銀河フェニックス物語<少年編> 第十五話(29)量産型ひまわりの七日間
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アレック艦長の前にレイターを突き出し、動画を再生する。腕から通信機を外す時間ももったいない。
ここに記された鮫ノ口暗黒星雲の座標点こそ、星間物質の観測機設置場所だ。艦長は頭の回転が速い。すぐに状況を理解した。
「秘匿の緊急通信を使え」
「はい」
艦長室からフチチ駐留連邦軍のクナ中将とハヤタマ殿下にホットラインで直接連絡を入れる。
「今、送信した三十の座標点へすぐ向かってください。観測機を発見次第、回収を願います」
フチチ軍と連邦軍の方面本部が共同で鮫ノ口暗黒星