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聞くように “仕向ける” 音作り

宅録の盛り上がりもあってか、「整音」という言葉を知っている人が目立つようになったと感じる今日このごろ。で、「聞きやすさは大事だけど、それだけで良いの?」というのが、今回のテーマです。

ただ聞きやすくするだけの整音なら、ある程度トレーニングすればできるようになりますし、AI に任せられるようにもなってきました。ところが、「白か黒か」みたいな仕上がりが多い気がするんですよね。グレーがない。

じゃ、グレーってどういうことかと言いますと……

例えばインタビューだったら、聞き手の側は正統に聞きやすく仕上げる。でも主役は、ちょっと聞き取りづらいくらいのレベル(音量)からスタートするんです。聞き手の声よりマイナス3dBくらい?

するとどうなるか……

耳が「聞きに行く」んです。見えそうで見えなかったりすると余計気になったりしませんか? それと同じことですよね。

で、徐々に緊張もとけてノッてくる。それにしたがってインタビュアーと同等の音量に近づけていくわけです。

「ボリュームで聞かせる」のではなく「意識に訴えて聞かせる」……こんな手法もあったりします。なんだか、『北風と太陽』に似てますね。

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