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【25日目】禁断のヒッチハイク ※プエルトベルトランド〜コクラン

【アウストラル街道単発自転車旅日記㉖】

2024年11月1日 走行日のみ→16日目
天気→曇り時々雨 気温 最低3度 最高10度

■プエルト・ベルトランド〜コクラン 48km
10時〜12時半 ※3kmくらい自転車押し 残りヒッチハイク

11月1日走行ルート

大学生の時に鹿児島から北海道まで往復ヒッチハイクした時以来のヒッチハイクです。

あんまりこの旅(バックパッカー時も含めて)でヒッチハイクしたくなかったのですが、今のチャリンコを漕ぐ訳にもいかないのでやるしかないでしょう。※ヒッチハイクって精神的にくるものがあるんですよね。

これはこれで旅の一つと思うと悪くないかも。

天気が不安なスタート

昨日の段階で「コクランまでヒッチハイクで行ってチャリンコを治す」と決めていたので、今日はゆっくりスタートです。

10時発といつもとあまり変わりませんが…

一応天気予報では雨でしたが、まだ降っていないようだったので本降りになる前に車を見つけたいと思い出発しました。

と、いってもとりあえず歩きながら車が来たら手を上げるスタイルで行きます。

開始早々長い急勾配の下りでズッコケる。

1時間くらい歩いてしまった。

最初は割と晴れていたかつ、登り坂スタートだったのでついつい自分で押して登ってしまいました。

本当についいつもの癖で登りを押しあがってました。習慣とは怖いものです。

プエルト・ベルトランドはラフティングで有名。その港?

プエルト・ベルトランドからコクランまでは一本道なので、おそらくどこでヒッチハイクをしてもコクランに行く人は通るのですが、なんだか全く自分の力で進んでないのも変な気がしてとりあえず押していきます。(無意味ですが、僕は真面目な男なので。そうです、真面目なんですよ。)

街の出口の看板。どっかにマックあるのかと一瞬思ってしまった自分が可愛い。

坂を登った後は、時折後ろから来る車に手を上げてみて断られるというのを繰り返して、多分1時間くらい歩いたと思います。

距離にしては3kmくらい歩いたところで雨が降ってきたので、側道の木で雨宿りしながら車を捕まえることにしました。

思ったほど捕まらない

僕は学生時代、鹿児島から北海道までヒッチハイクで往復した経験があって「日本も海外も変わらないだろ」と余裕に構えてました。

しかも、ここはヒッチハイク旅も有名なアウストラル街道です。

多分、秒で捕まるだろうなと思っていました。

でもですね、意外と捕まらない…

というより、車通りもそこまで多くなく停まってくれても「近場の絶景ポイントまでしか行かない」とか「荷物が乗ってて」とかでなかなか乗せてもらえません。

林道からな眺めがきれ綺麗

一台家族連れで荷台があるトラックが停まってくれた時、「おう、乗せてやるよ!!ちょっと前に行くから着いてきな」と言われた気がしてチャリンコを車が前に行くのに合わせて勢いよく押して行ったらそのまま走り去っていかれました。

(スペイン語だからなんて言っているのか理解できてなかった…)

ナイスな夫婦のおかげで

そんなこんなで、雨に濡れながら割と車が捕まらない時間を1時間くらい過ごします。

車が通らず暇で自転車の撮影してた

そして、遂に一台の車が快く乗せてくれました。

チリ人の「クリスティアンとリィ」という夫婦で、日本にも旅行に行ったことがる歯医者さんでした。

英語のレベルも僕と同じくらいで、逆にコミュニケーションが取りやすく楽しかったです。

この夫婦はコクランまでは行かず、10km先の観光スポットに行くだけだったのでそこで下ろしてもらうことに。

ただ、この人たちめちゃくちゃ優しくて、10km先のスポットで僕を下ろしたあと次に乗せてくれる車まで一緒に声を掛けて見つけてくれたんです。

コクラン行き来の車を見つけてくれた

その車でコクランまでひとっ飛びです。

禁断のヒッチハイク

ここからコクランまで40km弱を1時間もしないくらい乗ってたんですが、とても不思議な感情になりました。

この道は結構激し目なアップダウンが続く道で、いつも自転車に乗って走っていることを考えると「なんて楽なんだ…」と少し笑みが溢れます。

それと同時に、目の前に広がっているはずの景色がいつもより若干輝いて見えないんですね。

これはなんででしょうか。車であれば一瞬で通り過ぎるからでしょうか。

それとも車の窓ガラスがよごれているのでしょうか。

※ちなみにこの道もめちゃくちゃ景色よかったです。昨日とはまた違って良い。

自転車だとキツすぎて周りの景色を見る余裕が無い時もあります。

それでも、なぜか自転車でこの道を「ゼェゼェ」とか「ハァハァ」とか「この野郎!!」とか「もう登りはええやろ…」とか言っている方が、なんか「楽しそうだなぁ」と思ってしまう自分もいました。

というより、「この坂はやべえな」「でも、登り切ったらこんな下りが来るのか気持ちいいだろうな」とか、自転車に置き換えてる自分がいたんですね。

困りました。僕はいつからこんなドM挑戦欲が増えてしまったのでしょう。

まだ、所詮1ヶ月にも満たないチャリンコ旅でこんな事を言うのもあれですが、僅かながら僕もチャリンコ旅の楽しさをアウストラル街道終盤で感じていたのかもしません。 

(でも車ってさ。砂埃も浴びないし、チャリンコで7時間くらい掛かりそうな道を1時間で行くのよ。最高すぎるのよ。快適なのよ。)

まぁ、あれですね。ヒッチハイクはまさにいろんな意味で禁断でした。

すれ違うチャリダーに申し訳無い

車に乗りながら3人くらいのチャリダーの横を通っていったのですが、なんだか「とても申し訳無い気持ち」になってしまう自分もいました。

まぁ、彼らにとって僕が車で峠を越えていることなんてどうでも良いことなんですが日本人的な感覚なのでしょうか。

それとも、本来登っているはずの自分を重ね合わせて申し訳なくなっているのか。

分かりません。

とりあえず、ズル休みをしているような不思議な感覚に包まれます。

でも、ズル休みはそれでそれで気持ちよかったりもするので何と言っていいのやら。

とにかく、「すまぬ…」と心で唱えながらすれ違っていきました。

コクランしょぼそうだ…

コクランの看板

僕をコクランまで運んでくれたおじいちゃんアミーゴもなかなか良い人で、コクランに着いたあと3軒ほど自転車修理屋らしきところを回ってくれました。※スペイン語しかしゃべれないので言葉は通じない。

ですが、どこも「ここじゃない」と行ってたらい回しにされ結局見つからずじまいです。

最後「ここで待ってて。この店が空いたら自転車修理してくれるはず。俺はいくよ。」と降ろされた場所はなぜかお肉屋の前で、とうぜん店が空いたあと「ここでは自転車修理なんてできないよ」と言われてしまいました。

すでに、おじいちゃんアミーゴはいなくなってます。(なぜ肉屋なのか。)

仕方がないので、目星を付けていた宿に行き自分で自転車を弄くってみますがどうやら、スポークも折れていることに気づきました。

分かりにくいけどスポーク折れてる

内心(あー、これやべぇなー。)という感じです。

後輪もネジを締めたからといってどうにかなる気もしません。

というより、アウストラル街道第2の都市を名乗っている割にコクランがショボすぎて割と絶望をしております。※第3の都市という説も。知らんけど。

どうやら、今日はハロウィンかなにかの祝日らしく空いてない店も多いので明日もう一度自転車修理やらしきところを回ってみようかな…

ヒッチハイクせねばいかんかな

14時過ぎには宿に着きました。

そして、宿の敷地でキャンプしているフランス人とキッチンで話をしているとどうやら彼は「ヒッチハイクでパタゴニアを旅」しているようでした。

僕もその話を聞いてピンときたのですが、もしコクランで自転車が治らなかったらヒッチハイク(with壊れたチャリ)でコジャイケまで戻って修理してヒッチハイク(with治ったチャリ)でコクランまで戻ってくる選択肢もあるなと。

まぁ、これは最悪の事態ですけどね。今のところアウストラル街道完走を諦めたくないのです。(今日50kmヒッチハイクしたけど)

ヒッチハイクって1回とかなら良いのですが、何台も乗り継ぐと「申し訳無さ」というか「他力本願の辛さ」みたいな精神的なコストが大きいんです。個人的見解です。

あくまで日本での経験なので海外ではそうではないかも知れませんが。

でも、やる必要があればやるしかない。そんな風に思った今日1日です。

とりあえず、明日までコクランでいろいろ粘ってみます。

プチ情報まとめ

◆プエルト・ベルトランド〜コクラン
・車で通ったらかわからないが、最後の20kmくらいは結構えげつない山の沿道アップダウンが続く
・景色は白濁系の長い綺麗な川が特徴的。アンデスというより壮大な緑の岩山が綺麗

◆コクラン
・宿 Camping Refugio
キャンプ→7,000ペソ/泊 スペースはいっぱいあるが、屋根付きはテント1個しか張れなそう。壁はない。
ドミトリー4人部屋狭い→10,000ペソ/泊(ここに宿泊)キャンプドミは外にあるトイレシャワーキッチン共有
個室→18,000ペソ/泊 個室のある建物内でキッチントイレシャワー共有
Wi-Fiあり。ちょっと弱いかも
シャワーホット
キッチンもまぁ使いやすい
商店が目の前に合って良き
・街
確かに広いがコジャイケ程のなんでもありそうという安心感はない。アウトドアのお店も一応一つある。
噂では自転車屋もあるようだが、どうだか…
商店の肉は冷凍。



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