【世界はどこへ向かうのか?①】
VUCAのご時世なのでアート思考の未来妄想に花を咲かせてみるのもたまにはいいでしょう。
20年後の世界がどうなるか?
例えば20年前の人に20年後にはほとんどの人が電話機で電車に乗る様になる。。
なんていったら頭がどうかしていると思われたでしょう。ところが今は切符を買って乗車する人の方が少なくなり、時計(スマートウォッチ)や電話(スマホ)で電車に乗るのが当たり前になっています。それくらい生活が変わっています。
未来を見る時、今ある物事の延長線に未来があるという考え方に基づく未来予想は容易な様に思えますが、テクノロジーの進歩は上記の電話の話の様に直線的な変化ではなく、飛躍的に何か別の物が結びついて今までにない新しい生活や価値が生まれてきます。電話と電車の関係がが当たり前になってはじめてイノベーションと呼べるのです。テクノロジーは加速度的に変化していますから、今の非常識が常識になるような飛躍的な生活変容はどんどん起きています。それだけに、未来を予想するのは難しくなってきています。
未来を妄想する為に、まずは今起きている事を見てみましょう。きっとそこにヒントはあります。偏見や既成概念をなくして好奇心をもって足元に目を向けてみましょう。
例えば生活の多くをゲームやSNSに費やしている子ども達です。米国の12歳以下の子供の2人に1人はオンラインゲームプラットフォーム「Roblox」と呼ばれる仮想空間で遊んでいます。
この子たちの20年後、彼らの行動領域はさらにデジタル空間に拡張されていくのは容易に想像がつきます。
「うちの子はゲームやSNSばっかり、、、」と否定的に思うのは、40代以上の世代が子どもの頃プラモデルやラジコンにハマっている時、最近の子はなぜ竹馬とか作らないんだ、、、と嘆いているのと同じことです。実際、私自身、小学校から中学にかけてラジコンやガンプラにハマってその中でオリジナルな要素を工夫することから今の創造性が生まれている気がします。
子供達はゲームの中でデジタルなUX・UIに触れ、リアル世界にはない次世代のライフスタイルやコミュニケーションを学んでいます。この時、彼らはデジタルデバイスとの関係性、操作性、そしてコミュニケーションなどリアルワールドにない新しいツールとルールに馴染んでいくわけです。ここで身に付くリテラシーは学校や部活では教えてくれませんが、今後必須なスキルになっていくのは間違いないでしょう。勉強することやスポーツする事に親は何も言いませんが、ゲームやSNSには遊んでばかりといいますが、実は、これからは学校で教えられること以上に必要なスキルであることは間違いありません。学校ではいまだに竹馬の作り方を教えている様なものです。
数年後にはマウスもキーボードも無くなってデバイスと人との関係も変わるはずです。そこまでの流れを彼らは体感し、新しいテクノロジーとの関係を築き始めていて、そこに経済が移行している訳ですから、それを遊び=無駄な時間と考えるのはどうなんでしょう?
自分自身で言えば、投稿はしないもののTikTokは毎日30分くらいは眺めて、オンラインゲームの「荒野行動」は最低2日で1時間はやっています。単にハマるだけでなく、そこでの流行やコミュニケーションのあり方を見ていることが、未来へのヒントにつながってきます。子供の好奇心を持てばその先が見えてくるはずです。