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銀河フェニックス物語Ⅰ【少年編】

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レイターとアーサーが十二歳から十五歳まで乗っていた、戦艦アレキサンドリア号での物語。
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#毎日連載

銀河フェニックス物語 総目次

イラスト付き縦スク小説『銀河フェニックス物語』の内容が一目でわかる目次を作ってみました。 <出会い編>第一話「永世中立星の叛乱」記念すべき第一話。新入社員のティリーが「厄病神」のレイターの船で初めての出張に出かけますが、革命規模の大規模デモに巻き込まれて…… <出会い編>第二話「緑の星の闇の向こうに」第一話の一週間後のお話。同期の代わりに出張へ出かけたティリーは、今度は環境テロに巻き込まれます <出会い編>第三話「レースを観るならココ!と言われて」宇宙船レースを観るのが

銀河フェニックス物語<少年編> 自由自在に宙を飛ぶ(9)

会社を首になり、有罪判決が出たハミルトンの周りには誰もいなくなった。 ・銀河フェニックス物語 総目次 ・【自由自在に宙を飛ぶ】(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)  そんな俺のもとへ「ニュースを見た」と訪ねてきたのが、アレック・リーバだった。  昔から、少し風変わりな奴だ。  俺が航空大学、あいつが士官大学の学生だった時、操縦セミナーで一緒になった。  船の操縦はそこそこだが、何より勘が鋭かった。 「お前には戦闘機乗りの才能がある」  とアレックは言った。

銀河フェニックス物語<少年編> 自由自在に宙を飛ぶ(10)

ハミルトンは息子のように感じてしまうレイターから距離を置くようにしてきた。 ・銀河フェニックス物語 総目次 ・【自由自在に宙を飛ぶ】(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)(9)  だが、今日の言葉は俺には強烈すぎた。 「俺はあんたを尊敬してるんだ」  レイターの子どものような高い声が身体中に染み渡る。俺がずっと欲していた言葉だった。 「お前が俺の息子だったら…」  見せないように封じ込めてきた思いが、幸福感に押し出され言葉になって噴き出した。  レイターが俺

銀河フェニックス物語<少年編> 自由自在に宙を飛ぶ(11)

戦艦アレクサンドリア号に帰還したレイターは「ハミルトンがハゲタカ大尉を撃墜した」と泣きながら報告した。 ・銀河フェニックス物語 総目次 ・【自由自在に宙を飛ぶ】(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)(9)(10)  ハゲタカ大尉がレイターを激しく攻め立てる。  超ハイスピードで乱れ飛ぶレーザー弾とミサイル。  それをレイターは的確にかわしていく。まるで弾道が事前にわかっているようだ。  音声はない。だが、「なぜ当たらない?」と焦るハゲタカ大尉の声が聞こえる気がする