銀河フェニックス物語<少年編>第十四話 暗黒星雲の観艦式(8)
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去年のことだ。田舎のパイロット養成学校へ通っていたコルバは連邦軍からスカウトされた。正確に言うとたまたま学校を訪問していたアレック・リーバ艦長に「俺の艦に乗らないか」と一本釣りされたのだ。
「ぼ、僕でよろしいのでしょうか?」
「不満か?」
「と、とんでもないです。どうして僕なのかと」
「俺の勘だ」
コルバは子どもの頃から定期航路のパイロットに憧れていた。シングルマザーの母親は「手に職を持つことは大事だよ」と息子の夢を応援し、養成学校への入学資金を懸命に貯め