教育の平等を目指して
このnoteは2020年8月23日に開催した”SDGsリレー生配信”のレポート記事です!10時間の配信中に行われた 10個の企画。
ライターの方々が感想を交えながら1つ1つ振り返ってくださいます!
何を学び、何を感じたのか。
みなさんもぜひ、あなたにとってのSDGsを思い浮かべながらご覧ください!
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こんにちは! SDGsリレー生配信ライターのボエです。
学生団体ivoteさんによる企画のテーマは、ズバリ「教育格差について考えよう」です! 教育格差の要因や現状について理解を深めながら、議論を進めました。
学生団体ivoteとは
学生団体ivoteさんは、「若者と政治のキョリを近づける」をモットーに、政治的中立な立場から選挙啓蒙活動等の政治的発信を行う学生団体で、現役高校生・大学生によって構成されています。
まず初めに、スピーカーの清水さんと槇原さんによる自己紹介があり、その後zoom参加者全員がチャットで自己紹介を行いました。
空気がほぐれてきたところで、いざ、本題に移りましょう!
生配信リレーで教育格差を取り上げる理由
まず初めに、少しおさらいです。 SDGsは、「経済」「社会」「環境」の3要素が調和した状態をつくり出すために、17の目標(ゴール)と、ゴールそれぞれに設定された全169のターゲット(解決すべき課題)から構成されています。
そして本企画のテーマである教育格差はSDGs内の
4.質の高い教育をみんなに
16.平和と公正をすべての人に
この2つのどちらにも深く関係しているため、今回のSDGs生配信リレーで掘り下げて議論していきます。
教育格差って何だろう
教育格差とは、それぞれの人が生育した性別、環境等の条件によって受けられる教育に格差が生まれることを指します。実際に、世帯年収が低い世帯よりも高い家庭の方が学力が総じて高いという事例は数多く見られます。
では、一体なぜ教育格差は問題なのでしょうか。 そもそも、私たちが生まれる環境や性別は選ぶことは出来ません。 そのため、教育における地域間格差や性別による格差は、本人の努力でどうにかするということが非常に困難です。 また、厚生労働省の統計からも分かるように、最終学歴と生涯年収の相関性は非常に高く、「学歴なんて関係ない!」とは言い切れないのが日本社会の現状です。この格差は世代を超えて連鎖するものであり、負のスパイラルを抜け出すことも非常に困難です。 さて、教育格差について大まかに理解したところで、早速チャットで意見交換をしていきます!
【意見をシェアしよう!】教育格差を実際に感じたことはありますか?
おっ、続々とコメントが来ますねえ…大盛り上がりです。
「電子辞書を買ってもらえなかったときとか?」
「予備校に行ける人と行けない人、私立に入れる人と公立しか目指させてもらえない人。」
「進学時に学費を気にしちゃう…。」
「受験料を気にして、受ける学校を絞らなきゃいけなかったり。」
「偏差値の高い大学の受験会場で、男の人の数の方が圧倒的に多かった!」
なるほど、すごくリアルな意見ばかりだ。よくよく思い返してみると、アレもコレも、教育格差と言えるのかもしれない…。教育格差って、こんなにも身近に存在していたのか。
教育格差の要因
ではなぜ、教育格差が起きてしまうのか。これには大きく分けて3つの要因が存在します。
①文化資本...学歴や文化的素養
②社会資本...周囲の人間からの影響
③経済資本...自由に使える資産=お金
また、これだけでなく性別や地域といった要素も教育格差を生み出す要因となっています。
①文化資本
文化資本に内在する3つの要素を解説します。
(a)客体化された文化資本
家に本がたくさんあったり、ピアノがあったり…つまり、各家庭における教養がつけられそうな文化資本の有無が、教育格差に大きく繋がります。統計からも読書の量が多い子供ほど国語算数理科社会の偏差値が上昇する傾向があることが明らかになっています。
(b)身体化された文化資本 親が「勉強なんてする必要ないよ!」という家庭で育ってしまったら、子供もそのような思考になることはごく自然なことですよね。このように、文化や伝統に触れて後天的に身につけたり、親から自動的に継承されたりする人格や思考方法は、他人に譲渡することが出来ないためその格差を簡単には埋められないのです。
(c)制度化された文化資本
親の職業階級が高い家庭で育った子供は、「親の階級を維持しよう」という目標を持つことが多く、それがダイレクトに進学意欲や学歴につながります。(「お父さんが東大卒だから、私も東大に受からなきゃ」「お母さんがお医者さんだから、私も医学部へ行きたい」など。)
②社会資本
社会資本とは、人間関係が生み出す力のことを指します。文化・経済資本から独立した学力との相関性があり、経済資本が乏しい学生ほど、社会資本の学力への効果が高まる傾向にあります。また、社会資本は親の経済資本との相関性は低いといいます。 しかしながら「人間関係が生み出す力」を数値化することは難しく、まだ決定的な測定尺度が存在しないため、社会資本は明らかになっていない争点であると言えます。
③経済資本
経済資本格差は、経済的な理由で塾や習い事を諦めざるを得ない家庭が多くあったり、経済資本が優れていないと私立大学に行けなかったりする状況を指します。実際に世帯年収が高い家庭ほど塾や習い事といった学校外活動費用にお金をかけることができるという統計も多く見られます。
また分かりやすい例では、年収950万円以上の世帯が一般では23%なのに対して、東大生ではなんと57%を占めています。
これはびっくり…でも、何となく納得いきますよね。
もちろん例外も存在しますが、経済資本に優れている家庭ほど学力も高いという結果は間違いないと言えるでしょう。
また、ivoteの清水さんが、経済資本格差を是正するための日本政府の取り組みも丁寧に紹介してくれました。
☆10月からの幼児保育無償化
☆私立高授業料実質無償化
☆高等教育無償化
このように、世帯年収の低い家庭ほど、より教育を充実させるような政策が提案されています。これらについても詳しく解説したいところですが、ここではスキップさせて頂きます。気になる人は是非ご自身で調べてみてください。
教育格差の要因について理解したところで、ディスカッションタイム〜!
2つの議題について話し合い考えを深めることが出来たので、皆さんの意見を一部抜粋してご紹介します。
議論①経済格差による教育格差はなくすべきか
経済格差が生じてしまうことは、仕方ないと言える部分もありますが、そこから生じる教育格差はどのように捉えるべきでしょうか。
理想としては全員に等しいチャンスを与えるべきだ
経済格差は当然生じる物だと思いますが、それは教育格差を放置していい理由にはならないと思います。
経済力の違いによる教育格差は無くすべきだと思いますが、教育内容を同じにするというよりも、受けたい教育へのアクセシビリティを同じにすることが大事だと思います。(例えば専門学校に行きたい人とか、幅広く知識を付けたい人などが色々いるので)
議題②教育格差をなくすためにはどうすればよいか
教育格差を是正するために、具体的にどのような行動・政策が有効なのか話し合いました。
経済格差は個人ではどうにも出来ない部分がどうしてもあると思うので、ある程度の政府の介入は必要だと思います
「自己責任」って考えは違うよね…
「奨学金の充実!」「奨学金も借金だからなあ」「給付型の奨学金が増えるといいですね」
選択肢を増やすために、別のアクターが教育をアクセスしてもらえるようなサービスを増やしていくのも大事だと思う。
時間が足りなくなるくらい、白熱したディスカッションでした。
感想をシェアしよう
最後に、参加者の皆さんがチャットでシェアしてくれた感想を一部抜粋してご紹介します。
教育の選択肢が多様化するだけで、すごく多くの人が生きやすくなりますよね。
教育を受けることは権利という感覚を広めていくこと。権利を持っているという感覚を高めることは重要だと思います。
教育格差って、実際に十分な教育を受けている子供たちはあまり感じてない・仕方ないと思っている部分があると思うので、周りの大人や行政がしっかり意識しないといけないなと思いました。
いやあ、面白かった!
1時間あっという間でした。本当に。
政治の話って、難しくて取っ付きにくいと思っていましたが、今回の企画では頭をフル回転させつつも楽しんで議論に参加することができました。
学生団体ivoteさんの企画を通して、教育格差は身近なところで起こっていて、現状この問題により苦しい思いをしている人がたくさんいるということを実感しました。しかし、周りを見渡してみると、教育格差の深刻さに全く気付いていない(または見て見ぬふりをしている)人が多いような気がします。
「教育」と聞くと、個人が取り組むには手に余ると感じてしまうかもしれません。しかし重要なのは個人の意識改革と日々の行動の積み重ね。私でも出来ること、たくさんあるかもしれない!まずは教育格差の現状についてもっと知ること、次に自分にできる行動を考えること、そしてそれを発信して次世代へ受け継ぐこと。
やれるぞ、なんだかわくわくしてきた~!
[おまけ] 全員、立派なスピーカー。「イイね~!!」
ivoteさんは、オンラインイベントで全員が気持ちよく意見を発信することが出来るように、ある文化を大切にしているそうです。それはズバリ、誰かが発言した後には必ず「いいね」を送り合うというものです。
私自身、このようなオンラインイベントに参加した経験がほとんど無かったため、ディスカッションが始まったときは「自分の意見を聞いてもらえなかったらどうしよう」「なんだか言いづらいな~ 周りの人たちみんな凄そうだし…」と、正直かなり不安な気持ちでした。しかし、誰かが発言した後にはみんなが必ずいいね!と言ってくれることで、勇気を出して発言することが出来ました。全員が積極的に議論に参加するために、発言しやすい雰囲気を作るための工夫の重要性を感じました。この文化、素晴らしい!
学生団体ivote スピーカーの清水さん、槇原さん、素晴らしい企画を本当にありがとうございました。
そして拙い文章でしたが、最後までお付き合い頂きありがとうございました。ボエでした〜!
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こちらは 配信の時のお写真✨即席制作のivoteポーズでの1枚です(笑)
みなさんいかがだったでしょうか?
この記事を読んで、SDGsを考える時間がほんのちょっとでも増えたり、何かみなさんのアクションに繋がれば嬉しいです(^^)
ivoteさんって普段どんな活動してるんだろ〜?
もっと知りたい!
という方は ぜひぜひ こちらのHPからチェックしてみてください!
今回この記事を書いてくださったのは......
武蔵大学 英語英米文化学科2年の、ぼえさんでした!
本当にありがとうございました!
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