい感じのところでゴールになるので、ダレることなく突破できてしまう絶妙なさじ加減は素晴らしいの一言である。王道RPGでありながら、よりストーリーの深さを重点においてるための配慮とも思えるが、どちらの要素も無理なく入り込んでいると言うのはなかなかできるもんじゃないだろう。
と、なると、ストーリー重視の作品に有り勝ちな低難易度なものなのか? となるわけだけれども、このあたりもよくできていて、しっかりやり込み要素が作られていて、完全に「不思議なダンジョン」と「ゼルダの伝説」を足したようなやり込みダンジョンが別で用意されていたりする。満足度は相当高い。
あとは、エストポリス伝記オリジナル? と思われる要素なのだけれども、RPGでよくある「アイテムや装備を間違って売り払ってしまって取り戻せなくなった」という問題の解決方法が用意されており、流石に捨ててしまった場合はどうしようもないが、売却に限っていえば救済措置がある。
その名は「質流れ島」と呼ばれるところで、ここに行けば、これまで売却したアイテムや装備、全て取り返すことができるようになっているのだ。もちろん販売価格は売却価格より高額になるのは仕方のないところだけれども、割とここの存在がありがたい。
滅多にないけど、ゲーム上金銭的な問題が発生した際、一時的に売却をしてしまって、あとから取り返すと言うことも可能だからである(まぁ難易度はそこまで高くないので金策に困ることほぼないけど)
ストーリーは非常にシンプルかつ王道で、モンスターハンターを生業としていた主人公(1の時代では英雄とされている)が運命に従い、復活した魔王を倒すと言うものなのだけれども、その合間合間で恋愛があったり結婚があったり、壮絶な戦いや別れがあったり…。まぁ王道ではあるが、そのストーリーが圧倒的に感動できる。キャラクターへの感情移入度がすごい。メンバー全員最初から名前固定にも関わらずすごい。
と、いうのも、エストポリス伝記2の最後の戦いって、エストポリス伝記1のオープニングで同じことをするため、すでに展開はわかってしまっているのだ。
1はオープニングで2の主人公たちを操り、ラストダンジョンを攻略してラスボスを倒す。そしてその100年後…と言う舞台設定なのだけれども、2は1のオープニングに至るまでにどんなことがあったのかと言うお話。なので、2は始める前から結末がわかってるゲームでもある。
そして、それは僕が望むハッピーエンドとは言い切れない。最初からそれもわかった上でエストポリス伝記2と言うゲームを始めなければならない。ただ、2のラストは1のオープニングの終わりのその先をさらに描いているので、ただの焼き直しというわけでもない。
1のオープニングですぐわかっちゃうことなので、今更ネタバレもクソもないが、主人公が死んで終わる話は嫌いだ。世界を救うために死ぬ主人公の物語なんて何を感動すればいいのかわからない。
が、エストポリス伝記2に限っては、例外とさせてほしい。こうやって書き出してみると、同じ「主人公が死んで終わる物語」でも、「何に殉じてその尊い命を使うのか」と言う理由で随分印象も変わるもんだなぁと思う。
と、まぁえらい文字数になってしまったのでそろそろまとめに入るのだけど、僕はSFCのRPGで最も愛してる作品はエストポリス伝記2であり、今でもこれからもずっと3の登場を待ちわび続ける者でもある。
一時期、スクエアエニックスからリメイクが発売されたが、そうじゃないんだよー! 僕が求めてるのはそれじゃないんだー! って感じだし、バーチャルコンソールでも存在していないので、実機でなんとかするしかないのが現状だ。
当時の制作チームはとっくに解散し、もうどうなってるのかすら、また一堂に会することはあるのかとか、完全にわからないし可能性も相当薄いのはわかってるのだけれども、3部作なんだしさー! もうちょっとだけ、もうちょっとだけ頑張ってくれよー! って切に願い続けるのであった。
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