目指せ、対岸! 「1万メートル」を越えて見えてくる「景色」はどんなもの?
こんにちは、2000年前後のbeing作品の歌詞の解釈について書いている「品川みく」です。
今回2月29日(木)22:30~23:30に開催予定の #1万メートルナイト に向けて小松未歩「1万メートルの景色」(1998年)について書きます。
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「1万メートルの景色」は、1998年の鳥人間コンテストのテーマソングに使われた曲です。
当時の鳥人間コンテストは、琵琶湖の先へ先へと飛距離が伸びていた時期。
1995年の第18回大会で、これまでの最長記録の4倍近い、8,764メートルの大記録。次の1996年の第19回大会ではそれを上回る9,761メートルの記録が出たところ。
次こそ、ついに1万メートルの大台に乗るか? 対岸が見えてくるか?
という時期に主題歌に使われたのが、この曲、「1万メートルの景色」だったのです。
それならば、ストレートに解釈してみましょう。
主人公の彼は、鳥人間コンテストでの新記録を夢見るパイロットなのだと。
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1番の歌い出し、「流れる雲に視界奪われて 水平飛行中の午後」は、
先が見えずなかなかうまくいかない日々のことを描いているのでしょう。
試作機での練習飛行がうまくいかなかったのでしょうか。
こんな馬鹿な夢を追いかける彼をずっと思い続けているのは間違いなのかもしれない。
それでも、動き始めてしまった気持ちをもう止めることはできません。
1番のBメロ「星に尋ねた どこまで行くの?」というのは、
いったいいつまで彼を思い続けるのだろう、という自問自答です。
そう思うたびに空を近く感じ、自分も大空に飛び立ってみたくなるのでした。
ああ自分、疲れてるな、考えるのをやめよう、自分の気持ちに正直になってみよう。
彼のことを好きなのか? 嫌いなのか? と何度も問い直してしまうけれど、やっぱり彼が好きなことは変わらないのでした。
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2番の歌い出し、「追えば逃げる気まぐれな態度」というのは、
夢があるからといつまでも正式に自分と付き合うとは言ってくれない彼のことを言っているのでしょう。
もしそれが、私を虜にさせるための計算だとしたら、すごい罪なものです。
誰にも言えないけれど、きっと彼は自分のことを思ってくれている。ひとりじゃないって大声で叫びたい気分になります。
2番のBメロ、
「地図通りのground 小さな町見下ろせば 理想なのに」
というのは、彼の乗る飛行機が、1万メートルの新記録を越え、対岸の地面が目に入ってきたときの光景のこと。
その夢が叶うときを心待ちにしている自分がいます。
2番のサビの「時を越えて許し合う」以後は、彼とケンカして仲直りするところを描いているのだと思います。何度もけんかをすることがあるけれど、繰り返すたびに絆が深まっていくのです。
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そして、ついに。
1998年大会の鳥人間コンテストでは、優勝チームは悲願の1万メートルの大台を突破。そして、目の前には対岸が少しずつ見えてきて…ついには大会史上初の対岸到達。1万メートルどころか、2万3,688メートルの大記録を達成します。
対岸への夢は、未歩さんが届けてくれたんじゃないか、なんて、私は密かに思っていたりします。