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やってくる“偶然”に心を開け Frédéric Dumeur フレデリック・デュマー

今回は、パリでWEBマーケティングの仕事をしていたフレデリックに話を聞きました。…「していた。」なぜ過去形なのか。そう、彼は3日前に仕事をやめて来週カナダに旅立つのです!出発直前、彼の仕事や人生に対する考え方を話してくれました。

メル氏:フレデリックはWEBマーケティングやデジタル・コミュニケーションのポストで仕事をしているね。どんな経緯で今の仕事をしているの?

フレデリック:自分は高校卒業後にまずば2年間ビジネスを勉強して、その後大学では語学(英語、スペイン語)を専攻したんだ。在学中に英語をブラッシュアップするためにマルタ*に滞在したよ。戻って来てからは、WEBマーケティングやEビジネスの勉強をしながら企業で研修をして、その後現在の仕事っていう感じかな。正確には会社は3日前に辞めたんだけれど。

*南ヨーロッパにある島国。公用語はマルタ語と英語。EU加盟国でもある。

メル氏:え!会社をやめたの?!どうして?!

フィレデリック:来週からカナダに行くんだ。随分前から計画していたんだよ。

メル氏:へぇ、そうなんだ!気になるカナダの話は後で詳しく聞くとして、、、まず、ビジネスや語学を勉強しようと思ったのは何で?

フレデリック:具体的に何になりたいって言うのは無かったんだ。ビジネスのコースを選んでおけば経済や会計の基礎が学べるし、どんな分野の仕事にも関係がある。後の進路に選択肢を多く残しておけると思って。
語学、特に英語は、やっぱり音楽の影響だよね。自分は小さな頃から英語の曲を聞いては訳を調べていたから、英語がすごい得意だったんだ。成績もよかった。だから専攻していた訳だけど、、、まぁ、”語学の勉強”って、よほど思い入れが無いとその分野で専門職に就いてもキツいし、スキルとして習得しても、何か先が”ボヤっと“”しってたんだよね。だからそれ以上は続けなかった。

メル氏:現在の仕事、インターネットやWEBに興味を持ったのは何で?プログラミングもするの?

フレデリック:結構いつもパソコンの前に居たし、WEBがどういう仕組みで動いているのか、自然に興味を持てたから。それで、とりあえずやってみたら自分に合ってたって感じ。プログラムは大体理解できて簡単な修正とかはできるけど、専門はWEBマーケティングだから、自分の主な役割はプロジェクト全体の管理とかだよ。

メル氏:進歩や変化が大きい分野だと思うけど、それについていくストレスは無い?

フレデリック:うん、いつも自分の知識を更新していかなきゃならないよね。でも、この分野を仕事にする時にそういうものだと思って覚悟を決めているから、あまり気にならないかな。

メル氏:フレデリックは何をするのが好きなの、趣味とかはある?

フレデリック:音楽!それと、大切なのは友達と過ごす時間かな。ほとんど毎週末どこかのライブに行って、そこで友達と合流することも多いよ。

メル氏:どうしてそんなに音楽を聴くようになったの?

フレデリック:気が付いたら自然に。親が特別に音楽好きという訳でも無かったしなぁ。音楽は自分の人生で大きな部分を占めてる。人生を楽しくしてくれる。色々なことを考える手助けにもなるし。良いことがあった時は、ハッピーな曲を、悲しいときはちょっと違う曲を聴いたり。気分を変えるのにも役立つんだ。もはや自分の性格と一体化してるよね。音楽が無い世界なんてイメージできないよ。

メル氏:じゃぁ、何か嫌いなことはある?

フレデリック:特に無いな。嫌いなことって、、、、今のところ見つけてない。

メル氏:ほう。例えば料理とか掃除も好き?

フレデリック:あ、料理は好き。親父が料理人だったんだ。だから料理は身近だな。掃除、、、掃除機かけるのは結構好きだけど、食器洗いはあんまりだな、、、、。嫌いって言ってもそんな程度だよ。う~ん、ホント特に無いな。

メル氏:外から見たフレデリックの印象は、超社交的で友達が多い人気者、明るいって感じなんだけれど、実際、自分から見たフレデリックの人生のトーンってどんな感じなの?例えばコメディー・タッチだったり、もっとドラマチックなものなのかな?

フレデリック:う~ん、そう思ってくれてればいいよ。確かに自分はどっちかって言えばポジティブだしね。
例えば自分の両親は18歳でフランスに来て、ゆっくりキャリアを組み立てることなんて出来なかったと思うんだ。そういう彼らに比べれば、僕は今まで自分の望むように学校に行って、興味を持ったことを好きなようにやってきた。だから自分の人生は恵まれていると思っているし、色々な楽しみや時間を周りの人と共有したいって思うよ。

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メル氏:どうしてカナダへ行くの?

フレデリック:もうここに住んで長いから。27年だよ。違うものも見てみたいよ。結構前、大学院を出た頃から計画していたことなんだ。ちなみに行先がカナダなのは、寒いのが好きだからなんだ。自分は暑いのは苦手。20~25度ぐらいまでなら大丈夫だけど、それ以上は疲れる。何より寒い時に暖かくするのは厚着すればいいけど、暑い時に涼しくする方が大変じゃん。カナダは冬はめちゃ寒いマイナス30度ぐらい。北欧は物価が高いし、せっかくならヨーロッパじゃなくて、もっと遠くへ行きたいと思ったんだ。アメリカ大陸に行けば、ニューヨークへ行ったり、中南米へ行ったり色々幅が広がると思った。

メル氏:どこの街に行くの?

フレデリック:モントリオール。モントリオールを知る人がみんな「すっごいいい街」って言うんだ。多分IT系の仕事が見つけやすいと思ったから。首都からも近いし、フランス語圏のケベック州にあるから、みんな英語とフランス語で喋るんだ。生活費も安くは無いけど、大都市の中では比較的低い方だし、文化が混ざり合ってダイナミックだと思う。

メル氏:カナダへ行くのは、フランスでの生活が嫌だから行くわけでは無いんだね。

フレデリック:そうそう、前向きな選択。フランスの会社で正社員になって、収入が安定したら不動産を買って、、、そういう規定路線に一回乗ったら当分動けないじゃん。自分は今はもっと違うことをしたいって思ったんだよね。もちろん「何歳でどこに住んで、家族を持つ。」って考えも悪くないけど、もうちょっと後だね。仕事行って買い物して、、、そういうちっちゃな日常に、今いきなり捕らわれるのは嫌だな。まずは旅をして色々な世界を見てみたい。

メル氏:そういう安定した日常生活もいいんじゃない?安心だよ?

フレデリック:いつも安心している必要はないから。状況によって偶然色々発見するのも面白いじゃん。正確にいえば「こういうことしたい」っていうのは何となくあっても、「ぜったいこうするんだ、こうしなきゃいけない」とかは思わない。そう思っていた方が、他の事に出会える可能性があるもん。

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いや、正直なところ、3日前まで働いていた会社は大手で、すごい環境が良くて、「もうちょっと居てもいいんじゃないか」とか一瞬思っちゃったんだよ。でも上司が「いやいや、戻るのは簡単だから、行ける時に行った方がいいよ。自分の人生を生きなよ。」と言ってくれて、、、あ、そういえば他の上司も同僚も誰も「残ればいいのに」って言わなかったな。
契約終了のタイミングも、空白期間を作らずお金も貯められるように、出発ギリギリに合わせてくれたんだ。ラッキーだよね。だから在籍中はその分、仲間や会社のために自分が出来ることはしようって思えたよね。この会社ではありのままの自分で、周囲とすごくいい良い関係が出来た。

カナダへ行っても自分らしさを保って仕事できる職場を見つけるのが目下の目標かな。仕事の環境によって態度や行動を多少合わせることはしょうがないけど、自分自身を押し殺さなきゃいけない職場で長くは働けないよね。

メル氏:向こうに行ってからどんな会社で働きたいとか、少し頭にある?

フレデリック:具体的な仕事は決めてないけど、例えば文化関係の会社とかいいんじゃないかと思う。受け手だけでなくて仕事をする側も、学びがある感じがする。でも着いたらすぐに働き始めるんじゃなくて、少しの間は色々カナダを見て周ろうと思う。自然公園に行ったり。確かカナダはフランスと違って有給があんまり無いんだよ。アメリカと同じような感じかな。年に2週間半ぐらい?

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メル氏:カナダは何かおいしいものあるのだろうか。

フレデリック:言ってもフランスの食文化って、全然悪くないからね。カナダは違うって思っていた方がいいよね。外食はアメリカと同じでファースト・フードっぽいものが多いんじゃないかな。毎日は食べられないし、基本的には自分の家で料理しようと思ってる。

メル氏:何かこれから始めたいことってある?

フレデリック:カナダに行ったら何かスポーツをしたい。ドラムにも挑戦してみたいかな。演劇もいいね、カナダは演劇が盛んなんだ。とにかく人との出会いがあると思うから何かしら新しい活動を始めようと思ってるよ。

メル氏:発つ直前の気分は?期待や不安は?

フレデリック:う~んわからない。前もって考えないようにしてるよ。ただ行って発見する。知らない国の知らない場所で生活するんだから、前もって想像したことは実際は役に立たないし、かえって先入観が生まれて効率悪いんじゃん。準備も万端じゃない方が、その場で人に聞けるし。カナダの人達はすごいオープンみたいだし心配いらないと思う。

メル氏:一年後の自分はカナダで何してると思う?

フレデリック:いろんな出来事をたくさん経験して、たくさん出会いがあるといいな。自分から行くだけではなくて、周囲の人も自分に興味をもって会いに来てくれたらいいよね。

コミュニケーションだよ。パーフェクトな人なんてどこにも居ないけど、お互いに違った長所を持っていて、インスピレーションを与え合えるから。俺にも必ず他の人に与えられるものがあるから、自分を他の人より下に置くことはしないようにしてるんだ。仕事や立場や年齢に関係無く。自分を信頼して、ポジティブにいきたいよね!

メル氏:話を聞かせてくれてありがとう、フレデリック!よいカナダ生活になるよう願っているよ!

♪ フレデリック、spotifyのミュージック・プレイリスト♪
グッドバイブスのおすそ分けをいただきました。毎月プレイリストが更新されるので是非チェックをしてみてください。
https://open.spotify.com/user/1133630390?si=Wq4qKyNGQkexDwfAswgi9Q&fbclid=IwAR2QeWWgrQUTrIBYYXKTm8Yofj1p2STkdADId749WMQ6ZAr0okyq8k4uEk8&nd=1

インタビュー後記:
フレデリックは良く喋りよく笑い、ムードメーカーとして皆に慕われていて、「みんなのフレデリック」という感じです。出発前に会いたい人も多いだろう中、時間をもらうのは若干気が引けたのですが、快くインタビューを引き受けてくれました。
フランス人は何となく自由に好き勝手生きているイメージがあります。彼らは他の人の生き方には寛容ですが、実は本人のこととなると一転「正社員」「安定」を求める傾向が圧倒的に強いです。(そして次は不動産購入から家族形成です。いや、もちろんそれでいいのですが。)だから彼が「まだ小さな日常に捕らわれたくない」とはっきりと言うのが新鮮でした。
一方で“自分探し”と言うと、頑固者が自らの人生に腑に落ちる為に行く印象が強いのですが、 フレデリックは 「 どうせ予想通りにならないならば 前もって考えない 」「おおよその希望はあるけれど、ぜったいこうするんだ、こうしなきゃいけないとかは思わない。」という言葉に象徴されるように非常に柔軟な様子。自分の人生を他人(コントロールできないもの)との関りや出会いありきで設計していくオープンな姿勢が、色々な人を惹きつけるのだろうな思いました。
ありがとうフレデリック、カナダでよい出会いがいっぱいありますように! Merci beaucoup Frédéric! 😀

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