緑の森の闇の向こうに 第2話【創作大賞2024】
フェニックス号のリビングに厄病神はいた。相変わらず髪はボサボサ、第二ボタンまでネクタイを緩めただらしない格好をしている。
「よ、ティリーさん。休み返上なんだって? また一緒にお仕事できるたぁうれしいねぇ。これも運命の赤い糸だぜ」
赤い糸なんて真っ平だ。先週、あんな大変な目にあったというのに、この人の記憶はどうなっているのだろう。
「あなた、怪我は大丈夫なの?」
「あん? 怪我? 何のことかなぁ?」
へらへらと笑う様子を見ていると、心配した自分がバカみたいな気持ちになっ