第5章 ビジネスデータスチュワードのトレーニング
データスチュワードシップを読み始めたので覚書として残しています。
はじめに
ここまでにデータスチュワードシップの必要性とか準備があり、実際に始めるというところであろう。
しかし、やろうといっていきなり実現できるものでないというのはその通りだと思う。これまでになかった考えを導入するのだから、サポートしながら少しずつ始めるのが良いだろう。
サポートやトレーニングに際して避けるべきポイントとしては以下の記載がある。
誤ったスキルを教える
誤ったスキルレベルで教える
誤ったタイミングで教える
誤った対象に教える
誤った目的に取り込む
ビジネスデータスチュワードをトレーニングするためのカリキュラム
はじめにのところに近い内容の記載があった。たぶん包括的な導入コースと特定のスキル・責任に焦点を当てた短期コースを用意するのがいいのだろう。
そして本書では基本原則が導入コースとして適しているといっている。
記載内容が多いのでここでは省略する。
キービジネスデータエレメントのメタデータ
このメタデータ重要だよね、だからここのトレーニングも重要だよ。という内容。
うん、そうだね
(以上)
データの用途
まさにその通りなんだけど、それを関係者に正しく理解してもらうのが非常に難しい。
関係者の理解をサポートするのに非常に大切なポイントだと考える。
情報の生産者と消費者
生産者: データ入力担当者から経営幹部まで、組織のあらゆるレベルの人々(組織外の人々を含む)
消費者: 分析やビジネスの実行にデータを使用する人(生産者同様に組織外の人も含む)
生産者と消費者のすれ違い原因はデータを資産として扱っていないからとは…
「データを資産として管理しましょう」と言い続けているけど、ほとんど伝わっていないということが今わかってしまった。
だから基本原則を包括的な導入コースとするのがいいということかっ!
このトレーニングの準備を後回しにしてたけど急いだほうがよさそう。
SIPOCによるデータの用途の把握
ここでSIPOC分析が出てくるのかぁ。
確かにSIPOC分析を使えばインフォメーションチェーン全体で、データ供給とプロセスの出力が企業ニーズを満たしているか見られる気はする。やろうとしたことがないので、試しに実施してみる(やれたらまた報告します)
社内でSIPOC分析を知らない人がいたので簡単に書いておく。
SIPOCモデルでは、情報連鎖の各ステップを、プロセスへの入力として情報を提供する要素と、プロセスからの出力が提供される顧客という要素に分解して考える(顧客は、次のプロセスのサプライヤーになることもある)
このようにデータの流れを分析することで、チェーン内のすべての顧客のニーズを理解し、データの供給とプロセスの出力がすべての企業のニーズを満たしているかどうかを分析すること。
SIPOCモデルの構成要素
サプライヤー: データの提供者
入力: プロセスで使用されるデータ
プロセス: データに対して行われる処理
出力: プロセスから生成されるデータ
顧客: データの利用者
データスチュワードシッププロセスの概要
プロセスの詳細自体は第6章で記載されてるっぽい。
たぶん基本原則の一例として伝えるべき内容と理解。
商売道具となるツール
商売道具と言っているが、トレーニングに役立つモノの紹介。
データスチュワードシップのウェブサイト:
他のツールを結び付ける重要な要素であり、データガバナンスとデータスチュワードシップに関連するすべてのものの参照として機能データガバナンス Wiki:
データガバナンスとデータスチュワードシップには、一般の人々には馴染みのない専門用語、フォーム、プロセスが多くあるため、これらを文書化する場ビジネス用語集:
データスチュワードシップの重要な成果物。キービジネスデータエレメントのリストと、他の重要なメタデータ、定義、導出方法、およびすべてのビジネスルールへのリンクなど、ビジネスメタデータのドキュメント類が含まれるメタデータリポジトリ:
ビジネス用語集に保存されているビジネスデータ要素と物理データとの間を接続。
IT部門の役割
コラムの一つとして記載されているが、重要と思ったので残しておく。
メタデータリポジトリやビジネス用語集などのツールのサポートは、通常IT部門が担当(サーバーの購入、インストール、ソフトウェアのライセンス、インストール、メンテナンス、基盤となるデータベース/リポジトリの問題へのタイムリーな対応など)
しかし、これらのタスクはテクニカルデータスチュワードの役割ではない。これらのタスクの一部は開発者が担当し、その他のタスクはシステムメンテナンスとDBAが担当する。
データ品質改善のためのトレーニング
個別に品質改善のトレーニングを書くほどにはデータ品質がビジネスデータスチュワードにとって特別ということは理解した。
まだこのレベルまで持ってこれてないので、データ品質に関するフレームワークなどをトレーニングプログラムに入れたほうが良いというところまでを覚えるにとどめておくこととする。
所感
生産者と消費者のところは意識しているつもりだったが、まだ不十分かもしれないという気付きを得られた。
この章で記載されている内容を実施するレベルまで持ってくるのに、まずは基本原則を理解させる必要などがあると考える。包括的な導入トレーニングの検討を進めることとする。