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銀河フェニックス物語 <ハイスクール編> 第一話(4) 転校生は将軍家?!

銀河フェニックス物語【出会い編】スタート版
・ハイスクール編: 第一話(1)(2)(3
ハイスクール編 マガジン

「このチビ!」
 キーレンの手下が木刀でレイターに襲いかかった。

 レイターが、すっとかわしながら蹴りを入れる。
「チビっつうな」 
 手下は地面に倒れたまま動かなくなった。

 オレは少しずつ後ろへ下がった。

少年ロッキー横顔後ろ目 口一文字

 悪いが、オレには一緒に戦うだけの能力はない。逃げないのが精一杯の抵抗だ。

 ほかの連中も武器を使って、次々と攻撃を仕掛ける。
  
 チビだし素手だし、どう見ても、よってたかってレイターをいじめているようにしか見えないんだけれど、あいつの動き、普通じゃない。カンフー映画みたいだ。

 相手の動きを見切ってる、っていうのか、一人、また一人と倒れていく。

 キーレンがあせってる。
 ナイフを取り出して、レイターの背後から狙うのが見えた。

 オレは叫んだ。
「レイター、後ろ!」

 レイターは振り向きざまに、キーレンの手首をつかんで捻った。

 あいつ、身体が柔らかい。自分の頭より上に足が上がる。
 そのまま、キーレンの顔面に蹴りを入れる。

n41トレス

 一瞬の出来事。

 キーレンが鼻血を出して倒れた。
 そのままキーレンの腕をねじあげて背中の上で踏みつけると、レイターはキーレンの首筋に取り上げたナイフをあてた。
 レーザーナイフだ。

 キーレンのうなじあたりの毛が、じりじりと焦げて煙があがる。

「苦しんで死ぬのと、苦しまないで死ぬのとどっちがいい?」

16振り向きシャツネクタイ前目まじめ

 抑揚のないレイターの言葉に、その場にいた全員が凍り付いた。

 こいつ、何の迷いもなく平気で人を殺せるんじゃないか。
 そう思わせる空気がそこにあった。

「や、やめろレイター」
 オレはかろうじて声を出した。

「あん? ロッキー。俺はただ質問してるだけだぜ」
 口調はやわらかかったが、緊張感は溶けない。

 レイターはレーザーナイフを手のひらの上でくるくると回した。

 一体、どうやってキーレンの身体を押さえつけているのだろう。体重はキーレンの半分ぐらいにしか見えないのに。

「じゃあ、次の質問。キーレン、あんた『番』を俺に譲る気あるか?」
「ゆ、譲る」
 キーレンが絞り出すようにして答えた。

 あのキーレンが、ライオンに捕まった小動物のようだった。どうあがいても勝てない。格の違いが周りにいる全員にも伝わる。
「譲るって言われても、いらねぇんだけどさ」

 おいおい、言ってる意味がわかんないぞ。
 レイターは押さえつけたままキーレンのポケットをまさぐると、レーザーナイフの鞘を抜き取った。
「ま、譲られてやるよ。その代わり、意味のねぇ喧嘩はするな。このナイフは証文の代わりにもらっとく」
「わ、わかった」
「わかりゃいいんだ」
 レイターは立ち上がった。

「あと、手下を殴るな」
 転がっているキーレンのわき腹を軽く蹴ると、レイターはオレたちを呼びにきた奴をチラリと見た。
 キーレンに殴られたら俺に言え、って目で言っていた。

 レイターは『番はいらねぇ』って言いながら、完全にキーレンの裏番におさまった。
「さってと、行こうぜロッキー」
「あ、ああ」
 オレたちは裏山を後にした。     (5)へ続く

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48ノ月(ヨハノツキ)
ティリー「サポートしていただけたらうれしいです」 レイター「船を維持するにゃ、カネがかかるんだよな」 ティリー「フェニックス号のためじゃないです。この世界を維持するためです」 レイター「なんか、すげぇな……」