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再審制度

◆弁護士 飛田 博

2022年10月12日 日経新聞朝刊39頁

「再審制度進まぬ法整備」「証拠開示規定なく長期化」という見出しの記事から

「日弁連が弁護活動などを支援し、再審無罪が確定したのはこれまでに18件。発生から無罪確定までは平均30年超、最長で62年かかった。再審を巡って審理が長期化する最大の要因は、刑事訴訟法に再審における証拠開示の規定がないことだ。
刑訴法は再審開始について、新証拠の「明白性」と「新規性」を要件とする。実際は発生から長い時間が経過した事件で、弁護側が新証拠を独自に見つけ出すことは困難なことが多い。検察側の証拠開示の姿勢は多くの再審事件で問題視されてきた。」

(飛田コメント)
 私は刑事事件はあまり詳しくはありませんが、それにしても事件発生から再審無罪が確定するまでに平均30年超、最長で62年というのは衝撃的な時間の長さですね。裁判に30年超とか62年もかかっていたら充実した人生を送ることは難しいでしょう。
 記事中には、政府から独立した刑事事件再審委員会が検察から資料を収集する権限を持っていたり、再審請求審で弁護側が検察側の証拠を閲覧できる制度が紹介されていますが、日本の場合も、現実に再審制度で審理の長期化という問題があり、その原因も検察の手持ち証拠について証拠開示規定がないということに特定されているのであれば、諸外国の例を参考にして、新しい制度を作っていってほしいと思います。
 おそらく、証拠の整理(リスト化)ができていなかったり、保管の問題なども影響しているのではないかと推測しますが、その場合は、電子ファイル化するなど、新しいテクノロジーが役立つのでないかと思います。
 いずれにしても30年とか60年は長すぎる。

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