緑の森の闇の向こうに 第6話【創作大賞2024】
もう少しで大通りに出るというところだった。前から怪しげな三人組が近づいてきた。
「やべぇな」
レイターがつぶやいた。厄病神が「やばい」というのはどれほど大変なことなのか。バタバタと背後から複数の足音が聞こえた。
気付くと七~八人の男たちに取り囲まれていた。これは『厄病神』の発動だ。
前から歩いてきた男が声を発した。夜なのにサングラスをかけていて顔はよく見えないけれど声は若い。
「クロノスの社員だな。おとなしくついてこい!」
リーダーとおぼしき彼の右手がわたしたち