L'Arc〜en〜Cielアドベントカレンダー20日目「風の行方」

L'Arc〜en〜Ciel Advent Calendar 2017 20日目。カウントダウン開始だ!

歌詞

アルバム「tierra」収録

かなりの初期作でしかもアルバムのみの曲だが、この曲のために海外で撮影されたPVが作られるなど、かなりの力作となっている模様。
当時はL'Arc〜en〜Cielをアイドルのように売り出そうとしたスタッフとのいろいろがあったようだが、PVでも中性的な出で立ちをした綺麗なhydeを随所で見られるという当時からのファンからすればよだれしか出てこんわ! 的な仕上がりとなっていてなかなか見所が多い。

sell my soulや明日公開予定のTIME SLIPでも同じことが言えるのだが、僕のL'Arc〜en〜Cielの好きな曲として、JPOPやJROCKなどではあまり聞くことのないどことなく悲しげで、異国情緒を思わせるような曲調というのがたまらなく、この風の行方もそんな感じの曲となっている。

歌詞も、一つの物語が形成されており、夢か現実か分からなくなるような浮遊感を思わせる歌詞と曲が合わさってなんとも言えない切ない気持ちにもなってみたりするものだ。

おそらく? ではあるが、風の行方という曲はL'Arc〜en〜Cielの中の数少ない失恋系のラブソングという立ち位置を感じる歌詞となっているのだけれども、これまで紹介した各曲、割と多くで「ラルクの割に珍しい」という感想が多く、自分がそういうものばかり選んでいるのか、それとも、L'Arc〜en〜Cielの曲ってどれもこれもが単体で成立しすぎており「〜に似てる」という曲がほとんどないので、どれもこれもが珍しく感じられてしまうのか。まぁ多様性がめちゃくちゃあるということにしておこう。

考えてみれば、tierraの頃のL'Arc〜en〜Cielって、hyde一人だけではなく、バンド全体を中性的な雰囲気を持つバンドみたいな感じで売り出されそうになってた感があるし、このアルバムも全体的にそういう曲調のものが多い、そしてどちらかといえばダーク系。白の衣装にダークな曲という矛盾する何かを耽美的な印象でまとめ上げようとするコンセプトだったのかなぁと思うこともあれば、それってメンバーが望むものだったのかな? と、色々と複雑な思いを巡らせることになってしまうのだが、それにつけても名曲は揃っている。

全体的にメジャー路線な邦楽の曲ではないという印象のものが多いため、現在リリースされているアルバムの中でも、メジャー1stアルバムという言葉だけでは言い表せない特殊さを持っているとも思えるし、そんな中でも心に残る音楽を作ることに成功したこのバンドの偉大さよ…と思うし、その中でもこの風の行方という曲の持つせつなさと言ったら…!

音源で聴くのも当然よろしいものだが、今でもPVは普通に見ることができるし、やはりL'Arc〜en〜Cielの初期の世界観を楽しむ上ではPVと一緒に聴くというのは一番この曲の良さを味わえていいかもしれない。hydeだけでなく、他のメンバーもめちゃくちゃ耽美な格好をしており、インディーズ時代を彷彿させる懐かしさもあったりとかするので、もし見る機会があればそう言った点も注目してみてもらえるといいかもしれない。

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