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銀河フェニックス物語<出会い編> 第四十二話(6) 同級生が言うことには

フローラの身代わりと言われたティリーはいたたまれず席を立った。
第一話のスタート版 
第四十二話(1)(2)(3)(4)(5

* *

「ティ、ティリーさんっ、待って」
 あわてて立ち上がろうとしたオレの手をレイターがつかんだ。
「追いかけなくていい」
 振り切れないほどの強い力だった。こいつ指をけがしてるくせに、オレはピクリとも動かせない。

ポーズゆるシャツむ逆

 悪いのはレイターだ。ティリーさんのことを「フローラの身代わりだ」なんて言い出した。
 けど、ティリーさんの発言も暴力的だった。「天国のフローラには絶対会えない」って、言葉で殴りつけていた。

 レイターは裏番時代も悪いことをいろいろやってた。これまでに何人も殺してるってこともフローラから聞いた。
 天国に行く、ってキャラじゃないけれど。
 違和感のある暴言。

「たとえ死んで追いかけたって」って、ティリーさんは、レイターがフローラの後追い自殺をしようとしたことを知ってるんだ。

 それだけじゃない。ティリーさんは、何かを知ってる。オレの知らないレイターの秘密を。

 オレは、昔、この部屋でフローラと向かい合った時のことを思い出した
「あなたに話せないことをレイターはたくさん抱えている。でも、信じてあげて。そして、助けてあげて欲しいの。ずっと、ずっと…」 

フローラとロッキー

 フローラの迫力に押されながらオレは言った。
「あ、ああ。約束するよ」って。
 あの時にはフローラは知っていたんだ。自分の命が長くないってことを。だから、こういう時にレイターを助けろって言い残したんだ。

 だけど、おい、フローラ、オレは約束をどうやって果たせばいいんだ?
 相変わらず秘密主義のレイターは、オレには何にも話さないんだぜ。歪んだ心を一人で抱えこんでやがる。
 オレにできることって何なんだよ?


「レイター、あんた、何をしたんだい!」

バブ後ろ目口開け怒り

 バブさんが血相を変えて部屋に入ってきた。

「ティリーさんが、泣きながら帰っちゃったよ」
「何でもねぇ」
「何でもないわけないだろ!」
「何でもねぇ、っつったら何でもねぇんだよ!」
 レイターの剣幕にバブさんは驚き
「全くあんたって子は…」
 とぶつぶつ言いながら出て行った。


「レイターお前、どうしちゃったんだよ。変だぞ」
「どうもしねぇよ」

 静かな声だった。顔に表情がない。前にも見たことがある。あいつのこういう顔。
 そう、フローラが死んだあと。

壁ぎわバックなし

 誰も寄せ付けない。一人の世界に入り込んでいる時の顔だ。

 とにかくこっちの世界へ連れ戻さなくちゃ。
「なあ、お前どうしてティリーさんのことフローラの身代わりだなんて言ったんだよ。お前は二人が似てる、って思ってないんだろ?」

 レイターは苦しそうな顔をして答えた。
「ずっと似てないと思ってたさ。けど、この部屋で、あんたとティリーさんと三人で話をしていたら、急にフローラの事が頭に浮かんできた。楽しかったあの頃が再現されてるようだった…」

フローラとティリーワンピ

 オレはゴクリとつばを飲み込んだ。
 オレもさっき、おんなじことを考えた。

「その時、初めて気づいたんだ。もしかしたら、他の人が言うように、ティリーさんとフローラは似てるんじゃねぇかって、俺は、無意識のうちにフローラの影をティリーさんに重ねていたってことさ。だから、正直にティリーさんに伝えたんだ。とにかく、俺はティリーさんとも、誰ともつきあう気はねぇ。フローラのこと忘れて、俺だけ幸せになるわけにはいかねぇだろが」

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 こいつ、今、自分の言ったことの意味、わかってるんだろうか? 
 ティリーさんと付き合えば、自分は幸せになると言ったも同然だぞ。 (7)へ続く

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48ノ月(ヨハノツキ)
ティリー「サポートしていただけたらうれしいです」 レイター「船を維持するにゃ、カネがかかるんだよな」 ティリー「フェニックス号のためじゃないです。この世界を維持するためです」 レイター「なんか、すげぇな……」

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