四畳半屋根裏-3-

フリーランスとして飯を食うために活動を始めて9年。

いよいよどん詰まり感が酷いことになってきた。

有り体に言えば、現時点における税金対策を中心とした諸経費削減の取組みがほぼ限界値に達したと言う事だ。

今年は税理士さんに依頼して確定申告をしたため、前年比で言えばかなりいい感じになったし、税金的なものは多分心配しなくてもいい。還付金美味しいです。

しかし、ここまで頑張ってなお削減出来ないものがある。

それが保育料だ。

認可の私立保育園の場合、世帯所得に対して保育料が決まる仕組みとなっており、当然上限値はあるものの高所得者ほど保育料も高い。
(実際は所得税から算出なんだけど、ここでは所得と税金の割合が一致してると過程してね。)

逆に言えば所得が少ないとその分保育料も下がるのだが、これが結構えげつない仕組みになっていて、例えばかなり節約とか慎ましくやって行かないと生活自体が成り立たないという場合であれば保育料はかなり下がる。

しかしこの仕組みが実に上手に出来ており、所得水準的に平均値〜平均値よりちょっと上にかけては保育料の加算額の振れ幅が非常に大きいのだ。

例えば、世帯年収200万円未満の家庭の保育料は毎月2万円としよう。

次に200万以上、300万未満の家庭は毎月25000円と仮定してみたとする。

そうなると、大体計算的に300万以上400万未満の世帯の場合は3万〜35000円くらいかな? ってなると思うんだけど、この辺りになると生活水準としてもある程度の位置にいると判断され、いきなり保育料が45000円くらいになったりする。

じゃぁその上になると、年収400万以上、500万未満って計算になるはずなのに、どう言うわけか次の段階は年収400万以上600万未満と言った感じになり、この辺りを所得ラインとして生活してると、その年100万円所得を減らしても翌年の保育料は変わらないのだ。

つまり、年収500万円以上の人が頑張って経費使ったりして400万にしたとしても、保育料は変わらない。単純に手取りが100万円減っただけである。

この恐らく平均的世帯年収の辺りが取りどころの模様で、ここをウロウロしてる限り、100万円程度やりくりしても何の意味もなかったりする悲しさがある。

また、保育園に子どもを通わせる家庭のほとんどが「共働き」であることを考えると、しがないフリーランス個人でどれだけ節税しても、パートナーがそれなりの収入を得てたりすると結局は同じで、ここで「世帯年収」と言うものが響いてきてしまうのだ。

なんだかんだでこの国のシステムは上手にできてるもんだと痛感するが、これでは何のために働いてるのか分からない。

保育園に通わせるのをやめればいいという意見もあろうが、そうなると収入バランス的に厳しく、かといって通わせると収入の多くを持って行かれる。保育園は僕らみたいな家庭にとってはとてつもない程の心強い味方である反面、多くの家庭が抱えてる悩みの一つでもあると言うジレンマを抱えている事をご理解頂きたい。

ここまでが前置き。長かったお疲れ!

で、この手のラインに絶賛滞在中のmasakiさんなわけだけれども、色々と計算してみると、ある一つの可能性が浮上してくることが分かった。

前述の通り、世帯年収で保育料が決まる仕組みのため、共働き夫婦だと大体年収と言うのは一般的な地域の平均値に収まるようになっている。

が、ひとつ、大幅に世帯年収を減らしつつ既存のペースを維持する方法も存在していて、それが「住宅ローン減税」と言えばピンと来る人もいるのではないだろうか。

つまり、これ以上個人の力で生活水準を維持しながら額面上の年収を減らすことは相当難易度が高い。しかし、人生において最も高額な買物さえしてしまえば、当面は様々な点で優遇されることになるという可能性を示唆しているのだ。

嗚呼、そうか。家を、買え。と。

現時点において、これ以上個人で出来ることが本当にないため、買物をするしかないんだけど100万200万の買物ではダメなのだ。この程度の金額だと買えるものが限られてくるくせに、却って生活を苦しくしてしまう。

しかし家なら、ローンを前提に購入するため、賃貸の家賃と据え置きみたいなもんだし、しかし減税措置があるので年収自体を大幅に減少させることが出来るようになる。

なるほど分かった! 家を買えば解決なんだな! ってそんな簡単な話な訳あるかボケ!

大体な、家ってもんはさ、「よーしパパ、たくさんお小遣いを貯金してお金持ちになっちゃったから、このお金でお家を買っちゃうぞー! やったねパパ! 明日はホームランだ!」

とかそう言うノリ考えてるわけ。期待を希望を胸に、新たな生活の場を作ることにきらめきとときめきとメモリアル感じるわけ。

そんな風なありきたりだけど心地いい野心の中で少しずつ芽生えて行くものなわけ。

それがさ、なんつーの? 税金対策? 経費削減? そんなネガティブな理由で買うとか、なんか許せないわけじゃない。そもそもローン組めるかどうかも分からんのに、何もかもが思ってたんと違うってなるじゃない。

そんな感じなんだけどさ、まーいつかは僕も! って言う野心もあるけどさ、なんだか唐突すぎて自分でも現実感ないし、そのいつかは2年後3年後くらいを想像してたから、なんか急激すぎて余計に現実感なくなっちゃったなーって。

そんなこんなで、急に降って涌いた違和感しかない話に戸惑いを覚えながら、ブログよりも長ったらしい文章を書いてしまったことを反省しつつも自分へのセラピーとしてここに残しておこう。


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