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ルーシー日本へ行く<帰国編:日本もよかったけれど、もっと良かったのは...。>Lucie Bourboulon ルーシー・ボーブロン

前回、春の日本旅行を控えて、その意気込み語ってくれたルーシー。 熱心に勉強していた日本語でたくさん日本人と話せたのでしょうか。 実は日本に2週間滞在した後、1週間のソウルに滞在して帰って来た彼女。感想を聞いてみると、、おや、何だか予想外のことが起こっているぞ。

メル氏:お帰り、ルーシー!
日本旅行はどうだった?もう大分経つよね。いつ頃行ったんだっけ?

ルーシー:3月末から4月初めにかけて、日本で2週間、その後ソウルに1週間滞在して帰って来たよ。 最初は友達とグループ行動をして、後半は1人旅をしたの。 日本は2週間あったからけっこう楽しめたけど、ソウル滞在は短かった。もう少し居たかったなぁ。

メル氏:東京はどうだった?

ルーシー:ホテルが近かったから、浅草と上野をよく散策したの。桜がきれいだった!表参道も流行りのショップやギャラリーがあって楽しかった。渋谷は観光客が多くて、でも交差点以外はあまり見るものが無くて期待外れだったかな。あと、東大を見に行ったよ。フランスでは「ラブひな」っていう漫画が結構流行っていたんだけど、主人公が東大受験生で、いつも東大の建物が描かれてたから行って見たかったんだ。

そうそう、最初の東京の宿は、友達と「ちょっと変わったところに泊ろう」って話になって、浅草にある旧ラブホテルをリノベーションした宿に泊まったんだ。面白かったけど、寝心地が悪くて腰が痛くなったなぁ。笑

メル氏: 個性的なホテル!おもしろそう。

ルーシー: 日本で一番気に入った街は京都。街を歩いていると、たくさん神社仏閣があるのがとても好きだった。中でも印象に残っているのは伏見稲荷。観光客がいない状態で写真が撮りたかったから始発に乗って朝早く行ったの。疲れたけど、正解だったよ。自分たちが10時頃に階段を下っている時、もう人がたくさん居たから。

メル氏:写真はたくさん撮れた?

ルーシー:うん!日本ではフィルム1日1本のペースで撮ってたんだ。写真が写っていなかったり消えたりしたら嫌だから、念のためデジタルカメラとケータイでも撮影して、動画も撮ったり。だからけっこう時間がかかったの。

メル氏:フィルムカメラの写真はやっぱり独特の味があるね!(写真を見せてもらいながら)

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メル氏:出発前に日本で食べてみたいものたくさんあるって言っていたけど、美味しいものはあった?

ルーシー: そうそう、とにかくたくさん食べた。主な出費は食費よ!全部食べて見たくて1日4食の日もあった。すごいでしょ!
3週間の旅行の間に胃が大きくなったみたいで、フランスへ戻って来てから、お腹が空いて仕方なかったの。笑

たこ焼きがすっごく美味しかったなぁ。パリでも買える場所はあるけど、やっぱり味が違う!滞在中に4回ぐらい食べたもん。

あと、駅弁最高。何でフランスに無いんだろう、、、。大阪ではイカ焼きをたべり。最近流行っているフルーツサンドは食べたことが無かったけど美味しかったくて1日に2回食べたよ。フワフワのパンケーキも食べてみた。

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メル氏:日本で食べたものの中で、好きじゃない物はあった?

ルーシー:箱根の旅館の朝食の味噌汁の中には行っていたヌルヌルしたキノコにびっくりした。

メル氏:さては、ナメコだな!

ルーシー: そうそう!ナメコなんて知らなかったから。変わってるよね。でも味は悪くなかったかな。

あとね、日本では フランスに比べてコーヒーを買える場所が少ないから、ちょっと困ったかな。コンビニのコーヒーや缶コーヒーは飲む気にならなくて。一緒に行った友達がコーヒーを買おうとしてカフェを探していて電車に乗り遅れそうになったこともあったんだ。笑

メル氏:日本に実際に行ってみて発見したことや、行く前と印象が変わったことはあった?いい部分でも、悪い部分でも。

ルーシー:う~ん、ネガティブなポイントは無かったな。でも正直、予想外のことやびっくりしたことも無かったかも。
あ、そうだ。どこも清潔なのには本当にびっくりした!道に吸い殻も犬のフンも全く無い。地下鉄の駅のトイレまでめっちゃ綺麗だった!!!!友達も「これはすごいね!」って。

あと私は、温泉や銭湯が大好きだったの。 旅行中はたくさん歩いたけど、 ホテルにも大浴場があったし、お風呂に入っていたおかげで疲れが取れた気がする。1日2回入ることもあったよ!
フランスでも湯舟を使うことはあるけれど、あの大きさの浴槽や、お風呂に入る前に体を洗うルールとか、全然違っておもしろい。とにかく気に入っちゃった!

メル氏:日本人はどうだった?

ルーシー:う~ん、親切な人も、あまり親切でない人もどちらにも出会ったかな。飲食店の店員さんは特にフレンドリーで親切だった。順番待ちリストに「ルーシー」ってカタカナで書いたら、「ルーシーって言うんだね!」って話しかけてくれて会話ができたし、私が日本語で喋るとサービスしてくれたりした。

メル氏:それはよかった!親切じゃない人っていうのは?

ルーシー:地下鉄で、年配の人にジロジロって見られたり、隣の席をわざと避けられることがあったの。日本に住んでいる友達から聞いたことがあるんだけど、日本では外国人が電車で席に座っているのを怪訝な顔で見る人が居て、そういう人は電車の席には日本人が座るべきって思っているんだって。

メル氏:え!本当に?ちょっとショック。 身近にはそういうタイプの人が居ないんだけどなぁ。

ルーシー:そういうことをするのはみんな70歳とか80歳ぐらいのお年寄りよ。若い人たちは全然そんな態度を取らないし、フレンドリーだし、地下鉄でも平気で横に座って生きたわよ。これからの世の中は若い世代が作っていく訳だし、あまり気にしないことにしたけれど。

友達とグループで行動していた時はあまり気にならなかったの。一人で行動するようになってからそういう視線を向けられたことが何度もあったから。ただ「何しているんだろう。」と思って見ているのかもしれないし、「何だこいつ」と思っているのかもしれない。とにかく観察されるような眼を向けられるのは気持ちのいいものじゃないよね。あとは場所による。観光客が多い場所はまったくそう感じなかったけど、少し田舎の方に行くと多かった。そういう人と日常で出会うことになると思うと、自分は日本に住むのは微妙かなぁって思った。

メル氏:そうなのかぁ。色んな人が居るね。でも態度に出すのはあまり上品じゃないなぁ。

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メル氏:日本語は役に立った?

ルーシー:うん!「日本語を勉強している、日本語はむずかしい。」って言うのは何度も使ったよ。「これ」とか「あれ」っていうのもしょっちゅう使えたし。「すみません、水をください。」って言うのは飲食店で役立ったよ。

メル氏:旅行先の言葉を話せると色々便利だね!

ルーシー:トイレを探している時に、日本人に日本語で「トイレはどこにありますか?」って聞いたら、相手に予想外に早口で長い文章で返されて、慌ててわかった振りをして「ありがとう!」って言って、、、、後で自力で探したりもした。笑

メル氏:それは外国語で喋ろうとした時の “あるある” だ。笑

ルーシー:あとは「う~ん」とか「ええっと」を多用して、日本人っぽく喋ろうとしてみたり。何か説明をされたときは「お~!」って言ってみた。

メル氏:あ、なるほど。確かにそれを使うと日本人っぽくなるね。私たちは意識して使っていないから、そうやって話し方を分析されると面白いなぁ。

ルーシー:あと、若い人は結構英語が喋れたから不便は無かったよ。

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メル氏:2週間の日本滞在の後は、ソウルに行ったんだね。

ルーシー:うん!学生時代の韓国人の友達が帰国してソウルに居たから彼女の家に泊めてもらったの。
日本でも京都がそうだったけれど、ソウルには町の中にお寺や歴史的建築物があるからそれがとっても良かった!

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メル氏:東京とソウルの違いは?

ルーシー:東京とソウルは、カラフルな看板がたくさんあって風景は似ていたけどやっぱり違いがあって、、、東京はぜんぶピカピカ。めっちゃきれい。ソウルは場所によって何か村っぽい雰囲気もあったかな。

メル氏:どっちの方が好きだった?

ルーシー:ソウルの方が好きだった。

メル氏:やっぱり。何かそう言いそうな雰囲気が、さっき会った時から漂っていた!笑。

ルーシー:ソウルは東京よりも観光客が少ないのがいい。東京は何をするにも待たなきゃならなかったから。写真を撮るのも通行人をやり過ごしたり、フランス人もいっぱい居たけど、ソウルではあまり見なかったから。本当に知らない土地に居るっていう感覚があったの。
日本ではフランス人の友達と観光客として過ごしていただけだったけど、ソウルは現地に住む友人に案内してもらったっていうのも大きい大きな違いだと思う。

あと、食べものがメチャクチャおいしかった。日本のものは事前に調べたりアニメを見て予備知識があったけど、韓国の食べ物はノーマークだったから、発見ばっかりだったの。
日本の食べ物を2週間食べて、それから韓国へ行ったでしょ。日本も韓国も近いけど、料理が全然違うの。友達に連れて行ってもらったレストランで食べた辛いチキンが美味しかったなぁ。料理が辛いのに最初はびっくりしたけど、最後の方は慣れて結構平気で食べれるようになったよ。日本の料理はそんなに辛くないよね。

住むなら韓国だなぁ。物価や食べ物が安いくて、住むイメージがしやすい。飛行機で2時間で時々日本にも行けるしね。

あ!それと韓国にはイケメンが多い!日本人もカッコいいよ。でも韓国人は超イケメンなの!

メル氏:ほう!それは聞き捨てならないな。

ルーシー:服がおしゃれで、背も高くて。男性用コスメが普及しているせいもあると思うけれど、特に肌がきれいな気がする。

韓国でコスメを色々買ったんだけど、安いのに質が良くてコスパ抜群なの。戻ってからは韓国で買ってきて来たコスメを毎日使ってる。女性もとってもオシャレで綺麗よ。これは行って見てびっくりしたんだけど、彼らは化粧品店にノーメイクで入って行って試供品でフルメイクをして何も買わずに出て来るの!フランスだと、試したら何か買わなきゃいけない気になっちゃうし、リップの使いまわしとか気になるけど、韓国ではそれがみんなの習慣みたい。だから極端な話、お金が全然無くても綺麗になれちゃうの。みんな綺麗でお化粧上手なはずよね。

いくら韓国で美容整形が多いって言っても、彼らは絶対元も美しいんだと思う。友達が冗談で「韓国人と結婚しなよ!」って言ってきたけど、全っ然OK! 笑

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メル氏:まだ日本にも韓国にも行ったことが無い人が居たら、どっちを旅行先として薦めたい?あ、もちろん私が日本人だと言うことは気にせずに答えて。

ルーシー: う~ん、韓国。大抵の人は日本と比べて予備知識が無い分、発見や驚きが多いと思う。最近日本に行くフランス人がすごく多いし、日本に興味がある人は、既に何か知っているか、もう行ったことがある。それに比べて韓国の文化は日本ほど知られていないけれど、東アジアの文化に興味がある人なら絶対楽しめると思う。日本に3週間ぐらい滞在して、そのうち数日、韓国で過ごすっていうのもいいし。おすすめ。

私は元々k-popが好きなの。k-popのCDのパッケージや冊子はクリエイティブで工夫が凝らされているから、もしもk-popのCDパッケージデザインが仕事にできたらいいなぁ、とか思っちゃう。(*ルーシーはグラフィックデザイナー。)

メル氏:参考になるよ。私も日本に行こうと思っている友達に韓国も勧めてみようと思う!

ルーシー:うん、まさか住みたいと思うまでソウルが好きになるなんて思っていなかった。行くまではk-pop以外のこと、何も知らなかったもん。自分でも本当に驚き。

メル氏:旅行から帰って来てからどう?

ルーシー:旅行の後は、日本やソウルの事ばっかり思い出していた。すごい悲しかった。スーパーのアジア食材コーナーを見るだけで本気で泣けてきた。

メル氏:え、そんなに!

ルーシー:まず、食べ物が恋しかったし、旅行中は毎日が発見や学びの連続だったでしょ、それが終わって日常に戻ったが寂しいのよね。
旅行中、一度もフランスに帰りたいと思わなかったし、遠いけど何だか自分の国に居るみたいな不思議な感覚があったの。現地の人と現地の言葉でコミュニケーションが取れると、全身にアドレナリンが出るの。 日本語を使って喋ったり、韓国語の単語も少し覚え始めていたし、、、帰国の日が近づくにつれて悲しくなって。今まで欧米の色んな国へ行ったことがあるけれど、こんなに「まだ帰りたくない」「今すぐにでも戻りたい」と思ったバカンスは今までで初めて。帰ってからは案の定ブルーになったけど、、、パリの天気が良かったのが幸いよ。もし冬だったら速攻Uターンしていた!

でもまた8月に日本に行くの!

メル氏:え、そうなんだ!

ルーシー:今日本語を習っている学校に一か月日本に滞在しながら日本語を勉強するコースがあって、今回の旅行の前から申し込んでいたの。学校の企画だから、往復の航空券と宿泊と授業日で1700ユーロ(20万円)ぐらい。安いでしょ。

メル氏: それはお得だね!

ルーシー: 帰って来てから、「そのお金を韓国語を勉強するのに回せばよかった。」って、ちょっとキャンセルしようかとも思ったんだけど、、、。でもやっぱ日本もいいところだし、「ここは行くしかないでしょう」って。
8月は暑いから北海道に行ってみたいな。

メル氏:韓国に住みたくなった今、日本語を学び続けるモチベーションが下がることはない?

ルーシー:それはないよ。現地の人とコミュニケーションを取れてとても嬉しかったし、やっぱり役立つからね。
日本語と韓国語は文法が似ているらしいから、韓国語も勉強したい。日本語も韓国語も喋るようになればもっといいもんね。実はハングルはもう読めるようになったんだよ。
友達には3か国語、4か国語を話す人も多いから、私もやればできるんじゃないかなって思ってる!

メル氏:色々と聞かせてくれてありがとう、ルーシー!

ルーシー日本へ行く<準備編>
https://note.com/461831_/n/nb9f97c0739d1

ルーシー日本へ行く<番外編:2度目、夏の日本滞在編>
https://note.com/461831_/n/na7c43cd73fde

ルーシーのホームページ
https://luciebourboulon.com/
Instagram
https://www.instagram.com/bourboulonlucie/

インタビュー後記
今回、ルーシーは会った時から「韓国超たのしかった」という雰囲気を出していて、「インタビューの後編的にどうしたものか。」と思いました。しかし話を聞くうち、むしろその逆で、ルーシーの日本に行く前と後の印象、ソウルとの対比を聞くのは、日本の特徴を知る上でもとても興味深く、学ぶことが多かったです。(韓国料理、美味しいもんなぁ!)

最近、日本へ旅行するフランス人が急増しています。Youtubeなどでも日本を紹介しているビデオがたくさんあるし、良くも悪くも知られて過ぎてきたかもしれません。 それが日本旅行の冒険的要素を減らすことになっているのはちょっぴり残念です。

ルーシーの話を聞いていると、語学が体験を豊かにすることが伝わってきて来ますし、彼女の語学学習に努力する様子から前回同様、さわやかなエネルギーをもらいました。

ありがとう、ルーシー!またワクワクする旅の話、聞かせてねー!Merci beaucoup, Lucie! 😀

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