屋久島との再会
もうひとつの話を書こう。
船の、進行方向の側の話を。
雲がはいびすかす色に染まり始めた5時50分くらいに一旦話は戻る。
船は、屋久島に向かって進んでいた。
私は、懐かしいその姿を見ようとして船の進む方を幾度か確認した。けれども、それらしいものは見えなかった。開口一番、何と言おう? 屋久島は、私を憶えているだろうか・・・?
そのうち、船の右後方では朝日が顔を出して、空が、海が、刻一刻とその表情を変えていった。私はその写真を撮りつつ、たまに屋久島があるはずの方向を振り返ってみた。
島は、一向に見えそうになかった。
けれどもついに、うっすらと認められた。
6時27分37秒。
とはいえ、自信は無かった。あれは、屋久島なのだろうか?
この先、私はしばらくの間、種子島と屋久島、両側の写真を交互に撮ることとなる。前回投稿したのが、そのうちの種子島の分。
6時31分47秒。
きっと、あれは屋久島だ。そうに違いない。
・・・と思ったけれど、人違いだと恥ずかしいので、まだちょっと挨拶は止しておいた。
船は力強く進んでいた。
けれども、なかなか近づかない。
もどかしくて、ズームしてしまった。
やっぱり、屋久島だ。
私は、心の中でこっそり呼び掛けてみた。
やあ、おかえり・・・屋久島はそう返事をしたようだった。
パノラマで撮ってみたら、こんなのができた。
6時47分。
写真がたくさんになってしまいそうだから、この先は明日にしよう。