小学生の頃、面の良い女(児)にボコされていた話

 小学3年生4年生の頃クラスにAという女子生徒がいた。顔が良かったと思う。顔が良いというイメージなのかもしれない。正直もクソも顔は朧げだし、卒アルを見返す気も起こらない。ただ顔が良かったというイメージが先行しているだけかもしれない。一種の思い出補正だな。


 Aは6人だか7人だかきょうだいの下から3番目だった気がする。見たことのあるきょうだいは本人含めて4人だけだったが、どの人も顔が良かった。何でも一番上の姉はどこぞのアイドルグループに所属しているとか。Aが自慢していた。今思えば地下アイドルだったのかもしれないが。当時は地下アイドルなどというモノが存在する事は知らなかった。


 小学3年生の時のいつだか忘れたが、Aが隣の席になった瞬間から全てが始まった。というより徐々に、緩やかに始まり始めていた。気が付くヨシは無いけれど、ね。発端は教師なのだろう。大抵、手のかかる生徒の隣は(誤解を恐れずに、傲慢さにも目を瞑り表現するなら)真面目で優秀な生徒を置く。授業中に静かにさせるとか分からないところを説明させるとか班活動の面倒ごとを、私のような優秀な生徒に押し付け教師は楽をする。別にそれ自体は良い。教師だって1人で30人の人間を見るのだ。仕方ない。最初はテスト直しを手伝うとかそんな感じだったと思う。それがそのうち授業中にプリントの答えを教えろになり、代わりにやれになり。代わりにやれと言われてもAの独特の丸文字と私のきったねぇ字とでは代わりようがない。どうにか真似しようとするが「きったな!こんなんで良いと思っているの?」こっちのセリフだわ。まぁ良いのだろう。そのうちAは癇癪を起こし、癇癪ではないのだろう。本人は至って冷静なのだろう。Aが消しゴムで、私が書いた(代わりにやらされたプリント)の解答を消しゴムで消す。消し方が雑なのでプリントが破れる。「あーあ。私くんのせいだよ」知らねぇよ。「謝って!」草ワロタ。思い出した。ソイツは自分のことを「〇〇(Aの下の名前)ちゃん」と呼ばせた。そう呼ばないと無視された。別にコチラとしては、コチラから用はないので無視されても問題はないのだが。会話の途中でも無視してくるので面倒である。はぁ。後にも先にも下の名前にちゃん付けで呼んだ3次元人間(3次元男、3次元女、3次元その他諸々)はソイツしかいない。私はペットの猫も、さん付けで呼んでいるからな。ちゃん付けで呼んでいるのは喜多ちゃんくらいです。喜多は苗字である。喜多ちゃん可愛いよね。可愛すぎてビックリしちゃいました笑(初見です!アイコンめっちゃイケメンでびっくりしちゃいました笑)

 プリント渡す時に紙の角が手に当たったとかで「痛い!」と言って突っ伏したりしゃがみ込んだりする。ひたすら謝ると許してくれる。「〇〇ちゃん、ごめんねぇ!ホンットにごめんね!」ヘンなの。ある日、四時限目の授業中にそれをやってしまい、Aの機嫌が滅茶苦茶悪くなった。私は給食も喉を通らず(←かわいい)殆ど残した。この先、昼休みと5時限目6時限目にAの機嫌が悪い状態で突入する事が堪らなく憂鬱であった。そんな事を考えまくっていたら。え?何だか気分が悪くなって来たぞ!胸つうか!この鳩尾の上あたりつうか!が、ムズムズするつうか!重たい感じってか!えぇ?あ、気分悪いわ。そんな訳で生まれて初めて(健康診断以外で)私は保健室へ行った。5時限目の音楽の授業は嫌いだったので都合が良かった。音楽の授業が嫌いというより音楽の教師が苦手だったのだが。


 丁度良い機会だし音楽の授業のエピソードを話すわ。合唱のパート練習の時に1人ずつ歌わされて、残り人間はそれを聴き「ごうかく!」とか「ふごうかく!」とか言わされるのだ。地獄である。教師のお眼鏡に敵わない人に対して「ごうかく!」を出したものは音楽教師の威信にかけた聴力により炙り出され、処刑される。罪人はその時間、ずっと教室の隅に立たされる。声が小さい、音が外れた、だの。仲間を救おうと「ごうかく!」を出したものから処刑されて行く。残るのは保身の為に「ふごうかく!」を出す者と単純に歌?が上手いヤツ。そんなのを何回も(複数回の授業)繰り返していると嫌われ者と歌が下手なヤツが「ふごうかく!」を出されるようになる。めんどくさ。あと、いつだかリズムに合わせて(古今東西、別名山手線ゲェム、みたいなヤツ?)デ×ズニーのキャラクターをあげるとかいうのがあったのだが、当時の私はディ×ニーのキャラクターなぞダンボしか知らなかったので、当然詰まり、私は処刑された。ダンボってアレやろ?ラブライブ!だろ?正しくはゆるゆりです。


 戻るお。で、私が音楽の授業をサボって教室に戻ると音楽室から帰って来たAが駆け寄って来て「大丈夫?」とか言う。DV妻・夫・その他、の才能あるな。まぁ言うて私も駿台のフロン太くんを掌底でグニャ〜と潰した後にごめんねごめんねしていたから似たようなもの。



 小4になり席替えのシステムが変わった。担任は小3と同じだった。立候補した人間が班長となり、その班長が班員を指名していく仕組みとなった。今思えば地獄だなそのシステム。Aは私に立候補しろと言う。立候補し、班長となる。私を含め立候補した班長は黒板の前まで出る。まず私はAを指名する。ハイ。次は誰を指名すれば良いのですか?Aに視線を向ける。Aが指を指したり口をパクパクしたりする。餌を求める鯉かな?こうしてもう2人指名し、めでたく班の完成。あとはくじ引きで班ごと席が決まる。(1班はここ2班はここ、班員がどこに座るかは好きに決めてね)こうしてAの快適で囲まれた(正確には不快を取り除いた)王国が完成する。

 小4で使い始めたものに「すすむ千葉県」という教科書があった。名前の通り県独自の副教材である。その裏表紙にひたすら「うんこ」だの「おっぱい」だの鉛筆で書かれた。おぱーいって、ちょ、恥ずかしいですね笑。マジックで書けば良いものの、鉛筆で書くものだから消さざるを得ない。消しゴムで擦る。と、クリーム色の教科書は、あら不思議!インクが落ち、クリーム色が薄くなる。且つ、鉛筆で書いた引っ掻いたような後が残る。面倒だ。親にバレないように、私はその教科書を絶対に家には持って帰らなかった。宿題で必要な時は必要な部分を全て覚えて帰った。←ま天才な私だから出来た事だな。

 前述の通り男子生徒2人、女子生徒2人の班構成なのだが、女子生徒1人がすぐに入院で学校に来なくなり、班は私と男子生徒とAになった。当時の掃除場所はトイレ。Aが「一人じゃ掃除が時間内に終わりません」と担任に申し出た。これは妥当だろう。するとあろう事か担任の答えは「じゃぁ私くん、男子トイレも女子トイレも両方やってよ。私くんなら出来るでしょ。」そして男子トイレと女子トイレを半々で掃除する日々が始まる……かと思えた。始まったのはAは掃除をサボりまくり、私が男子トイレの1/3程と女子トイレの殆どを掃除する日々。(Aは自分の顔が好きなので鏡を一生懸命掃除していた。文字起こしするとかわいいじゃねぇか)。ちと待て、今思えばその入院したヤツってのはまさかこれが原因じゃねぇよな?入院って聞いたような気がするが……まさか入院ではない……?或いは……。小4なのでそれなりに生理が来ている人間もいる。当然、三角コーナー(サニタニーボックスの事。Aが三角コーナーと呼んでいたので私も倣ってそう呼んでいた)の掃除もする。アノ独特のニオイを処理し続ける。三角コーナーのゴミは保健室に持って行って新しい袋を貰う決まりになっていたので、それを持って保健室に行く。一番最初それをやった時、養護教諭に言われた事は「なんで、君が来るのですか?気持ち悪いですよ笑」。違いねぇな。本当に。あー、養護教諭、オマエさんは悪くないよ。掃除中もトイレに来る人はいるし、掃除の時間の前に個室に入って、私が掃除をする為にトイレに入ってから、個室から出てくる人もいる。「何でいるの……」ワロタ。私が知りたいです。あとクソどうでも良いけれど(クソだけに(やかましいわ(今のは笑うところです)))小4の校舎は古く、木が剥き出しの教室だった。トイレは当然古かった。男子トイレの小便器は自ら(各人が)流す方法がなくて、休み時間が終わる頃になると一斉に流れる仕様になっていた。ボットンじゃないボットンみたいな感じ。どんな仕組みかは分からない。機械仕掛けなのかな?(阿保)


 体育の時間にフリスビーの授業があり(謎)、私が投げたフリスビーがAの脛に当たった事があった。うーん。こうして文字にしてみると私も結構Aに対して物理攻撃していたのな。例によりAはしゃがみ込み、私の怒涛の謝罪で再起動したAは私の脛を蹴ってきた。脛を蹴られても正直痛くない。が、何度も何度も蹴ってくる。すると周りのヤツらが「何すか、あれ」みたいな感じで見てくる。それ、その目、嫌だわ。髪掴まれても膝で鼻蹴られても腹蹴られた事もあったな。一昔前のヤンキぃはそれ対策でパンチパーマにしていたんやろ。何か知らねぇが、ある時(女子トイレ掃除の時)、突然スカートあげてショーツおろして性器見せて来た事あったのだが、アノ時、性器に掃除用のきったねぇ歯ブラシ突っ込んで下から蹴り上げでやれば良かったわ。当然そんなことする勇気?は無いのだが。というかそれやったら損害賠償モノだよな。やらなくてよかったわ。



 晴れて私は小5のクラス替えで解放された。次のターゲットになったのは私が小3、4で結構仲良かったヤツ(Bとする)だった。ホンマすまんな。いつだかBと廊下ですれ違った時に「なぁ、どうやってAと関われば良い?」と聞かれて、あぁコイツは潰れるな、と感じた。Bがその後どうなったか知らん。そういや私の近所に1人だけ同い年で同じ小学校に行ったヤツ(Cとする、Cは5、6年時にAと同じクラスだった)はAに虐められて不登校になった。6年の時は半分くらいしか学校行ってないじゃぁないかな?家は数メートルしか離れていないがCと最後に会ったのは中1の夏休み。自由研究がどうとかでインターホン鳴らして来たな。今何しているのだろう。高校とか行ったのかな?



 幼稚園児の頃、父親が「しつこくちょっかい出してくるヤツとかがいたら乗り込んで行くからなぁ」などと言うのを聞いて「問題を複雑化するのは勘弁なぁ」などと感じていたが、今なら分かるわ。分かるつうか適切な言葉が見当たらないが。血ぃ繋がった(別に血に拘る必要もないが)ガキが虐められていたら相手を殺しに行くわ。ソイツの周りも親も全員殺してやる。関係ない人?あぁそうだろうね。関係ない。コッチにしても関係ないわ。関係ない事が、関係ない。相打ち(相手を殺して自分がブタ箱に入る事)になっても良いから存在抹消しに行く。幸い私には知識があるし、新たに知識を得る手段がある。ついでに考える脳味噌がある。どうすりゃ適切に殺せるか罪が軽くなるかも分かる。

 ところで、これ、顔が良い要素いるのか?要ります。面が良くなかったら多分、ボコされた記憶も残らなかった。その辺の土鳩にフン引っ掛けられても、その瞬間、オノレ!つっても数秒後にはどの鳩にフン落とされたとか分からないだろ?真っ白の綺麗な鳩にフンかけられたらそっちの方が記憶に残るだろ?そゆこと(どゆこと?)。顔が良かったからボコされてムカついた訳だし、顔が良いのに、一介のキモヲタ(当時は予備軍だと思う)である私をボコす必要があるのか?と考えていたし。まぁ必要なんて、意味なんてなかったのだろうな。何かいたから、暇だったから、理由は何でも良い。そんな感じなのだろうな。


 今となっちゃ良い思い出。当時は憂鬱だったがな。どのくらい良い思い出かと言うと小学校6年間で覚えている数少ない出来事程度には良い思い出なのだ。ま、結局、我々は今っつう狭い範囲でしか物事を見られないのだから、精々、見られる範囲の世界はよーーく見とけって話だな!その過程で未来などという、約束されていない出来事をキッパリ投げ出すことになっても、ね。




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