現状維持したがるのは人間の本能
人間は、安定を求め変化を嫌う生き物です。
どんな環境でも慣れるという習性を持っています。
生物は生きていくために、
変化させるのではなく、
まずは、環境に慣れようとする。
多くの生き物は、与えられたその環境で生きる試みをします。
その場所がいかに過酷でストレスの強い環境であっても、その場所で生きる方法を探します。
そして、その環境を変える余力があれば変えるというのが生き物です。
環境を変えることが出来る生き物は、
群れを作らなくても生きられる「外来生物」
ブラックバス、アメリカザリガニ、マングース、アライグマこれらの生物は、環境破壊という形で環境を変えるほどのパワーがある生き物です。
これらの生物の特徴は、群れを作らなくても単独で生きることができる生物です。
単独でも、他の生物に害を加え戦うことが出来るほどの脅威がある生き物でなければ、環境を変えることはできません。
だからこそ、人間は群れを作って生きなくてはいけないので、環境に適応する慣れるということを選びます。
そして、環境に慣れ安定することを目指します。
現状維持とは、環境に慣れるということ
アメリカの精神科医ウィリアム・グラッサー博士が主張する選択理論10の原理を読んでみてください。
私たちがコントロールできる行動は唯一自分の行動だけである。
私たちが与えることができるもの、他の人から受け取るものは全て情報である。
長期に渡るすべての心理的問題は、人間関係の問題である。
問題のある人間関係は、常に私たちの現在の生活の一部である。
過去に起こった苦痛は私たちの現在に大きく関係しているが、この苦痛な過去に再び戻ることは、今、私たちがする必要のあること、すなわち、重要な現在の人間関係を改善することに、ほとんど、あるいは全く貢献できない。
私たちは、遺伝子に組み込まれた5つの欲求、すなわち、生存・愛と所属・力・自由・楽しみの欲求によって駆り立てられる。
私たちは、上質世界に入っているイメージ写真を満足させることによってのみ、こうした欲求を満たすことができる。私たちの知っている全ての中で、上質世界に選択していれるものが、もっとも重要である。
私たちが誕生して死を迎えるまでに出来ることはすべて行動である。あらゆる行動は、全行動で、4つの分離できない構成要素、行為・思考・感情・生理反応によって成り立っている。
全ての全行動は、動詞、あるいは不定詞や動名詞によって表現され、最も認めやすい要素によって呼ばれる。例えば、私はうつで苦しんでいる、あるいは落ち込んでいるではなく、「私はうつ行動を選んでいる」あるいは「うつをしている」である。
全ての全行動は選択されたものであるが、私たちが直接コントロールできる要素は行為と思考だけである。しかしながら、自分の感情と生理反応のコントロールは、間接的に私たちが行為と思考をどのように選択するかによって行っている。
ここでこの選択理論10の原理から考えたいのは、
個で活動することを考えた場合、人間は環境に慣れる行動へ反発することになり矛盾が発生するということになります。
その矛盾こそが自分自身へストレスを与える要因となります。
環境を変化させようと行動することは、
環境破壊活動でしかない。
現状に不満を持つことと、環境そのものを変えようとするることは似て非なるものです。
現状に不満を持つという段階は、自分の環境を疑う行為です。
環境を変えることは、その環境から移動して別の環境へ移るというわけではなく、環境そのものを変化させ改革する行動は単なる環境破壊です。
あなた自身が外来生物という位置づけになってしまいます。
新しい環境が不安なことは当たり前
現在がどんなに劣悪な環境であっても、なかなか行動できない人が多くいますが、人間は安定した環境から離れたくないのが当たり前です。
人間にとって安定した環境とは、「今現在進行形で生きている」という状態です。
死んでいなければ、人間にとっては安定していると言えるんです。
住めば都。
人間は環境に慣れることができる。
だから、よくない環境から引っ越しすることが人間にとっては良い選択。
ただ、環境に慣れることが出来るという利点を人間は持っています。
とんなに不安であっても、死ななければ生きようとすることが出来るのが人間です。
だからこそ、案外、人間は新しい環境、自分にあった環境を探して選んで生きるのが適しています。
人間は現状維持することが生命維持に繋がっているからこそ、見えない何かに縛られるのではなく、自分が暮らしやすい外の世界を目指すことこそが人間の生存本能です。